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日本の三大RPG『ドラクエ』『FF』、あと一本は? 世代で異なる意見

マグミクス / 2022年7月4日 6時10分

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■『ドラクエ』『FF』に並ぶ、日本の三大RPGとは…

 あるカテゴリーのなかでも特に優れたものを、「ベスト3」や「3本指に入る」など、上位3つに絞られることが多々あります。日本三景や三名城など、誰もが一度は耳にしたことがあるはず。

 ですが、この三大○○は諸説ある場合も少なくありません。三名城の場合、「名古屋城」は定番ですが、ほかは「姫路城」「大坂城」「熊本城」が競っており、この中のどれが残り2枠に食い込むかは、定義や見方によって変わってきます。

 このように、三大〇〇は意見が分かれやすいもの。ゲーム業界でいえば、「日本の三大RPG」がまさにその典型的な例です。ファミコン時代から始まり、今もゲーム業界の最前線で活躍している「ドラゴンクエスト」シリーズと「ファイナルファンタジー」シリーズは、国民的RPGと呼ばれることも多く、「日本の三大RPG」の2枠を占める実力の持ち主。ですが残りの1枠については、視点や時代によって、意見は大きく分かれます。

 果たしてこれまで、どんな作品が「日本の三大RPG」の候補に挙がってきたのか。その一部を、今回紹介します。なお、アクションRPGなどを入れるとさらに意見が分かれるため、今回は、アクション要素のない国産のターン制RPGシリーズに限定してお届けします。

セガのRPGも、当時人気を博した。画像はスイッチソフト『SEGA AGES ファンタシースター』

●悪魔と人の生み出すドラマが刺激的 『デジタル・デビル物語 女神転生』シリーズ

 初代『ドラクエ』が登場したのは、1986年5月。そして初代『FF』は、1987年12月に発売されました。いずれも30年以上の歴史を持つ名シリーズですが、ほぼ同時期に登場し、今も人気を博しているシリーズのひとつが『デジタル・デビル物語 女神転生』です。

 「悪魔」や「天使」といった異形の存在を相手に、時に敵対し、時に交渉して「仲魔」に加える「女神転生」シリーズは、ファミコンソフトとして登場。神話や伝説上の存在をパーティに加える心地よさや、「仲魔」同士を合体させて新たな悪魔を生み出す「合体」などの斬新な要素で、王道RPGとは一線を画して多くのユーザーを魅了しました。

 スーパーファミコン以降は発売元が変わり、またタイトルも『真・女神転生』に変更。そのため、ファミコン時代から続く「女神転生」シリーズとして見るか、スーファミ以降の「真・女神転生」シリーズとして見るかで意見が分かれます。ですが、悪魔と人間の本性と業を描くこのRPGシリーズは、従来作品とは異なる魅力と進化を遂げ、当時の三大RPG論の一角を占めるほどの人気を集めました。

 ちなみに、シリーズ最新作『真・女神転生V』が2021年11月に発売。その活躍は、今もなお続いています。

●セガハードの代表格でもあった人気RPG「ファンタシースター」シリーズ

 こちらもほぼ同期といえる「ファンタシースター」シリーズも、三大RPGのひとつとして推す声が小さくありませんでした。このシリーズの黎明期は、いずれもセガ系のハードで展開。シリーズ名にもなった1作目『ファンタシースター』はセガ・マークIIIソフトとして登場し、ナンバリングの2~4作目まではメガドライブ向けにリリースされました。

 当時、ファンタジー系RPGが主流だったなか、「ファンタシースター」シリーズは星々を駆ける壮大なSF要素も盛り込んでおり、独自の世界観を構築。また、1作目が登場したのは1987年12月ですが、敵がアニメーションするバトル、主観視点のダンジョンが滑らかにスクロールするなど、当時の平均的なレベルを大きく上回る演出力の高さを見せました。

 『ドラクエ』はまだ2作目、『FF』に至っては『ファンタシースター』と同月発売というタイミングを考えると、時代の1歩も2歩も先に進んでいたことが分かります。そのため、セガハードを代表するRPGの顔としての一面も担い、セガファンを中心に三大RPGに推す声が目立っていました。

 そんな「ファンタシースター」シリーズもですが、今はオンラインアクションRPG『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』が展開中。未来感に溢れていたRPGは、オンラインゲームの最前線に居場所を移しました。

■時代が移り変わり、三大RPGの候補作にも変化が…

『女神異聞録ペルソナ』から始まった「ペルソナ」シリーズを推す声も多い。画像はリメイク版の『Persona』

●少年少女の光と影に注目したジュブナイルRPG「ペルソナ」シリーズ

 ファミコン・スーファミ時代から始まった三大RPGの空席問題ですが、そこへPS・PS2時代に幕開けした新たなシリーズが参戦します。それは、「真・女神転生」シリーズから派生し、もうひとつのシリーズとして確固たる支持を得た「ペルソナ」シリーズです。

