「私はコロナになりました」 ポスターで感染者差別撲滅訴え 沖縄の民間団体

毎日新聞 / 2020年9月17日 15時43分

新型コロナウイルス感染者への差別撲滅を呼び掛けるポスターを製作した「ゆいマスクプロジェクト」の田辺裕貴さん(右)ら=那覇市の沖縄県庁で2020年9月17日午前11時7分、遠藤孝康撮影

 「私はコロナになりました。」 そう言える世界、寄り添える世界へ

 新型コロナウイルス感染者への差別をなくそうと、そんなメッセージが入ったポスターを沖縄県内の会社経営者や医療関係者らでつくる団体が製作した。県内は7月以降、新型コロナの爆発的な感染拡大に見舞われ、教育現場や医療機関などにも広がった。団体のメンバーは「正しい知識を基にコロナと向き合う社会にしていくきっかけになってほしい」と語る。

 ポスターを製作した「ゆいマスクプロジェクト」(玉城潤代表)は、新型コロナの感染拡大を受け、今春、有志で結成。当初はインターネット上で寄付を募るクラウドファンディングで集めた資金で、県内の医療機関などにマスクや医療用ガウンを届ける活動に取り組んだ。医療資材の不足は解消されたが、感染者への差別が根強くあることから、メンバーで相談し、残った資金でポスターを作ることにした。

 ポスターには、団体のメンバーの一人がモデルとして冒頭のメッセージが書かれたプラカードを掲げる写真と共に、差別が広がることで検査の受診に消極的な人が増え、さらに感染が広がるという悪循環が起きることをイラストで紹介。感染者を「犯罪者のように扱うこと」や誤った情報やうわさの拡散などを「やめよう。とめよう」と呼び掛けている。

 団体は6000部を印刷し、趣旨に賛同する県内の大手企業のほか、県を通じて教育現場や福祉施設などにも配布する。17日には県に500部を寄贈した。県の大城玲子・保健医療部長は「県も条例で感染者らへの差別やひぼう中傷を禁じているが、差別をしないという活動を地域から起こしていただき、ありがたい」と述べた。

 メンバーの一人で、コンサルティング会社を経営する田辺裕貴(ひろき)さん(41)は身の回りで感染者や濃厚接触者が出たといい「『誰が感染したのだろう』と探すのではなく、一歩引いて、自分が取るべき行動を考えることが必要。『私はコロナになりました』と言われた時に、『大丈夫だった?』と聞いて、それで終わる社会を目指したい」と話した。【遠藤孝康】

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