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作曲家・菊池俊輔さんが残した名曲たち。著名歌手が熱唱した「仮面ライダー」主題歌も

マグミクス / 2021年5月4日 17時10分

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■歌が入っていなくても心に残る、名曲の数々

 数多くのアニメ・特撮作品の音楽を手掛けてきた作曲家の菊池俊輔さんが2021年4月24日にお亡くなりになりました。菊池俊輔さんの生み出した数多くの名曲のなかから、いくつかを振り返りたいと思います(膨大な量を全てご紹介できませんので、あくまでも筆者の目から見た形で失礼いたします)。

 筆者が菊池さんの曲を最初に聞いたのは、おそらく『タイガーマスク』(1969~71年)だったと思います。勇ましくて心躍るようなオープニング曲と、その逆にもの悲しく心にしみいるようなエンディング曲。その両方が、菊池さんの代表的な手法だったと思います。

 もちろん、劇中のBGMとして使用される楽曲も魅力的なものが多く、不安をかき立てる曲、戦いを盛り立てる激しい曲、そして勝利を確信させる高揚感のある曲など、作品の絵を見ると自動的に脳内再生されるほど強い影響力がありました。ファンのなかには「菊池サウンド」、「菊池節」と呼ぶ人もいます。

 菊池さんのスゴいと思うところはまさにここです。曲というものは詩がついて歌となると記憶に残りやすいのですが、菊池さんの作ったBGMの数々は、曲だけでも心に残る名曲ばかりでした。

 後の影響を考えると、『仮面ライダー』(1971~73年)から『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』(1984年)までのライダーシリーズで作り出した楽曲は、菊池さんの代表作がつまっていたと思います。菊池サウンドがあったからライダーシリーズが大ヒットしたと言っても過言ではないでしょう。

 作品内で流れるBGMもそうですが、挿入歌も頻繁に使われるようになってドラマを盛り上げる重要な役目を存分に果たしていたと思います。作品を見たことのある人なら、今でも主題歌を歌えるという人も多いのではないでしょうか? そういう記憶に残る名曲が多いですよね。

 筆者のなかでは、ドラマのオープニングに使われている楽曲も記憶に強く残っています。『キイハンター』(1968~73年)から始まった土曜夜のアクション系ドラマの数々、『アイフル大作戦』(1973年)、『バーディ大作戦』(1974年)、そして『Gメン’75』(1975~82年)は、みなさんもオープニングナレーション込みで脳内再生されませんか?

『暴れん坊将軍』(1978~2002年)などもそうですが、とにかく耳に残るBGMが多いと思います。バラエティ番組などで使用されると、「あの曲だ」と思うものばかり。

 大映ドラマでも、印象深いものが多くあります。『赤い疑惑』(1975年)などの「赤いシリーズ」、『スチュワーデス物語』(1983年)、『不良少女とよばれて』(1984年)、『スクール☆ウォーズ』(1984年)など、青春を描いたドラマでも菊池サウンドは定番でした。

 特に、主題歌をアレンジした楽曲が秀逸で、時には原曲よりも勇壮で、時には悲しみを一層引き立てるアレンジが絶品だったと思います。

■アニソン歌手によって歌われた名曲の数々

菊池俊輔さんは『Dr.スランプ アラレちゃん』OP「ワイワイワールド」のような楽しい雰囲気の曲も手掛けている。画像は放送35周年記念の「Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ! BEST」(日本コロムビア)

 激しく心を揺さぶるような曲調が菊池サウンドの魅力ではありますが、菊池さんはおだやかで楽しくなる楽曲も当然多く作曲されています。

 その代表的な作品が、『ドラえもん』(1979~2005年)と、『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981~86年)でしょう。ほのぼのとした日常を思い出させる曲調は、普段のアクションが多い菊池サウンドとは違った良さがあります。ホッと一息つく日常の雰囲気。そんな安心感があるのではないでしょうか?

 この作品に引き続く形で『忍者ハットリくん』(1981~87年)や『オバケのQ太郎』(1985~87年)。そして、アクションがメインとなった『ドラゴンボール』(1986~89年)などにも楽曲を提供していました。

 菊池さんは月10本くらい仕事をしたいと思っていたと読んだことがあります。しかし、今回調べてみたら、お忙しいときは10本後半、四捨五入したら20本もお仕事をしていたことがわかりました。最盛期は毎日のように菊池サウンドを耳にしていたかも……と思っていましたが、それは本当のことだったみたいですね。

 もちろん、歌手のみなさんに歌ってもらった数々のヒット曲にも思い出があります。

 まず筆者が思い出す名曲は『闘え!ドラゴン』(1974年)の主題歌。子門真人さんが歌っていました。筆者もカラオケに行くと締めに必ず歌っていました。子門さんと菊池サウンドの組み合わせには盛り上がる曲が多く、『電人ザボーガー』(1974年)、『仮面ライダーアマゾン』(1974年)なども、みなさんご存じのことでしょう。

 ささきいさおさんとの組み合わせで印象深いのは『ゲッターロボ』(1974年)の主題歌です。菊池さんが初めて手掛けたロボットアニメだったそうで、挿入歌はイケイケのアニソンから、心に染み入るバラード調の曲までバラエティ豊かでした。続く『大空魔竜ガイキング』(1976年)でも、グッとくる名曲ぞろいだったと思います。

 水木一郎さんはライダーシリーズで菊池さんの曲を多く歌っていますが、あえてひとつ挙げるとすると『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)の挿入歌「11ライダー大讃歌」でしょうか。それまで作品ごとにあった仮面ライダー全員を歌う曲の集大成で、聞いているだけで仮面ライダーの歴史が目に浮かぶ名曲でした。

 カラオケに行って菊池さんの追悼で歌いたいという人も多いことと思います。こんなご時世だから自粛しているでしょうが、事態が鎮静化したら筆者も仲間を誘って行きたいですね。しかし、全部歌うにはオールでも時間が足りそうにありません。

 あらためて、菊池俊輔さんの御冥福を心からお祈りいたします。

(加々美利治)

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