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『頭文字D』の影響力をしみじみ感じた今春の出来事。「ハチロク」はこれからどうなる?

マグミクス / 2021年5月4日 18時20分

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■新型「トヨタ86」で思い出される、限界バトルの軌跡

 2021年4月5日、トヨタがスバルと共同開発した新型スポーツカー「GR86」が世界初公開となり、喜んだのがクルマ好きのオジサンたち。ナゼなら……このご時世にマニュアル、スリーペダルの2ドアスポーツカーが発売されること自体が貴重なうえに、「86(ハチロク。決してハチジュウロクと読んではいけません)」という響きが特別感を与えているからです。

 その特別感の源泉となっているのが、伝説の人気マンガ『頭文字D』です。このマンガを知らない方は「86(ハチロク)」という呼称と同様、タイトルの読み方に注意が必要です。“頭文字”と書いて“イニシャル”と読むのが正解なので……。作者は『バリバリ伝説』で一世を風靡した、しげの秀一先生です。

「週刊ヤングマガジン」で1995年から2013年まで連載され、累計発行部数約4800万部を誇る『頭文字D』で、主人公の藤原拓海が操るクルマが「AE86(エーイーハチロク)」と呼ばれたトヨタのスプリンタートレノでした。発売当初は同じ「AE86」の兄弟車であるカローラレビンの方が主流でしたが、同作の影響でトレノが爆発的人気を博したのです。

“公道最速”を目指す主人公がこのハチロクを巧みに操り、さまざまな強敵と公道バトルを重ねていくストーリー。峠で限界に挑むバトルの描写に読者は釘付けとなりました。“ヒール&トゥ”、“ダブルクラッチ”、“左足ブレーキ”なんて用語を聞くと、胸がキュンとなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 このマンガで欠かせないキーワードが「ドリフト」です。タイヤを横滑りさせながら走るドライビングテクニックで、多くの青年の憧れとなり、習得するためのマニュアル本が数多く出版されました。そして、レーサーの土屋圭市氏は、“ドリキン(ドリフトキング)土屋”と呼ばれ、カリスマ的存在となったのです。

 当時のドリフトブームは凄まじく、筆者の友人も毎晩のようにVHSビデオでドリキン土屋のテクニックを研究し、週末は峠を攻めに行っていました。今でいう「ゲーム実況」でテクニックを磨く若者と同じ感覚だったのかもしれません。こうした影響力があったからこそ、生産終了となった「ハチロク」が2012年に「トヨタ86」として再び販売されることになったのでしょう。

■藤原豆腐店の今…そして「EV版86」登場の可能性は?

「藤原豆腐店」のモデルとなった「藤野屋豆腐店」は解体されたが、看板や外装などが「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」に寄贈され、「藤原豆腐店」として再現展示されている(同博物館にて、マグミクス編集部撮影)

『頭文字D』主人公の実家として描かれた「藤原豆腐店」は、実在の店(藤野屋豆腐店、群馬県渋川市)をモデルとしたため、全国のファンが訪れる聖地となっていました。その店は残念ながら区画整理で閉店・解体されてしまったそうですが、現在、「伊香保・おもちゃと人形自動車博物館」に移設、展示されています。

 若者がドリフト走行に夢中になった時代を経て……2021年の春。世界はEV化へと猛スピードで向かっています。そのなかで「トヨタ86」のような車がニューモデルとして販売され、多くのメディアに取り上げられるのを目の当たりにすると、『頭文字D』の影響力の凄まじさを感じずにはいられません。

 しかし世界では、アウディ、ボルボ、ジャガーなどの欧州メーカーが内燃機エンジンの新規開発から近い将来撤退する意向を表明するなど、EV化への大変革期を迎えています。日本でも2030年にガソリン車の販売が禁止される情勢で、スポーツカーには猛烈な逆風が吹いているので、これが最後の「ハチロク」の新型になるかもしれません。

 でも、筆者は違う未来をイメージしてしまいます。それは、電気自動車全盛期となった日本で、EV版「トヨタ86」が発売されること。人生100年時代……『頭文字D』を愛する世代は2030年もまだまだ元気なはずなので、白と黒のカラーリングで新型が出たら、きっと売れるに違いありません。

 ちなみに2021年末には、半世紀以上愛されてきた名車「フェアレディZ」の新型発売が噂されています。この「Z」といえば…そう! 楠みちはる先生の『湾岸MIDNIGHT(ミッドナイト)』です。「Z」発売の際にはまた記事に取り上げたいと思います。正式発表を楽しみに待ちましょう!

(遠藤昇輝)

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