富山県警:民間目線でサイバー捜査 「技術支援員」初採用

毎日新聞 / 2018年6月14日 9時24分

パソコンに向き合う西田さん(左)と徳道さん=富山市の富山県警本部で2018年5月21日、森野俊撮影

 増え続けるサイバー犯罪に対応するため、富山県警は今年度、民間企業の技術者を「サイバー犯罪捜査技術支援員」として初めて採用した。北陸では初の試みで、全国的にも珍しいという。捜査だけでなく、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、中小企業などのセキュリティー対策も担当する。県警の担当者は「警察官のサイバー関連の知識向上と、捜査能力の底上げにつなげたい」と期待を寄せる。【森野俊】

 採用されたのは松山市出身の西田綾さん(41)。高校卒業後、パソコンのインストラクターになった後、大手企業でパソコンの調整などを経験。15年からは、大阪府の金属加工会社でシステム管理を担当。応用情報技術者などの資格を取得している。

 昨年、情報セキュリティーセミナーで、県警の支援員募集を知った。中小企業には知識や意識に乏しく、人件費の負担も大きいことから、サイバー対策が不足していると常々、感じていた。「支援員になれば問題解決に貢献できるかもしれない」と受験を決めた。

 中小企業や学校のセキュリティー対策講習の講師や、県警に寄せられた相談への対応が西田さんの主な業務。捜査にも携わり、捜査支援システムの開発も担当の予定で、「多くの人や企業と関わるやりがいのある仕事だが責任も重い」と話す。

 県内では昨年、インターネットバンキングを巡る不正送金事件の被害が急増。県民からネットに関する相談も増え続けている。同課の坂本伸朗次席は「相談があっても答えられない警察官が多く、全国でも対策が最も遅れているのではないかという危機感があった」と明かす。同時期に、情報通信を開発する企業「インテック」(富山市)からの出向で「サイバー犯罪捜査特別技術支援員」として徳道孝治さん(37)も加入した。西田さんは「県民の安全を守るシステムができるように努めたい」と意気込む。

毎日新聞

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