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出番が減ってしまったバルタン星人の悲劇。原因は「有名になりすぎたから」?

マグミクス / 2021年7月30日 19時10分

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■ウルトラマンのライバルとして長年活躍するが…

「バルタン星人」といえば、ウルトラマンと並び立つキャラクターとして、一般の人にもよく知られていると思います。みなさんも子供の時に、チョキにした両手を上下して「フォッフォッ…」と鳴き声をマネした経験がありませんか? それほどウルトラ怪獣のなかでも親しまれて有名な存在だと思います。

 しかし、このバルタン星人の生みの親とも言われている飯島敏宏さんを知る人は、比較的熱心なファンくらいではないでしょうか?

 飯島さんはバルタン星人が初登場した『ウルトラマン』(1966年)第2話「侵略者を撃て」、2代目として再登場した第16話「科特隊宇宙へ」だけでなく、後述する映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』(2001年)や、『ウルトラマンマックス』(2005年)の第33話「ようこそ!地球へ 前編 バルタン星の科学」と第34話「ようこそ! 地球へ 後編 さらば!バルタン星人」でも、脚本と監督を兼任(脚本は千束北男名義)していました。

 ちなみに、バルタン星人の名前の由来は、一般的には当時の人気歌手シルヴィ・ヴァルタンから取ったと言われていますが、これは宣伝部のコメントだそうで、名付け親の飯島さんとしては母星が悲劇的な最期を遂げたことから、ヨーロッパの火薬庫と呼ばれて紛争の多かったバルカン半島に重ねていたそうです。忘れがちですが、バルタン星人も本来は単なる侵略者ではなく流浪の民でした。

 このバルタン星人、初代と2代目の造形が大きく違います。その理由は、初代は『ウルトラQ』に登場したセミ人間をベースにし、2代目はデザイン通りに造形したからでした。近年では初代も新規で作られたと言われていますが、いずれにしてもセミ人間を基本にしていることは明白です。

 バルタン星人の人気の高さの理由のひとつに『ウルトラマン』で最多となる3回もの登場を挙げる人も少なくありません。そうはいっても、3度目の登場である第33話「禁じられた言葉」では、出ただけで終わっています。やはり本編での活躍と、シルエットだけでバルタン星人だとわかるデザインの魅力によるところも大きいのでしょう。

 その後、バルタン星人のテレビでの出演といえば、『ウルトラファイト』(1970年)での活躍が挙げられます。この作品では宇宙人も怪獣という扱いでしたから、星人ではなく、ただのバルタンでした。最後に製作された第195話「激闘!三里の浜」では、両手が人間と同じ形状で角材を持って戦うレアな姿が見られます。このデザインは近年のガシャポンではシークレット扱いになっていました。

 ほかにも、同じくウルトラ怪獣が多数出演した『レッドマン』(1972年)でもバルタン星人は登場しています。特筆するのは怪獣を惨殺することで有名なレッドマンから、唯一逃げられた怪獣だったことです。

■大物になりすぎたことで出演が激減

近年のシリーズ作において、バルタン星人の登場機会は減少傾向に。画像は「S.H.Figuarts バルタン星人」(バンダイ)

 ウルトラシリーズが再開した第二期ウルトラシリーズで、バルタン星人が初めて出演した過去の怪獣となります(テレスドンはデッドン名義だったため)。それが『帰ってきたウルトラマン』(1971年)第41話「バルタン星人Jrの復讐」に登場したバルタン星人Jr.です。旧作の人気怪獣を再登場させる強化案のひとつで、4代目にカウントされていました。

 バルタン星人はアニメにも登場したことがあり、『ザ☆ウルトラマン』(1979年)第8話「ヒカリ隊員の秘密が盗まれた!?」でウルトラマンジョーニアスと戦っています。この作品では、実写にはないデザインにこだわっていたため、足もハサミになっているなど独特の形状になっていました。

『ウルトラマン80』(1980年)では2回、第37話「怖れていたバルタン星人の動物園作戦」と第45話「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」に登場しています。それぞれ5代目と6代目にカウントされていますが、着ぐるみは映画『ウルトラマン怪獣大決戦』(1979年)の新規撮影部分のために作られたものを流用していました。

 その後、『アンドロメロス』(1983年)でメカバルタンというバリエーションが登場しています。本来はサイボーグ化したバルタン星人という設定ですが、テレビでは単なる怪獣(劇中ではファイティングベムと呼ばれる)の一体でした。

 海外作品では予定されていた『ウルトラマンG』(1995年)の第2シーズンに軍団で登場を検討されていたほか、『ウルトラマンパワード』(1995年)では第1話「銀色の追跡者」と最終回「さらば!ウルトラマン」に登場し、ウルトラマンの宿敵という印象を強く与えています。最終回ではリーダー格であるサイコバルタン星人も登場しました。

 それから前述した『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』と『ウルトラマンマックス』の活躍につながります。マックスと戦ったダークバルタンは、初めてウルトラマンに勝利したことで最強と言われています。また、タイニーバルタンは人間の女の子に変身するマスコット的存在で、近年のシリーズで見られるペガッサ星人ペガやメトロン星人マルゥルに先駆けたキャラかもしれません。

 しかし、生みの親である飯島さんが到達点ともいうべき作品を作った影響か、これ以降のシリーズではバルタン星人の活躍はありません。一応、登場はないこともないのですが、再登場怪獣の一体として、あるいはイメージシーンだけでした。

 バルタン星人というキャラクターの存在が大きくなりすぎて、他の怪獣たちのように簡単に扱えなくなってしまったことが要因だと考える人もいます。だからといって、まったく見かけなくなったわけでなく、テレビCMやライブショーといった場所では変わらない活躍を続けていました。神格化して安易にストーリーに絡められないが、顔見せとして各方面には出演している感じでしょうか?

 「(V)o¥o(V)」のような顔文字まであるバルタン星人は、知名度が上がりすぎて出演場所が限られる大御所芸能人みたいな存在になってしまった印象があります。個人的には『有言実行三姉妹シュシュトリアン』(1993年)第40話「ウルトラマンに逢いたい」に登場したように、もっと気軽にその姿を新作で見たいと思います。

(加々美利治)

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