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青野武さんの御命日に思い出す、代表的キャラクター。宇宙人の「中身」も演じた?

マグミクス / 2021年4月9日 7時10分

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■声だけでなく、体でも演じた意外なキャラ

 本日4月9日は、2012年に声優の青野武さんが亡くなられた日です。生前、数多くのキャラの声を担当して私たちを楽しませてくれた青野さん。そこで、すべてを挙げきれませんが代表的なキャラたちを思い出してみたいと思います。

 声優として日本アニメ黎明期から活躍していた青野さんですが、もっとも古い代表作品はアニメではなく特撮番組でした。それが『ウルトラマン』(1966年)のザラブ星人です。

 しかも、キャラの特徴をつかむため、スーツアクターとして実際にザラブ星人の着ぐるみに入って演技していました。まだ当時は声優が役者としての専門業ではなかったとしても驚きの事実です。

 このザラブ星人とは縁が深い青野さん。その後のウルトラシリーズにザラブ星人が出てくる際は声優を担当しています。ウルトラ怪獣の活躍シーンを編集した『ウルトラ怪獣大百科』(1988年)でナレーションを担当した際、ザラブ星人の回ではナレーションではなく、ザラブ星人として声を当てていました。

 ほかにも青野さんは洋画の吹き替えが多いことでも知られています。クリストファー・ロイド、ジョー・ペシ、ダニー・デビート、ラム・チェンインなどは、よく担当していたのでみなさんもご存じのことでしょう。

 そんな青野さんがアニメでレギュラーキャラを演じるようになるのは、意外にも遅くて1974年のことになります。そのキャラが『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)の真田志郎と、『破裏拳ポリマー』(1974年)の車錠でした。

 クールな知性派で落ち着いた語り口の真田と、破天荒なギャグキャラでアドリブの多い車という、まったく違う個性を持っているキャラを演じることになった青野さん。この両極端のふたりが、それぞれ青野さんの声優としての魅力を表現しているキャラではないでしょうか。

 この後、多くのキャラを演じる青野さんですが、この沈着冷静でギャグとは縁遠いスタイルと、アドリブ多めのはじけた性格のそれぞれで代表作を増やしていくわけです。時にはその両方を持つキャラも演じていて、青野さんだから魅力的に見えるキャラを次々に生み出していきました。

■得意ジャンルだった悪役とおじいちゃん

多くのおじいちゃん役を演じた青野さんは、『ちびまる子ちゃん』友蔵の2代目声優をつとめた。画像はアニメ『ちびまる子ちゃん』キービジュアル (C)さくらプロダクション/日本アニメーション

 青野さんの代表的キャラを挙げると悪役が多くなります。しかし、一概に悪役と言っても、さまざまなタイプを演じているのがスゴいところ。前述したように、ギャグがまったくない凄みのあるキャラから、ギャグとアドリブ多めのものまで様々です。

 シリアスな悪役というと、『宇宙戦士バルディオス』(1980年)のガットラー総統、『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV』(1989年)の破壊大帝デスザラス、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(1991年)のハドラー、『ONE PIECE』(1999年)のジュラキュール・ミホークが代表的なものでしょうか。

 ミホークは悪役というより敵役ですが、まったくコミカルな面のないキャラで、青野さんの演じたキャラのなかでは珍しい存在です。その代わり、劇場版『ONE PIECE』では10作品連続で毎回、違ったキャラで出演していました。中には青野さんらしいコミカルなアドリブもあり、ミホークでできない分を演じていたのかもしれません。

 シリアス系の悪役でもっとも有名なのは、やはり『ドラゴンボール』(1986~1989年)のピッコロ大魔王でしょう。子供時代の孫悟空にとって最大の敵で、強さと怖さを兼ね備えた悪役でした。分身である神様も演じましたが、こちらは笑いのあるアドリブもあった感じですね。

 コミカル面のある悪役と言えば、『ゲゲゲの鬼太郎(第3作)』(1985~1988年)のぬらりひょん、『忍者戦士飛影』(1985年)のハザード・パシャ、『ビックリマン』(1987~1989年)のスーパーデビルが忘れられません。しかしコミカルな面があるとはいえ、悪役特有の怖さもキチンと演技されていて、その切り替えの巧みさが光っていました。

 特にぬらりひょんを鬼太郎のライバル的存在まで膨らませた功績は大きいと思います。2007年から放送された第5作でふたたび演じたときは、今度はシリアス多めで親分肌のぬらりひょんを演じていました。

 悪役の次に多く演じるようになったのが、おじいちゃん役です。『天地無用!シリーズ』(1992年)の柾木勝仁、『ちびまる子ちゃん』のさくら友蔵(2代目:1995~2010年)、『交響詩篇エウレカセブン』(2005年)のアクセル・サーストン、『銀魂』(2006年~)の平賀源外など、忘れられない役ばかりでした。特に『天地無用シリーズ』では、婿養子の柾木信幸との2役を同時に演じていたのが印象深いですね。

 駆け足でまだまだご紹介しきれないのは残念ですが、みなさんも心に残る作品を思い出して青野さんの声を脳内再生していただければと思います。

(加々美利治)

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