 敵対する悪魔を交渉するシステムなどは健在ながら、彼らを「仲魔」にするのではなく、主人公たちが身につけた特別な能力「ペルソナ」を駆使して戦うゲーム性と物語を軸に、心の奥に潜む「もうひとりの自分」と向き合うジュブナイル作品という独自路線の開拓に成功します。

 少年少女の葛藤と成長を描くストーリーは若いプレイヤーと親和性が高く、日常と地続きの非日常性が没入感を倍増。PS~PS2の期間だけでも、ナンバリングを4まで積み上げる急成長ぶりを見せました。この展開の早さは、それだけ高い人気を博した証左とも言えるでしょう。

 90年代後半から00年代後半まで、濃密に駆け抜けた『ペルソナ』シリーズ。その人気と知名度から、三大RPGに加わる説得力は十分あります。ただし、『ペルソナ4』(2008年)から『ペルソナ5』(2016年)まで、派生作やリメイクなどは出たものの、ナンバリング展開は少し間が空いてしまいました。その空白期のぶんだけ押しが弱くなった面は否めず、そこが実に惜しいところです。

●一大ヒットも「妖怪のせい」? TVアニメやグッズも大人気の『妖怪ウォッチ』

 ハードの進化に合わせ、ゲームのジャンルも幅広さを増し、シンプルなターン制RPGは徐々に少なくなっていきます。そんな折り、新たなRPGの一大ブームが携帯ゲーム機から登場しました。それは、TVアニメや関連グッズなども大きな盛り上がりを見せた「妖怪ウォッチ」シリーズです。

 妖怪を見ることができる「妖怪ウォッチ」を手に入れたことで、様々な事件や出来事に妖怪たちが関わっていることを知り、これらの問題に立ち向かっていく日常系RPG『妖怪ウォッチ』。実は、ゲーム1作目の登場からしばらくはまだ大きな盛り上がりを見せず、後に始まったTVアニメで注目を集め、グッズの「妖怪メダル」と共に大ヒットへと至りました。

 2022年現在から見ると、『妖怪ウォッチ』の人気は安定期に移行しているため、三大RPGの候補と言われてもピンと来ないかもしれません。ですが、最盛期は妖怪メダルの売れ行きがニュースとして報じられたり、ゲームの売上もミリオンを連発するなど、怒涛の勢いがありました。そんなブームの最中に三大RPGを問われたら、『妖怪ウォッチ』シリーズが脳裏をよぎった方も多いことでしょう。

 過渡期の熱こそ落ち着きましたが、今はスマホから据え置き機まで、活躍の場はさらに広がりを見せています。当時の熱気を直撃した世代にとっては、今も忘れられない名シリーズです。

●国を越え、時代を越えて愛される鉄板シリーズ『ポケットモンスター』

 ここまで、大まかながら三大RPGの候補に挙がった主要なシリーズ作を、各時代ごとにピックアップしてきました。ですが、1作目が登場した1996年以降 ほぼ全ての時代にわたって高い人気を集め、知名度も格段に飛び抜けている大人気シリーズがあります。それは、幅広い世代から支持されている「ポケットモンスター」シリーズです。

 ゲームボーイに始まり、ゲームボーイアドバンスにニンテンドーDS/3DSと携帯ゲーム機を中心に展開したメインシリーズは、『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』で1500万本越え、『X・Y』『サン・ムーン』ともに1600万本越えと、ミリオンでも収まらない大ヒットを次々と連発。据え置き機ながら携帯も可能なNintendo Switch向けに登場した『ソード・シールド』では、2400万本という大台を記録しており、長年続く人気ぶりは衰えるどころか右肩上がりで増すほどです。

 人気・知名度・売上のどれをとっても超一級品で、しかも長年活躍を続けている『ポケモン』。その実績を踏まえれば、三大RPG入りに異を唱える余地がどこにもなさそうです。

 しかし、あらゆる意味で桁違い過ぎるため、RPGの枠を越え、「ポケモン」というひとつのジャンルとしてユーザーに認識されている向きもあります。また、三名城における江戸城のように、別格扱いの「殿堂入り」になっている気配も少なからずあります。

 今年の11月18日には、最新作『スカーレット・バイオレット』が発売される「ポケモン」シリーズ。三大RPGに含むか否かは、個々の判断に委ねるべき案件かもしれません。

●考える人の数だけ答えがある「日本三大RPG」

 日本三大RPGの候補として名が挙がる作品は、この他にも多数あります。例えば、独特の個性が際立つ『MOTHER』や、奥深さと緊張感を併せ持つ『不思議のダンジョン』などを推す方も少なくありません。

 また、アクション要素があるため今回は除外した『テイルズ オブ』も長年愛されていますし、ターン制ではないものの『ゼノブレイド』も人気を博すRPGシリーズです。

 『ドラクエ』と『FF』を定番として加えても、残り1枠については、時代やユーザーによって意見が割れ、統一見解は難しいところ。だからこそ、この議題は大いに盛り上がるのかもしれません。あなたは、どの作品を三大RPGに選びますか?

(臥待)

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