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ふんわりヘアのプードル 体のあちこちが脱毛 仲間のワンコに導かれ少しずつ笑顔に

まいどなニュース / 2024年9月26日 17時30分

埼玉県動物指導センターに収容されたメスのプードル・アネラ

2024年6月、埼玉県動物指導センターにメスのプードルが収容されました。チリチリのヘアです。

「かわいいな」と近寄ると、元いた環境で満足なお世話を受けてこなかったことで、結果的にチリチリになっていることがわかりました。体のあちこちがハゲハゲ。残っているチリチリのヘアには排泄物が絡み、異臭を放っていました。

ハゲだけでなく複数の乳腺腫瘍もあった

元いた環境の詳細は明らかにされていませんが、不衛生な環境に置かれていた様子です。痩せ細った体には複数の乳腺腫瘍もあり、適切な医療処置も受けてこなかったことがうかがえます。

保護団体、restartdog LIENはこのプードルに「アネラ」という名前をつけて、センターから引き出すことに。まずは体をきれいにして、適切な医療処置を行いながらお世話をし、ゆくゆくは幸せに過ごせる環境につなげることを目指しました。

長い厳しい生活で「感情を外に出す」ことを忘れてしまったのかも

保護から間もなくしてアネラは丸刈りになりましたが、比較的早い段階で再びきれいな毛が生えてきました。この生えてきた毛をトリミング。アネラはすっかり美しいワンコに大変身しました。

ただ、心配はアネラがいつも無表情なこと。

推定10歳以上のシニア犬なので、若いワンコのように元気はつらつは難しいでしょうが、それにしてもおとなしすぎ。もしかしたら10年以上、劣悪な環境に置かれ続けたことで、アネラは感情を外に出すことを忘れてしまったのかもしれません。

10年以上ワンコとしての喜びを知らぬまま過ごしたアネラを思うと、胸が苦しくなります。

アネラの笑顔を引き出してくれた仲間の保護犬たち

団体提携の預かりボランティアさんの家に来てしばらくすると、アネラが少しずつうれしそうな表情を浮かべてるようにもなりました。

アネラを笑顔へと導いてくれたのは、この家にいる他の保護犬たち。どのワンコも明るく優しく、遊ぶのが好き。新入りのアネラもすぐに受け入れてくれました。

他のワンコたちから「今日は何して遊ぶ?」「あなたは何が好きなの?」と構ってもらい、仲良く遊ぶようになったこアネラは「こんなふうに感情を外に出して、自由に遊んで良いんだ」と気付き、ぎこちないながらも笑顔を浮かべてくれるようになったというわけです。

現在もアネラが完全に心を開いたとはいえません。それでも保護当初に比べれば大きな進歩です。この先のアネラが、さらに心を開いて屈託のない笑顔を浮かべ、幸せな第二の犬生をつかんでくれると良いですね。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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