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佐賀・女性殺害 長崎大生を殺人容疑で逮捕「殺せそうな人探した」

毎日新聞 / 2021年9月14日 20時35分

立ち入り禁止の規制線が張られた殺害現場(右奥)周辺=佐賀県鳥栖市で2021年9月14日午後4時11分、今野悠貴撮影

 佐賀県鳥栖市の民家で高齢女性を鈍器で殴って殺害したとして、佐賀県警は14日、長崎市中園町の長崎大薬学部4年、山口鴻志(こうし)容疑者(25)を殺人容疑で逮捕した。捜査関係者によると、2人に面識はなく、山口容疑者は現場を「初めて訪れた」と説明。また、「殺せそうな人を探していた」との趣旨の供述をしているといい、県警が詳しい経緯を調べている。

 逮捕容疑は、10日午後1時ごろ、鳥栖市酒井東町の民家敷地内で、無職の大塚千種(ちぐさ)さん(79)の頭を鈍器で複数回殴打して殺害したとしている。山口容疑者は大塚さんを鈍器で殴ったことは認めた上で「確定的な殺意はなかった」と容疑を一部否認しているという。

 県警によると、10日午後1時10分ごろ、自宅隣の民家敷地内で倒れていた大塚さんを近隣住民が見つけて119番。大塚さんは病院に運ばれたが、外傷性くも膜下出血で死亡した。大塚さんは夫と2人暮らし。同日は午前中から隣家で、1人で除草作業をしていたという。

 一方、山口容疑者は13日午後0時半ごろ、「女性の頭をハンマーで複数回殴った。僕が殴った女性は死んだかもしれないので、とんでもないことをしてしまった」と大分県警大分中央署に自首した。その際、リュックサックに金属製のハンマーが入っていた。

 捜査関係者によると、山口容疑者は長崎市内のアパートで1人暮らし。事件前日の9日、長崎県から福岡市に電車で移動して市内で宿泊した後、タクシーや徒歩で鳥栖市の現場付近に向かい、事件後は電車で大分県に入ったとの説明をしているという。また、9日には山口容疑者の住む部屋の一部を焼く火災があり、警察官が駆けつけたが山口容疑者がいなかったため、長崎県警が捜していた。

 長崎大は14日、山口容疑者を薬学部の学生と明らかにした上で「誠に遺憾だ。事態を深刻に受け止め、深くおわびする」とのコメントを発表した。【竹林静、高橋広之、辻本知大】

「こんなことが…」住民衝撃

 殺害された大塚千種さん(79)と親しくしていた近隣住民は「優しい人だった」と口をそろえ、「こんなことが起きるとは」と衝撃を隠せない様子だった。

 大塚さんは近くに住む1人暮らしの女性(85)を気遣い、よく顔を出したり、ゴミ出しを手伝ったりしていたという。この女性は「もう会えないなんて本当に悲しい」と声を落とした。

 近所の男性(72)は「旦那さんの区長時代によく支えていた。信心深く、毎朝近くのお宮さんに出かけていた。誰かが亡くなるとすぐ連絡があるのに変だなと思っていた。殺人事件だったとは」と絶句。老人会で大塚さんと旅行に行ったことがあるという女性(83)も「穏やかで良い人だったので残念……」と語った。

 逮捕された山口鴻志容疑者(25)は事件当日、初めて現場付近を訪れたとされる。近所の女性(74)は「外部の人が来ればすぐ分かるような、顔見知りとしかすれ違わない場所。なぜこんなところに来たのか不可解だし、怖い」と声を震わせた。【井土映美、今野悠貴】

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