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子どもに花を贈る當間ローズさん 背景にいじめの経験「違いこそ魅力」

毎日新聞 / 2024年9月1日 5時0分

「世界中の兵器が全部花に変われば」という思いを込めてデザインした鉄のリーフを持つ當間ローズさん=坂田航樹さん撮影

 恋愛リアリティー番組「バチェロレッテ・ジャパン」で話題となり、歌手やモデル、華道家としても活躍する當間ローズさん(31)が、子どもたちに花を贈る活動に取り組んでいる。その背景には、幼いころに経験したいじめがあるという。花に込めたメッセージを尋ねた。【聞き手・井川加菜美】

 5歳の時にブラジルから来日し、静岡県湖西市で暮らし始めました。小学校の入学当初、日本語はほとんど話せませんでした。コミュニケーションが取れずに孤立し、肌や髪の毛など外見の違いもあって徐々にいじめが始まりました。

初めて覚えた日本語は「仲間に入れて」

 言葉の暴力はどんどんエスカレートして、先生の目の届かないところで蹴られたり、トイレに押し込められて鍵を閉められたりしたこともあります。

 学校では、校内の外国籍の子どもだけが集められて日本語を学ぶ教室がありました。友達がほしい時にどう言えばいいのか聞くと、先生は「仲間に入れて」という言葉を教えてくれました。それが初めて覚えた日本語です。

母「本当のことを話さないなら…」

 3年生の時、お母さんが僕の体のあざに気づきました。「本当のことを話さないのなら学校に抗議しに行く」と言われて全てを打ち明けました。お母さんは学校に行き、日本語が話せなくても、身ぶり手ぶりをまじえながら一生懸命伝えてくれました。

 その後いじめは多少減りましたが、今度は避けられるようになりました。半年か1年ほどして、父の仕事の関係で転校しました。転校先は前の学校と違い、外国籍の児童がたくさんいました。初めて同じ境遇の子どもがいることを知り、自分が独りではないことに気づきました。

自分を愛してほしい

 今、消費者に渡らずに廃棄される「ロスフラワー」を子どもたちに届ける「薔薇(ばら)色の人生プロジェクト」に仕事の傍ら取り組んでいます。

 少し短かったり、曲がったりしているだけで規格外として廃棄されてしまう。その違いこそが魅力なのに。そう思った時、外見の違いで仲間はずれにされた自分と重なりました。

 この子たちをこのまま捨てさせるわけにはいかない。自分と同じ境遇の子どもや、周囲との違いに劣等感を感じている子どもに届けたいと思いました。特別支援学校や外国人学校、高校などを訪ねて花を贈っています。

 花を届けると皆喜んでくれて、自分の悩みを打ち明けてくれる子もいます。自分を大切にして、違いは全部魅力なんだよと話すと「ありがとうございます」という言葉が返ってくるんです。

 花を受け取ってもらえて、僕のほうが感謝したいのに。花を愛する心と同じ心で自分を愛してほしいという思いで取り組んでいます。

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