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「金ロー」初放映の『ザ・ファブル』 原作ファンから異論も、新作ではジレンマを克服?

マグミクス / 2021年6月18日 17時10分

「金ロー」初放映の『ザ・ファブル』 原作ファンから異論も、新作ではジレンマを克服?

■岡田准一がガチアクションに挑んだヒット作

 アクション映画好きな人なら見逃せないのが、岡田准一さん主演の新作映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』です。南勝久氏の人気マンガ原作にした実写映画『ザ・ファブル』(2019年)に続く第2弾で、前作以上にアクションシーンはスリリングになっており、殺し屋に扮した岡田さんのコミカルな演技も楽しめる快作となっています。

 2021年6月18日(金)より劇場公開される『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』に合わせ、同日の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)では第1作『ザ・ファブル』が地上波初オンエアされます。夜9時から10時54分の枠での放映です。

 岡田さんがノースタントでアクションシーンを演じ切った『ザ・ファブル』は話題を呼び、興収17.7億円のヒット作となっています。ですが、一方では原作ファンの一部からは厳しい声も上がりました。実写版『ザ・ファブル』は、なぜ評価が割れることになったのでしょうか?

■壁をするすると登るファブルに唖然

 原作コミックの第1巻~第9巻をベースに実写化された『ザ・ファブル』は、こんなストーリーです。

 岡田さん演じる主人公は、都市伝説級の強さを誇るために「ファブル(寓話)」と呼ばれているプロの殺し屋です。ボス(佐藤浩市)から指示された仕事のみを請け負ってきましたが、かなり派手な仕事をしたため、一般人として大阪で1年間過ごすようボスに命じられます。ファブルの相棒(木村文乃)も一緒です。

 ふたりは佐藤アキラ・ヨウコという偽名を使い、兄妹として平穏に過ごそうと努めます。ですが、殺し屋としてのただならぬオーラを消し去るのは容易ではありません。ファブルはアルバイトを掛け持ちする清水ミサキ(山本美月)の紹介で、デザイン事務所「オクトパス」で働くことに。時給800円からのスタートですが、ファブルの描いた「ヘタヘタ」なイラストが上司の田高田(佐藤二朗)に気に入られるなど、少しずつ一般社会に溶け込んでいくのでした。

 そんなある日、ミサキが地元暴力団の組員に拉致される事件が起きます。事件の背後には、組員同士による内部抗争があり、ミサキは抗争に巻き込まれてしまったのです。ボスからは「休業中に一人でも殺したら、お前を殺す」と厳命されていたファブルですが、世話になっているミサキを放っておくことはできません。目出し帽を被ったファブルは、武装した暴力団組員や殺し屋たちが待ち構えるゴミ処理場へと向います。

 岡田さんはブルース・リーが創設した格闘技「ジークンドー」やフィリピンの伝統的武術「カリ」などに精通し、実写版「ザ・ファブル」シリーズのファイトコレオグラファーも務めています。主演俳優本人がアクションシーンの演出も手掛けていることから、限界ギリギリのスタントを披露しています。ゴミ処理場に潜入するために、パルクールの要領でファブルが壁をするすると登っていくシーンは、思わず二度見したくなります。顔が見えないこのシーンも、岡田さん自身が演じています。

■原作ファンが抵抗を感じた理由とは?

新作映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のポスタービジュアル (C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

 岡田准一さんのアクションシーンは高く評価されたものの、原作ファンの一部からは厳しい声もありました。ファブルは都市伝説級の殺し屋であり、どんな相手も6秒以内に仕留めてみせるプロ中のプロです。そのため、誰にも気づかれずにいる影のような存在なのです。

 しかし、実写版では目出し帽を被っているとはいえ、ファブルは大勢の前に姿をさらし、大乱闘することになります。原作に比べ、大幅に増員された武装集団と闘います。ファブルの強さを強調するためのこの演出に、原作ファンは抵抗を感じたようです。

 ファブルが派手に活躍すればするほど、原作で描かれた都市伝説の男・ファブルのイメージから離れてしまうというジレンマを、実写版は抱えていたのです。

■原作者・南勝久氏のスタンス

 原作者の南勝久氏は、実写映画版をどのように受け止めているのでしょうか。新作『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』では、南氏は脚本段階から打ち合わせに参加したそうです。映画の公式ホームページには「何もかもが前作を凌駕した岡田准一氏の身体能力と格闘センスに脱帽。堤真一氏のウツボは原作よりも、さらに人間味が溢れていた―」という南氏のコメントが掲載されています。

 スタッフ&キャストが第1作に満足することなく、多くの人が楽しめるエンターテイメント映画としてより進化を遂げたことで、原作者からのお墨付きがもらえたと言えるのではないでしょうか。

 日本、とくに東京都は道路規制が厳しく、カーアクションを公道で撮ることができません。『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』ではそのことを逆手に取り、立体駐車場という限られた空間で緊張感あふれるカーアクションに挑戦しています。原作コミックではわずか数コマのシーンですが、走行車に対する岡田さんの超絶スタントは必見ものです。

 他にもヨウコ役の木村文乃さんが見せるセクシーな格闘シーン、前作以上にド派手な「団地パニック」シーンなど、多くの見どころが『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』には用意されています。また、元欅坂46の平手友梨奈さん演じる車椅子の少女・ヒナコの葛藤と成長がドラマの大きな縦軸となっており、より人間味を増したファブルの物語にぐいぐいと引き込まれていくことになります。

 原作コミックの力を借りて、日本映画にはかつてなかったアクションシーンの数々に挑んでみせた実写版「ザ・ファブル」シリーズ。まずは「金ロー」で、岡田さんの体を張ったスタントと脱力系ギャグを味わってください。また、実写版をご覧になった人は、原作コミックもぜひ手に取ってみてください。実写版とは違った、よりブラックでハードな味わいが楽しめるはずです。

●『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』
2021年6月18日(金)より全国公開。
原作/南勝久 監督/江口カン 出演/岡田准一、木村文乃、平手友梨奈、安藤政信、黒瀬純、好井まさお、橋本マナミ、宮川大輔、山本美月、佐藤二朗、井之脇海、安田顕、佐藤浩市、堤真一
配給/松竹

(長野辰次)

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