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ウルトラシリーズの、刺さる「終劇ナレーション」3選!余韻が50年続く名言とは?

マグミクス / 2021年12月4日 9時10分

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■「セリフ」じゃないから魅力的?

「……ひょっとするとあなたの隣人は惑星から来た宇宙人かもしれないのです。」

 これは、『ウルトラセブン』の第10話「怪しい隣人」を締めくくるナレーションです。アンヌ隊員の友人の隣人が、地球を侵略しに来たイカルス星人だったというストーリーでした。こうしたエピソードの最後につくエンディングナレーションは、なんとも言えぬ余韻を視聴者に与えてくれました。この記事ではそんな昭和・平成のウルトラシリーズのなかから今の世相にも刺さる印象深いエンディングナレーションをご紹介。劇中のセリフとは違う、独特な味わいを感じてください。

●「ドラマ」史上もっとも有名なナレーション? 『ウルトラセブン』第8話「狙われた町」

 もしかしたら「ウルトラ」シリーズどころか日本のドラマ史上最も有名なナレーションかもしれない『ウルトラセブン』第8話「狙われた町」のエンディングナレーションを、まず最初に紹介します。地球人同士の「信頼関係」を破壊することをもくろんだメトロン星人との戦いが終わったのちに流れるのが、浦野光さんによる有名な語り。

「メトロン星人の地球侵略計画は、こうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです…。え? 何故ですって? 我々人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから……」

 バラエティ番組などでもたびたび紹介されているので、特撮を一切観たことがない人であっても、このナレーションは耳にしたことがあるかもしれません。実はウルトラシリーズにおいて、ナレーションで終わる回は全体の割合からしてもさほど多くありません。だからこそ、このエピソードのように一歩引いた目線でのナレーションがあると、余計にその衝撃が際立ちました。ちなみにこちらの文言はもともと脚本にはなく、実相寺昭雄監督の指示で挿入されたとのことです。

『ウルトラセブン』放送から50年以上が経過していますが、果たして現在、私たちはメトロン星人に狙われるだけの信頼関係を築けているのかどうか。そんな半世紀にわたる「余韻」を残した傑作ナレーションでした。

●泥臭く、時には力押しも?『ウルトラマンA』第35話「ゾフィからの贈りもの」

『ウルトラセブン』ではウィットに富んだクールなナレーションが多かったのに対し、『ウルトラマンA』では熱血なエンディングナレーションが特徴的でした。語りを務めたのは、前作『帰ってきたウルトラマン』で坂田健役を務めた岸田森さん。『ウルトラマンA』はウルトラ兄弟の登場や、シリーズ全体を通じて登場する敵「ヤプール人」などの新設定も多かったため、必然的に説明のための「ナレーション」が多く登場する作品となりました。

 そんな『ウルトラマンA』という作品を象徴していたのが、第35話「ゾフィからの贈りもの」のラストのナレーションです。一度、虚偽の通報をした少年からの超獣目撃情報を信じず、結果としてその少年を傷つけてしまった北斗がゾフィに叱られ、再び少年を信じたところ、超獣が現れるという物語。このエピソードを締めくくったのが次の言葉でした。

「人は誰でも過ちをおかすもの。過ちを改めることこそ大切なのだ」

 この「過ち」をおかしたのが、ヒーローである北斗であることもポイントです。ウルトラマンAの人間臭さを存分に引き出す名ナレーションでした。ちなみに、今なお語り草となっている伝説の“南夕子降板”回である第28話は「TAC隊員北斗星司は、これからは一人でウルトラマンAになる。いや、ならなければならないのだ。」と、有無を言わさぬ語りで締められています。「大人の事情」による急展開ではありますが、この「神」視点のナレーションがあったために、妙な説得力がありました。

●宇宙開発が進む時代への警鐘!? 『ウルトラマンティガ』第7話「地球に降りてきた男」

 平成ウルトラシリーズにも秀逸なエンディングナレーションがありました。平成ウルトラシリーズ第1作『ウルトラマンティガ』第7話「地球に降りてきた男」は、家族や仲間を見捨てて地球侵略へとやってきたレギュラン星人とティガの闘いを描いたのち、二又一成さんの次の言葉で終わります。

「家族や仲間との絆を失った者による宇宙開拓は、もはや開拓ではなく、ただの侵略者になってしまう危険があることを我々は忘れてはなりません。開拓者と侵略者の違いはそこからはじまるのです。」

 民間による宇宙ロケット開発のニュースも珍しくなくなってきた昨今、この言葉が示唆する未来は決して絵空事とは言えないでしょう。

 今回紹介したウルトラシリーズのエンディングナレーションは、新しいものでも20年以上前に語られたものですが、私たちはその「余韻」のなかにいます。

(片野)

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