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「東京ゲームショウ」のこれからを考える。オン/オフライン同時開催が見せた可能性

マグミクス / 2021年10月10日 10時10分

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■2021年はオフラインとオンラインの同時開催に

 1996年から毎年開催されてきたコンピュータエンタテインメントの展示会「東京ゲームショウ」ですが、新型コロナウイルスの影響により、2020年はオンラインのみの開催を余儀なくされ、今年2021年はかろうじてオフラインイベントの実施にこぎつけましたが、一般入場はできず、関係者とプレス、そして招待されたインフルエンサーのみが会場入りを許された状況での開催となりました。

 一昨年までと比較するとかなり小規模なイベントではありましたが、それでも開催にこぎつけたことは大きく、会場では再会の挨拶を交わしている方々をしばしばみることができました。また、今回からはネット上で強い発信力を持つインフルエンサーも参加しており、試遊台で動画を撮影する姿が見られました。出展企業側も配信を重視しており、カプコンやコナミのブースでは試遊動画をUSBメモリーなどに入れて渡してくれるなど、2年前は行われていなかったサービスが実施されていたことも深く印象に残りました。

 また、今年はオフラインに加え、VR空間にゲームショウの会場を作り上げた「TOKYO GAME SHOW VR 2021」と、配信番組によるオンラインイベントも同時に開催されました。配信番組では各企業の最新情報の発表やイベントが行われており、特にスクウェア・エニックスは特別番組として自社タイトルのゲームミュージックをバンドで演奏するスペシャルライブを実施するなど、さまざまな試みが行われていました。

 VR会場では各社が趣向を凝らしたスペースを設置。多くのPVや3Dモデルが来客を出迎えてくれる、ワクワクするような空間が広がっていました。特に『アイドルマスター』シリーズの最新作『アイドルマスター スターリットシーズン』や『マクロスΔ』などのタイトルではライブを視聴できるなど、魅力的なサービスが展開されていました。

■来年以降はどうなる? オンオフ両方に開催のニーズが

開催期間中はVR空間に「東京ゲームショウ」オンライン会場が開かれた

 果たして、今後の東京ゲームショウはどうなっていくのか。ゲームショウは一般の方が最新のゲームに触れるイベントでもありますが、ゲーム業界の関係者同士が直接顔をあわせて商談を行う機会でもあります。人と話をするのであればZOOMなどを利用したオンラインでも可能と考える方もいるかもしれませんが、オンラインで会話をするためにはその前に何らかの形で出会い、連絡先を交換しておく必要性が高いのが実情です。

 オフラインイベントは期間中に多くの関係者と出会い、名刺を交換できる最高の機会となっているため、今後も重要な地位を占めることでしょう。また東京ゲームショウではメーカーが大量のグッズを配布するのが恒例となっていますが、こういった品物を生産する業者は新型コロナウイルスにより多大なダメージを負っています。

 業者の救済とまでは言いませんが、大規模イベントを開催し大量の発注を行えば生産業者は救われ、会場を訪れたファンは喜び、ゲーム会社は知名度と好感度をアップすることができます。止まってしまった物事の流れを再起動するために、オフラインイベントは重要な役割を占めていくでしょう。

 とはいえ、オンラインイベントについても継続する必要はあるでしょう。オフラインイベントの場合、有力企業の重大発表の時間が重複すると、ファンはどれを見に行こうか迷いがちですし、プレスは取材陣をどのタイミングでどこに送ればいいのか、やりくりに苦労します。その点、配信であればあとでゆっくりと視聴できるため、人があふれた会場を必死になってかき分けていく必要はありません。

 今回初めて導入されたVR会場についても、各社ともに趣向をこらした展示が行われており、オフラインでは視聴が難しいライブも、開催期間内であれば好きなタイミングで楽しめるようになっていました。これは会場へ足を運ぶことが難しい地方在住の方にとっては大きな利点であり、「東京ゲームショウ」というイベントの性質そのものを変化させる力を秘めた、重要な要素となっていると思われます。

 人の熱気にあふれたオフラインイベント。
 遠くに住んでいても気軽に楽しめるオンラインイベント。

 両方実施するのがベストだとは思いますが、オフラインの出展は大量の人出と資金が、オンラインへの出展は技術力が必要です。同時出展は体力のある大企業でなければ難しいでしょう。来年2022年は9月15日(木)~9月18日(日)に幕張メッセで開催予定であることが明かされていますが、今後も引き続きより良い形を求めての試行錯誤が続いていくのではないでしょうか。

(ライター 早川清一朗)

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