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スナックのママがトレカに 「夜の社交場」来てみて 青森・大鰐

毎日新聞 / 2024年8月30日 8時45分

笑顔で接客するスナックのママ、池田文子さん=青森県大鰐町で2024年8月27日午後8時半、足立旬子撮影

 青森県の南端に位置する大鰐(おおわに)町は、江戸時代に津軽藩の湯治場として栄えた歴史ある温泉地だ。街中には、昭和の香りが漂うスナックや居酒屋がポツリポツリと並び、夜になるとネオン看板が輝く。そんな街を盛り上げようと、地元の商店会などは子どもも大人も夢中になる、あるアイテムに着目した。

 大鰐温泉は、約800年の歴史を持つとされる。明治時代に鉄道が開業すると大勢の湯治客でにぎわい、花柳街も栄えた。

 大正時代にはスキー場が整備されて冬もにぎわうようになり、町には観光客が一年中、訪れた。

 その中で、スナックは昭和のバブル景気に入る前の1980年ごろには40軒近くあった。

 平成に入り、リゾート開発の失敗で町が財政難に陥り、かつての輝きは失われた。それでも、令和の今も20軒程度が営業し、地元の人たちが集う「夜の社交場」となっている。

 町内の「ゆけむり通り」には、創業56年のスナック「黒姫」がある。母から店を継いで26年という神ひとみさんは「昔のにぎわいはすごかった」と話す。

 アイテムを使って地域おこしをすることを、どう思っているのか。「恥ずかしかったけれど、大鰐の魅力を知ってもらえれば」。笑顔でそう答えてくれた。

 そのアイテムというのは、プロ野球選手や人気アニメ「ポケモン」などでおなじみのトレーディングカードだ。

 カードは名刺のサイズで、スナックのママやマスター、居酒屋のおかみらを写真付きで紹介している。全部で13種類あるという。

 そのうちの1種類を見ると、表面にはグラスを片手にほほえむママの写真のほかに趣味や悩みが記されていた。

 裏面には、店の看板と「飲みっぷり」「トーク力」「笑い声」などについて自己評価した分析表が掲載されていた。明朗会計をアピールしようと料金の目安も載っており、このカードには「2000~3000円」とあった。

 商店会とスナック組合が協力し、種類ごとに400枚ずつ作成した。9月1日に始まる津軽地方の歴史や文化を紹介するイベント「古津軽ウイーク」(10月10日まで)に合わせ、8月31日に配布を始める。

 イベントの期間中、5枚以上集めた人には、町内の温泉施設の入浴券がプレゼントされる。

 「『スナック』って少し敷居が高い」。そんな声にも応えようと、31日の午後7時から、スナックだけでなく居酒屋も含めたカードに登場する全13店が入店しやすいよう、ドアを開けっぱなしにして営業する。

 さらに、地元でまちおこしに取り組む相馬康穫(やすのり)さんが一緒に店を案内してくれる。

 「店はママやマスターの個性によってまったく違う。はしごしてお気に入りの店を見つけ、大鰐の夜を楽しんでほしい」【足立旬子】

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