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『デジモンワールド』序盤はトイレ探しが最大ミッション? デジモンと過ごす”愛おしさ”

マグミクス / 2021年1月28日 11時40分

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■プラットフォームの垣根を越えて愛される「デジモン」シリーズ

 携帯型ゲーム端末からはじまり、映像作品・カードダス・家庭用ゲームタイトル等々、20年以上にわたって多種多様なコンテンツを展開している「デジタルモンスター」(以下、デジモン)シリーズ。フジテレビ系列で放送中のテレビアニメ『デジモンアドベンチャー:』も現在第4クール目に差し掛かっており、プラットフォームの垣根を越えて幅広い層から根強い支持を得ています。

 本稿でご紹介するプレイステーション用ソフト『デジモンワールド』も、他コンテンツと同様にシリーズの歴史を担う重要な一作。それまでの携帯型ゲーム端末に組み込まれていたデジモン育成、及びデジモンバトルの仕組みをしっかりと再現しつつ、デジタルワールドが舞台の本格的なオリジナルストーリーも用意されていました。

■プレイヤー自身が主人公! 立体的なデジモンの姿に興奮

 本作はバンダイ(現・バンダイナムコゲームス)より1999年1月28日に発売された育成型RPGで、主人公を務めるのは他の誰でもないプレイヤー自身です。突如としてデジモンの端末に吸い込まれたプレイヤーは、さまざまなデジモンが自我を持って生息している「デジタルワールド」(疑似電脳空間)へ到着。「プレイヤーを現実世界から召喚した」と語りかける「ジジモン」と出会い、パートナーデジモンと一緒にファイル島(本作の舞台)の探索を開始します。

 筆者は『デジモンワールド』のリアルタイム世代にあたりますが、初めに驚いたのは”3Dポリゴンで動き回るデジモンの姿”。本作の発売以前にもセガサターン用ソフト『デジタルモンスター Ver.S~デジモンテイマーズ~』がリリースされていたものの、そちらは登場デジモンが全て2Dイラストで描画されていました。一方の『デジモンワールド』では当時の最新機種『デジモンペンデュラム』に収録済みの新種をはじめ、「アグモン」や「ティラノモン」といったおなじみのデジモンが立体的なフォルムで登場。当時は手のひらサイズのモノクロ画面内で必死にデジモンを育てていたこともあってか、プレイヤーと肩を並べて会話するデジモンたちの光景にとても感動したのを覚えています。

■序盤はトイレ探しに奔走、手間がかかるからこそ愛おしい

「デジモン」の醍醐味と言えば何と言っても育成要素。「エサを与える」・「排泄をうながす」・「トレーニングの指示出し」などなど、デジモンのお世話はシリーズ最初期からの根幹的な魅力であり、『デジモンワールド』においてもその点は健在です。「はじまりの街」からパートナーデジモンを外の世界へ連れ出す。色々なデジモンとの邂逅を果たす。血の気の多い野生デジモンと戦いを繰り広げる。そしてお腹が空けば肉をあげてご機嫌を取る……。デジタルワールドへ入り込み、デジモンと寝食を共に過ごすからこそ醸し出される一種の没入感が確かに感じられました。

 なかでも印象深いのは、ゲーム序盤の「トイレ探し」。デジモンは一日のうちに「トイレへ行きたい」という意思表示を示してくれるのですが、この要求に応えず無視し続けると、我慢の限界を迎えたデジモンがその場で”用を足してしまいます”。トイレで用を足すことができなかったデジモンは「のろい」ゲージが上昇。最大値まで溜まると「スカモン」へ強制的に進化してしまうため、便利な”けいたいトイレ”を手に入れるまではことあるごとにトイレへ駆け込むという、ほかのゲームではあまり見られないプレイスタイルが定着しました。

 加えて大変だったのが「デジモンの進化」。デジモンは「幼年期・成長期・成熟期・完全体」と成長していき、段階ごとに外見やステータスも大きく異なります。そのため、お目当てのデジモンへ進化させるべく育成方針を決めなければいけないのですが、慣れないうちはこれが本当に難しい。ゲーム中では詳細な進化条件を確認できないので、何の情報もない場合だと、行き当たりばったりでデジモンがどのように進化するのか見極めなければいけません。例えば「アグモンをグレイモンへ進化させたいのに、なぜかティラノモンへ育ってしまう」なんて体験は日常茶飯事。実際に本作を遊んだことがあるユーザーなら、狙ったデジモンへ進化させることができずに歯がゆい思いをした方も多かったのではないでしょうか。

 とはいえ、こうした苦労があるからデジモンがより一層愛おしく思えてくるのもまた事実。上述のデジモン進化に関しても、「思惑とずれたデジモンを育てる途中で隠された強さを見つけ出し、気づけばそのデジモンが好きになっていた……」というエピソードが人それぞれあるかもしれません。とある裏技を使えばいきなり最強デジモンを生み出すこともできますが、やはり時間や手間をかけて育て上げるからこそ、デジモンに対する思い入れも強くなる。『デジモンワールド』は”ファイル島をおびやかす謎の解明”というお題目を通し、デジモンと一緒に世界を冒険する楽しさ&デジモンを自分自身の手で献身的に育てる奥深さを改めて教えてくれました。

 メディアミックスの一巻として、育成と冒険にフォーカスした家庭用ゲームタイトルを数多く生み出した「デジモン」シリーズ。その源流たる『デジモンワールド』が後世へ残したエッセンスは、2021年1月時点の最新作『デジモンサヴァイブ』を含めたシリーズ作品へ脈々と受け継がれています。

(龍田優貴)

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