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『鬼滅の刃』一挙放送第2夜「浅草編」 珠世の名言「あの男はただの臆病者」

マグミクス / 2021年9月12日 6時10分

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■ゴールデンタイムで初放映となる「浅草編」

 世界興収500億円を超える記録的大ヒットとなった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)の地上波テレビ初放映となる2021年9月25日(土)を前に、フジテレビ系ではTVアニメ『鬼滅の刃』第1期の特別編集版が5夜にわたって放送されています。第2夜「浅草編」は9月12日(日)19時からのオンエアです。

 第1夜「兄妹の絆」で晴れて「鬼殺隊」の隊士となった竈門炭治郎は、浅草にて鬼たちの首領である鬼舞辻無惨に遭遇します。さらに物語終盤において重要な役割を果たす、珠世と愈史郎とも知り合う、とても重要なエピソード集となっています。

 ゴールデンタイムでの全国放送は初となる「浅草編」のキーパーソンは、もちろん珠世さまです。そして、珠世さまが口にする「あの男はただの臆病者です」は、抑えておきたいキーワードです。

■「美人すぎる医者」珠世さま

 日輪刀を手に、「鬼殺隊」の制服に着替えた炭治郎は、鬼となった妹・禰豆子の入った木箱を背負い、「鬼殺隊」の隊士としての初任務に向かいます。「血鬼術」と呼ばれる恐ろしい妖術を操る沼鬼の時間差攻撃に苦戦する炭治郎ですが、木箱から飛び出した禰豆子も戦闘に加わり、辛うじて撃退するのでした。炭治郎たちが休む暇なく次に向かうのは、大正時代に栄えた街・浅草です。

 浅草には関東大震災前まではランドマークタワーとして親しまれた浅草十二階がそびえ、現在の映画館にあたる活動写真小屋の前は大変な賑わいです。そんな人混みのなか、嗅覚のすぐれた炭治郎は強烈な匂いを放つ存在に気付きます。炭治郎の家族を惨殺した鬼舞辻無惨は、この浅草にいたのです。

 炭治郎が発見した無惨は人間を装っており、しかも非常に冷酷かつクレバーな方法で、炭治郎の追跡を振り切るのでした。千載一遇のチャンスを逃した炭治郎でしたが、捨てる神あれば拾う神あり。無惨によって鬼化した通行人を救おうとする炭治郎の前に、珠世さまと愈史郎が救いの手を差し伸べます。

 珠世さまはとても美しい婦人であり、また優秀な医者でもありました。今なら「美人すぎる医者」として週刊誌のグラビアページを飾りそうなほどです。しかし、珠世さまは無惨のもとから逃げてきた鬼だったのです。しかも、数百年生きながらえているそうです。まさに「美魔女」と呼んでいいのではないでしょうか。

■鬼たちの人間ヘイトをあおる鬼舞辻無惨

著:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第2巻(集英社)

 どの鬼たちも、無惨のことを恐れおののき、その名前さえ口にしようとしません。しかし、珠世さまは医者だけに、とても冷静に無惨のことを分析しています。

「あの男はただの臆病者です。いつも何かにおびえている」

 珠世さまは、無惨のことを闇雲に恐れることはしません。鬼たちが群れをなさないのは、集団化して反乱を起こすことを無惨が恐れているからだと、珠世さまは看破します。

 鬼たちは共食いし、また最強の鬼たちが選ばれた「十二鬼月」は、鬼たちが競い合うことで順位が入れ替わります。鬼同士を争わせることで、無惨は闇世界の支配者であり続けたのです。いかにも頭のよい無惨の考えそうなことです。

 無惨のこの支配術は、歴史上の独裁者たちが実際に行なってきたものと同じです。ナチスドイツを率いたアドルフ・ヒトラーは欧州に古くからあるユダヤ人に対する偏見を利用し、ユダヤ人ヘイトをあおることで、人心を掌握しました。無惨は鬼たちに人間社会を憎ませることで、自身のカリスマ性を保ってきたのです。そのことを見破った上で、鬼を巧みに挑発する珠世さまも明晰な頭脳の持ち主です。

■禰豆子のモゾモゾ姿が愛らしい

 珠世さまを慕う愈史郎も鬼です。不治の病に苦しんでいた愈史郎を、珠世さまは本人の了解を得た上で鬼にしたのです。無惨が恐怖政治で鬼たちを支配しているのに対し、珠世さまと愈史郎は深い信頼関係で結ばれています。

 無惨を憎む珠世さまは、炭治郎に協力し、妹の禰豆子を人間に戻す薬を開発することを約束します。炭治郎兄妹にとって、わずかながらにも明るい希望を感じさせる「浅草編」です。

 だが、鬼たちは黙ってはいません。無惨から命令を受けた手毬鬼・朱紗丸と矢印鬼・矢琶羽が、珠世さまたちの隠れていた屋敷を襲います。このコンビはかなり手強い相手です。炭治郎は「水の呼吸 弐ノ型 水車」「捌ノ型 滝壺」「参ノ型 流流舞い」「陸ノ型 ねじれ渦」など、あらゆる型を駆使して立ち向かいます。

 ストーリーと直接関係はありませんが、珠世さまが隠れ家で大切なお話をしている間、禰豆子は退屈なのか眠気を振り払うためか、畳の上でずっとモゾモゾしています。その様子が、とても愛らしく描かれています。生きるか死ぬかの激しい描写が続く『鬼滅の刃』ですが、炭治郎と愈史郎とのおかしなやりとりも含め、「浅草編」からはコメディ演出がかなり増えていきます。

 シリアスな戦いの連続のなかに、なにげない笑いが挿入されることで、炭治郎も視聴者もフッと肩の力を抜くことができます。『鬼滅の刃』スタッフ&キャストのそんな遊び心が、ファンのハートをさらにがっちりとつかんでいるのではないでしょうか。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(長野辰次)

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