ミンキーモモが『スパロボ』参戦できた理由は? ハマーン様と並んだ姿に衝撃!
マグミクス / 2020年10月11日 14時10分
■ミンキーモモがハマーン・カーンと『スパクロ』で競演
2020年10月7日(水)、スマホアプリ『スーパーロボット大戦X-Ω』(以下、スパクロ)に『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(以下、ミンキーモモ)が登場すると発表され、Twitter上に激震が走りました。なぜ魔法少女が「スーパーロボット大戦」(以下、スパロボ)シリーズに登場できるのか疑問の声も飛び交いましたが、実は『ミンキーモモ』の31話「よみがえった伝説」で変形合体巨大ロボット「ミンキナーサ」が登場しており、スーパーロボット大戦への参戦資格を持っていたのです。『ミンキーモモ』の参戦はまったく予想していなかった『スパロボ』好きのライター、早川清一朗さんが語ります。
* * *
まず初めに。『ミンキーモモ』には1982年から放送された「フェナリナーサ」のモモこと「空モモ」と、1991年から放送された「マリンナーサ」のモモこと「海モモ」の二作品がありますが、本稿でのモモは、「空モモ」とさせていただきます。
最初に『ミンキーモモ』が『スパクロ』に登場するとアナウンスされたとき、筆者の頭の中に浮かんだのは、無限大のクエスチョンマークでした。若干冷静さを取り戻してからも「え? なんでミンキーモモ? グルメポッポって武装してたっけ? 東方不敗みたいに生身で参戦するの?」と思考がループするばかりで、しばらく「ミンキナーサ」の存在に気付きませんでした。Twitterを流し見しているうちに「ミンキナーサ」の文字を見つけ、そこでようやく「あ、そうか。ミンキナーサがあった!」と思い出したのです。おそらく再放送で見て以来となる、30年以上前の記憶でした。
さらに髪の色と髪型が非常に近いため、しばしば「悪堕ちしたミンキーモモ」と呼ばれる『機動戦士Zガンダム』のハマーン・カーンとモモが対面している画像が公開されたとき、筆者は完全にノックアウトされました。まさか生きている間に、ハマーン様とミンキーモモが同じ世界観に登場する公式作品が登場するとは思いもしませんでした。企画を出した方と通した方に、ただ、「ありがとう」と伝えたくてたまりません。
■『ミンキーモモ』と『戦国魔神ゴーショーグン』
さて、話を戻します。「ミンキナーサ」とは、『ミンキーモモ』の31話に登場した、「ピンクアロー」、「クィーンピピル」、「シンドジャック」、「キングモッチャー」の4機のマシンが合体して完成する巨大ロボットのことです。
この話は、平和なホレホレ島に自分と3匹のお供そっくりの石像があると知ったモモたちが、島を訪ねることから始まります。実はこの石像はかつて合身人形を操り島の危機を救ったモモのお母さんたちが、再びホレホレ島が危機に陥ったときのために合身人形を石像として残しておいたものでした。
モモとお供たちはホレホレ島を乗っとろうとしたスルメッチを倒すためにミンキナーサに合体、普通のロボットアニメのように戦い勝利します。このとき使われていたBGMは一部が1981年に放送された『戦国魔神ゴーショーグン』(以下、ゴーショーグン)のもので、合体シークエンスにも『ゴーショーグン』の影響が見受けられます。
『ミンキーモモ』と『ゴーショーグン』の製作会社は同じ葦プロダクションで、シリーズ構成を両作品とも故・首藤剛志氏が担当しています。さらには『ゴーショーグン』のパイロットのひとりであるレミー・島田とモモの声優は共に小山茉美氏と、パロディネタをやるにはこれ以上はない条件がそろっていました。いま同じことをやろうとすれば、製作委員会や著作権のからみでかなり細かい調整が必要になりますが、そのあたりはまだおおらかな時代だったことも大きいでしょう。
また、1983年に放送されたTVアニメ『特装騎兵ドルバック』のOVA作品「エンドレス・サマー」にはモモと「ミンキナーサ」、そして「ゴーショーグン」が登場し、共演を果たしています。この作品では大人モモが水着姿で登場し、ビキニの上の部分が外れた状態で仰向けにひっくり返るのですが、謎の光による妨害で大事な部分は見えません。この時代から謎の光は男の夢を壊し続けていたのです。
2002年に発売された「スーパーロボットマガジン Vol.9」にも「ミンキナーサ」と「ゴ―ショーグン」が共闘する「ミンキーモモ対ゴーショーグン」(著:渡辺和幸)が掲載されており、改めて振り返ってみれば、「ミンキナーサ」はごくわずかですが『スパロボ』へ登場する可能性があったのです。
しかし「ミンキナーサ」がOKとなれば、日本アニメの歴史の中に膨大な数が存在するゲストキャラ系ロボットの大半が登場可能となったと言えるでしょう。果たして今度はどのようなサプライズで『スパロボ』ファンを驚かせてくれるのか。『スパクロ』運営の方々にさらなる期待をかけさせていただければと思います。
(早川清一朗)
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