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物理描写だけじゃない、もはや笑ってしまう漫画キャラの「強さ表現」3選 世界vs個人

マグミクス / 2022年5月6日 15時10分

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■ひとりの男が「災害」になる…… 「世界」の反応で描く「最強表現」の多彩ぶり

 鉄の塊を何トンも持ち上げたり、素手で電車を止めてしまったり、はたまた重ねたトランプの束を指でちぎったり、アニメやマンガの世界における「怪力」「最強」の表現の多彩さは心踊るものがあります。この記事では、そうした強さ表現のなかでも物理描写ではなく、そのキャラの強さ、危険さを示して見せた作品を振り返ります。

●なにゆえ!? 『トリコ』で囚人ゼブラが出所した途端に株価大暴落

 物理表現以外で「強さ」を表現する例として、まず『トリコ』(著:島袋光年)に登場するグルメ四天王のひとり・ゼブラが「ハニープリズン」を出所した時の場面を見てみましょう。ゼブラはこれまでに「26種類もの生物を絶滅させた罪」を犯し、監獄に収容されていました。

 この時点でだいぶヤバいですが、彼が出所したとたんにまだ見ぬ食品被害への危惧からグルメ保険会社の株はストップ安となり、世界中の各市場は大混乱となり、高名なグルメ経済学者は「数千兆円は下らない経済損失」となると分析します。さらに25ヶ国が、まさかの「非常事態宣言」を発令。ゼブラは自身を「環境」と語っていましたが、まさに「大災害」クラスの危機をもたらす存在として描かれるのです。キャラの「出所」と「株価大暴落」をぐいと繋げてしまう島袋先生の剛腕ぶりには、まったく惚れ惚れしてしまいます。

 さて、『トリコ』は完全に我々が生きる世界とは違う、架空世界が舞台のマンガでしたが、現実世界と重なる設定のマンガではどのような「最強表現」が使われたのでしょうか。

●アメリカと個人で友好条約を結ぶ「刃牙」シリーズの範馬勇次郎

「刃牙」シリーズ(著:板垣恵介)は「強さ」表現を拡張し続けている、偉大な格闘マンガと言えるでしょう。冒頭に挙げたトランプを指でちぎるという怪力表現も、シリーズ初期の花山薫の異常な握力を演出するために用いられたもの。この時からすでに板垣先生のアクロバティックな想像力がさく裂していましたが、主人公・範馬刃牙の父親にして「地上最強の生物」と恐れられる範馬勇次郎の最強表現となると、その発想はさらに爆発的に飛躍します。

 物理表現でも、例えばちゃぶ台を引き裂いたり、武装したレンジャー部隊をも蹴散らした巨大ゾウを素手で倒したり、コンクリートを素手でえぐったり、何もかもが規格外の勇次郎ですが、なかでもファンの間で話題となったのは、彼と「大国アメリカとの関係」です。彼のその戦闘能力は大国の軍事能力をもしのぐとして、アメリカ合衆国と個人で「友好条約」を結ぶにいたっています。「最強とは?」を考え続けないと、この発想には至らないでしょう。もはや芸術的な最強表現です。

 また、友好条約とは言いつつも、この条約は当然アメリカ側がへり下っており、歴代大統領の扱いと言えば……ボッシュが勇次郎に車を運転させられたり、オズマやトラムプが冷や汗まみれで神に誓って条約を守ることを「宣誓」したり、バイデムは宣誓すらさせてもらえず気絶したトラムプを持って帰らされたり、散々な目に遭わされていました。

■最強すぎる江田島平八へのアメリカの評価は?

アメリカを震撼させたチート強キャラ・江田島平八の若き日を描いた『天下無双 江田島平八伝』1巻(サード・ライン)

●国際レベルの「最強」といえばこの男 「男塾」シリーズの江田島平八

 前述の「大国」を基準とした「強さ」表現は、先例もたくさん存在します。なかでも特筆すべきは『魁!!男塾』(著:宮下あきら)から始まる「男塾」シリーズの塾長・江田島平八に関するエピソードです。たとえ民家があろうと迂回は許されない「直進行軍」や、頭に硫酸の入ったカップを乗せて行う「地獄禅」など、常識をいったんカバンにしまわないと振り落とされる傑作ですが、塾長江田島平八の存在は最たるもの。宮下先生も一番のお気に入りキャラと語っています。

 物理表現だけでも、体に入った弾丸を「ぬん」と外へと弾き出したり、ふんどし一丁で宇宙遊泳したりするなど、下地がギャグとはいえ最強すぎる塾長。さらに有名なのが、太平洋戦争中の鬼神の如き活躍で、終戦後にアメリカ大統領が「EDAJIMAがあと10人いたらアメリカは日本に負けていただろう」と語ったという逸話。とんでもない強さです。

 さらに、塾長の若き日を描いた『天下無双 江田島平八伝』では、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーと一騎打ちをしていたことも明らかになりました。物理的強さだけでなく、潜水艦「天下無双号」や原子力爆弾を開発したり、溥儀や毛沢東、リヒャルト・ゾルゲなどとも交友を結んだり、アンネ・フランクの日記の発刊に尽力したりと、その頭脳・人間力も頭抜けています。

 そして直接戦ったマッカーサーの評価では、「江田島が3人いたらアメリカは敗北していた」とのことです(『真!!男塾』に登場した若き日のD・トランプによる談)。

 以上、マンガにおける「物理描写以外の強さ表現」を特集してきました。いかにひとりの強者が世界情勢に影響を与えてしまったか、その解像度が高まれば高まるほど、読者はビリビリとした「最強」の実感が湧くもの。これからマンガでどんな強烈な「強さ表現」が登場するのか、楽しみでなりません。

(片野)

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