【漫画】怪しい男から「吸うと疲れもフッ飛ぶよ」の売り込み…意外なオチで安心！

■違法なものを想像させておいて…実は！

　会社での仕事が忙しくて、クタクタの毎日。そんななか、帰り道で怪しげな男に「兄ちゃん、いいモノあるよ」と声をかけられます。男が薦める「吸うとリラックスできて疲れもフッ飛ぶ」「合法だし安全」なモノとは……？

　樫村ケイさん（@ningyou5）が、『新社会人へのアドバイス』から始まる4コマ作品シリーズを公開しました。全部で4本のマンガがあり、読者からは「たっ、確かに合法……！」「間違いない」「中毒性は高いでしょう」などのコメントが寄せられています。

　作者の樫村ケイさんに、お話を聞きました。

ーー樫村ケイさんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

　小さい頃から絵を描くこととマンガが好きで、高校1年の頃、2chまとめブログで知ったWebマンガ投稿サイト「新都社」で初めてマンガを描きました。

　いろいろな作品を描くなかで、大学生の頃に『ハイパー片思い』というマンガを描き始め、その作品が2chまとめブログやTwitterでバズったり、深夜バラエティ番組で紹介していただいたり、4コマアンソロジーや書籍化のお誘いをいただいたり……で、今に至ります。

　普段はサラリーマンですし、趣味でマンガを描いてるだけで、商業連載、雑誌掲載、マンガ賞受賞の経験がないので、漫画家としてデビューできた自覚はまだないです。

ーー今回の作品は、どのような発想から生まれましたか？

　この1年半くらいは『ハイパー片思い』の書籍化に向けて原稿作業をマイペースに頑張っていたのですが、それが2021年の2月に無事終了し、燃え尽きてしまったのか、マンガを描くモチベーションが今いち上がらない状態でした。

　そんな状態でダラダラ1、2か月過ぎてしまい、マンガに関して生産的なことをできていない状況に自己嫌悪し、とりあえず何でも良いからリハビリ的に適当なマンガを描こう、と思ってこの作品が生まれました。そういう何気ない気持ちで描いたので、ここまで反応をいただけたことにかなり驚きました。

　あと猫の日（2月22日）のあたりに、猫は好きだけど飼った経験がない彼女から「人はなぜ“猫吸い”をするの？」という質問を受け、“猫吸い”の魅力を話したことも影響してたと思います。

『ハイパー片思い』（KADOKAWA）

ーー樫村ケイさんも、実際に“猫吸い”を楽しんでいるのでしょうか？　“猫吸い”は、どのような気分になるものでしょう？

　2019年に亡くなってしまったのですが、実家にいたスコティッシュフォールドによく“猫吸い”させていただいていました。

　普通にしているだけでかわいくてたまらないのに、その存在が顔を埋められる距離感にいる愛おしさ。フワフワで良い匂いのする温かい毛の生き物によって顔が包まれている幸福感。“猫吸い”させてもらえる信頼関係を持っている優越感とか、いろいろ思うところがあって良い気分になります。

　猫側は別に気持ち良くなくて鬱陶しいと思っているのか、うちの子は長時間“猫吸い”すると逃げ出していました。2020年からは実家で新しい猫を飼い始めたのですが、人見知りなので“猫吸い”どころか、なでるのも難しいです。久しく“猫吸い”できていないのでつらいです。悲しいです。

ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。

　劇中で猫を抱えてるお兄さんについて、傷は猫にやられたもの、ピアスは猫のオモチャとして付けているものという設定があるのですが、気付いてくれた人がいてうれしかったです。あと“犬吸い”を推奨してる人も印象的でした。飼ったことはないですが犬も好きなので、いつか“犬吸い”もしてみたいです。

ーー先ほどもお話があったように、2021年2月に『ハイパー片思い』の単行本が発売されました。そちらの作品についても概要や見どころのご紹介をお願いします。

　好きすぎて異常なアプローチをしてしまう女の子と、それを冷たくあしらう男の子の全力ラブコメディ4コマです。僕のTwitterで7割くらいは読めるので、お試しで読んでみて面白かったら単行本も読んでいただきたいです。単行本では描き下ろしとして、ふたりの出会いや最終回が収録されています。

ーーTwitterで発表される作品については、今後どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　身の回りの出来事とか、何気なく思い付いた面白い話やキャラとか、どうでもいい落書きとか、とにかく何でも良いので、たくさん絵やマンガを描いていきたいです。気持ちと時間に余裕があれば、雑誌掲載とかマンガ賞を目指して作品を描き、自分が思う“漫画家像”に近付きたいです。

（マグミクス編集部）