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ポリゴン以外にもあった、『ポケモン』の封印作品たち。アニメ史を変えるほどの影響も?

マグミクス / 2021年7月2日 17時10分

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■アニメ制作現場をも変えた「ポケモン事件」とは?

 色々な事情から放送できなくなった作品を「封印作品」と呼ぶ人がいます。国民的人気アニメといわれている『ポケットモンスター』(以後ポケモン)にも、現在では見ることができない話がいくつかありました。

 その最初にしてもっとも有名なものが、1997年12月16日に放送された第38話「でんのうせんしポリゴン」です。

 放送当時、この話のなかで使われた激しい点滅、いわゆるパカパカが光過敏性発作という症状を誘発し、テレビを見ていた651人が入院しました。そこまでひどくはならなかった軽微な症状の方を合わせると、その数はさらに大きくなっていたそうです。

 このパカパカは、それまでアニメの手法として比較的普通に使われていた効果で、この話では多かったと報告されていましたが、そこまで過激なものではありません。実際、筆者の家庭でも見ていましたが、たまたま何事もありませんでした。

 ですが、放送を見て具合が悪くなった人がいたことは紛れもない事実。この事件をきっかけに『ポケモン』のTV放送は無期延期になります。その後、どこのTVアニメも冒頭に「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」というテロップが自主的に入るようになりました。

 その後、自粛期間中に点滅処理の見直しなどを経て、『ポケモン』は1998年4月16日に「ピカチュウのもり」で放送再開されます。

 今では、この話が第38話という扱いになり、「でんのうせんしポリゴン」は公式的には登録抹消となりました。他の話と同様に点滅処理を修正しようとしたが、できなかったからといわれています。

 可哀想なのは、この回の主役ポケモンであるポリゴンで、現在のところ進化系のポリゴン2、ポリゴンZを含めて、TVアニメでは登場していません。ゲームでは人気があるだけに残念です。

 ポケモン封印作品は、実はこれだけではありません。他にも封印された作品がありました。

 そのひとつが、2004年11月4日『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』第101話として予定されていた「ゆれる島の戦い! ドジョッチVSナマズン!!」です。この話の場合、放送前に「別の話に差し替えられる」という処置がされました。

 この話が放送中止になった理由は、2004年10月23日に起こった新潟県中越地震に対する配慮です。タイトルからも想像できますが、地震を想像する内容が時期的に適さないというスタッフの判断でした。

 これ以降、「じしん」、「じわれ」、「マグニチュード」といった地震を連想させるポケモンの技は、アニメのなかでは使われなくなっています。

 そして、シリーズが終了した現在まで存在が抹消された状態で、おそらくフィルム的には完成しているのに誰ひとり見られない、幻の作品となりました。

■放送延期されたが、後に日の目を見た作品も

「ゆれる島の戦い! ドジョッチVSナマズン!!」の回が封印された、『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』ビジュアル 

『ポケットモンスター ベストウイッシュ』(以下BW)でも、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で放送できないまま封印作品となってしまった話がありました。それが同年の3月17日と3月24日に第23・24話として放送予定だった「ロケット団VSプラズマ団!」(前編・後編)です。

 詳細な放送延期の理由は不明ですが、予告編に街を包み込むような衝撃が起こるシーンがあったことから、福島第一原子力発電所事故に対する配慮と推測する人もいます。放送当時は『BW』では初の前後編ということもあって、通常とは異なる長めの予告編で前週から期待感を盛り上げていました。

 この話が延期になったことで『BW』シリーズに大きな影響がありました。それはタイトルからもわかるように、この前後編が今後のシリーズの流れを左右する重要な話だったからでした。

 さらに繰り上げて放送された「ヒウンジム戦!純情ハートの虫ポケモンバトル!!」で、いくつかつじつまが合わない事態になります。内容がジム戦という『ポケモン』の展開上重要な話ですから、この話まで延期するわけにいかなかったのでしょう。

 さらに、プラズマ団というシリーズを左右する敵組織初登場の話が延期されたことで、シリーズ自体の内容も大きく変わることになります。結果的に、プラズマ団の登場は『BW』2期の『エピソードN』シリーズ、2013年2月7日放送の第112話「アクロマVSハンサム!プラズマ団の陰謀!!」まで2年近くの時間を要しました。

 そして、この話が放送されたことで封印された前後編が大きな矛盾となり、現在では前後編は放送できない封印作品となっています。

『ポケットモンスター XY』でも、2014年4月24日放送予定だった第24話予定の「海底の城!クズモーとドラミドロ!!」が放送延期となりました。これは、2014年4月16日に国外で起こった沈没事故に配慮したためと言われてます。

 話の内容がタイタニック号をモチーフとしたと思われる、沈没した豪華客船での冒険ですから、タイミング的に正しい判断だったのでしょう。

 ただ、この話は半年ほど経過した同年11月20日に第50話として放送されました。進化したはずのポケモンが登場し、前後の話と時系列がつながっていないなどの矛盾はありましたが、封印されることなくその後のソフト化やCSでの放送がされています。『ポケモン』で今のところ唯一、封印を解除された話となりました。

 封印された事情はそれぞれですが、昨今言われているコンプライアンスにてらせば正しい判断だったのでしょう。しかし、多くのスタッフの苦労の上に製作された作品が見られなくなってしまうというのは、大変に残念なことだと筆者は思います。

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(加々美利治)

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