人気声優・茅野愛衣が演じるキャラ3選 『あの花』『鬼滅』でも活躍！

■この3人が同じ声優さん…だと…！？　圧倒されるバリエーション豊かな演技

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の本間芽衣子（通称：めんま）役で、無邪気ながら儚さも感じさせる、思わず引き込まれてしまう演技で絶大な支持を得た人気声優・茅野愛衣（かやの・あい）さん。TVアニメ『鬼滅の刃』の胡蝶カナエ役を務めたことでも知られています。

　そんな茅野さんの魅力のひとつとして外せないのが、性格も方向性もまったく違うキャラクターを多数演じていながら、いずれも驚くほどピタッと合わせてくる圧倒的な演技力。近年はお母さん役を演じるなど、その幅をさらに広げています。本稿では、そんな茅野さんが演じる魅力的なキャラクターを3人ピックアップしてご紹介します。

●『冴えない彼女の育てかた』霞ヶ丘詩羽

『冴えない彼女の育てかた』霞ヶ丘詩羽役　画像は2期『冴えない彼女の育てかた♭』キービジュアル　(C) 2017 丸戸史明・深崎暮人・KADOKAWA ファンタジア文庫刊／冴えない♭な製作委員会

　ひとりめは、『冴えない彼女の育てかた』の霞ヶ丘詩羽（かすみがおか・うたは）。富士見ファンタジア文庫から刊行されている同名のライトノベル（著者：丸戸史明、イラスト：深崎暮人／KADOKAWA）が原作です。アニメは2015年1月～3月に第1期が、2017年4月～6月に第2期が放送されました。

　本作品の主人公は、ギャルゲーが大好きなオタク高校生・安芸倫也（あき・ともや／CV：松岡禎丞）。倫也はある日、桜舞い散る坂の上で白いワンピースをなびかせる女の子・加藤恵（かとう・めぐみ／CV：安野希世乃）と運命的な出会いを果たします。倫也は彼女こそヒロインにふさわしい！　と恵をメインヒロインにした同人ゲームの制作を考えますが、次に会った彼女はオーラなんてない、目立たない普通すぎる女の子で――！？

　茅野愛衣さんが演じる霞ヶ丘詩羽は、倫也によってこの同人ゲームのシナリオ担当として駆り出された先輩。学年一位を誇る優等生美少女で小説家としても活動しています。しかし性格には少し難ありで、口を開けば毒舌発言が飛び出すドSな一面も。そんな攻撃的な発言をする一方で倫也に惚れており、普段のクールな姿からは想像もできないほど積極的に動くこともある小悪魔でもあります。そんな彼女の頭の良さ、そして不思議な妖艶さを見事に両立させる茅野さんの演技は必見です。

●『この素晴らしい世界に祝福を！』ダスティネス・フォード・ララティーナ（ダクネス）

『この素晴らしい世界に祝福を！』ダクネス役　画像は映画『この素晴らしい世界に祝福を！紅伝説』　(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね／KADOKAWA／映画このすば製作委員会

　ふたりめは、『この素晴らしい世界に祝福を！』のダスティネス・フォード・ララティーナ（通称：ダクネス）。角川スニーカー文庫として刊行されている同名のライトノベル（著者：暁なつめ、イラスト：三嶋くろね／KADOKAWA）が原作です。アニメは2016年1月～3月に第1期が、2017年1月～3月に第2期が放送されました。

　本作品の主人公は、ある日交通事故（？）で命を落とした引きこもり高校生・佐藤和真、通称・カズマ（CV：福島潤）。カズマは次に目を覚ました先で女神・アクア（CV：雨宮天）と出会い、そこで異世界転移の話を持ち掛けられます。その際にアクアに死因を笑われ粗雑に扱われたことから、カズマは異世界転移のボーナスアイテムとしてアクアを所望。結果、アクアはカズマとともに異世界へ転送されて魔王に挑むことになり――。

　茅野愛衣さんが演じるダクネスは、カズマとアクアが向かった転移先でパーティーメンバーになりたいと声をかけてきたクルセイダー。鍛え抜かれた体と美貌を持っているが、攻撃がまったく当たらないうえ超のつくドMで、苦痛を得るため自ら盾になりにいくなどして敵すらもドン引きさせるつわものです。家が貴族であるため育ちの良さを感じさせる場面や振舞いも見受けられますが、ことあるごとに過激な妄想を繰り広げて周囲を困惑させます。上で紹介した詩羽との演じ分けに、茅野さんの実力を感じずにはいられません。

●『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか？』大好真々子

『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか？』大好真々子役　(C)2019　井中だちま・飯田ぽち。／株式会社ＫＡＤＯＫＡＷＡ／お母さんは好きですか？製作委員会

　最後は『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか？』の大好真々子（おおすき・ままこ）。富士見ファンタジア文庫から刊行されている同名のライトノベル（著者：井中だちま、イラスト：飯田ぽち。／KADOKAWA）が原作です。アニメは2019年7月～9月に放送されました。

　本作品の主人公は、いたって普通の高校生男子・大好真人（おおすき・まさと／CV：石谷春貴）。母親との距離感が難しいお年頃な真人は、ある日高校でもらった匿名の調査書で母親との関係性について回答し、うっかり名前を書いて提出。結果、内閣府が運営する母親同伴で冒険するというMMORPGのテスターに選ばれてしまいます。真人と母親・真々子は、ひと悶着ありながらも共にゲームを進めていくことになりますが――。

　茅野愛衣さんが演じる真々子は、おおらかでおっとりとした性格の絵に描いたような理想のお母さん。しかし近年のゲーム知識はほぼ皆無で、「アカウントって何なのかしら」と質問するほどの初心者です。それゆえ初回ログインボーナスを選ぶ際に最高ランクのクエスト報酬並みの剣を2本同時に引き抜くなど、たびたび型破りな行動をしでかします。そんな天然をさく裂させる真々子ですが、常に真人に全力で愛情を注ぎ、彼を守ること最優先。茅野さんの甘さを含むおっとりとした声色が、愛情あふれる真々子の大人の魅力をこれでもかと引き出しています。

＊　＊　＊

　以上、茅野愛衣さんが演じる魅力的なキャラクター3人をご紹介しました。3人ともまったく違う性格、設定を持つキャラクターですが、どの演技をとっても茅野さん以外いないのでは！　と思ってしまいます。何を演じてもキャラクターの持つ魅力を何倍にも増幅させる引き出しの多さに驚きを隠せません。未視聴のアニメがある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。

（月乃雫）