「もう、ふんばれない」 孤立から救出の男性、能登地震でも被災
毎日新聞 / 2024年9月25日 9時43分
能登半島を襲った豪雨は、元日の地震から復興を目指していた住民らに追い打ちをかけた。壊れた自宅の復旧に向け、少しずつ片付けなどをしてきた人たちもいる。大雨で周囲から孤立し、ヘリコプターで救出された男性は語った。「もうあかん、もうふんばれない」
能登半島の北部にある石川県珠洲(すず)市仁江町。地震で大規模な土砂崩れが起きたことに伴い、一帯は自宅で生活できなくなる「長期避難世帯」となった。住民らは週末などを使って一時帰宅している。
左官業の谷内謙一さん(69)もその一人。仁江町の自宅は半壊したが、まだ住み続けられる状態だった。別の場所に家を借りつつ、仁江町にたびたび帰宅していた。豪雨が襲ってくる前日の20日もいつも通り戻っていた。
21日未明から雨が強くなったことで「朝一番で帰ろう」と考えていた。ほどなくして知人からの電話で孤立していると知らされ、近くの集会所に身を寄せた。間もなく近くの水路の水があふれ、集落に押し寄せていくのが目に入ってきた。
「ふるさとが目の前で消えていった。悲しくて悔しくて、恐ろしくて」。涙が止まらなかった。
集会所の電気は止まっており、救助を待つ間はろうそく1本で過ごした。心細かった。助けの手が届いたのは豪雨から2日たった23日昼ごろ。ヘリコプターに乗り込み、能登半島を南に下った同じ珠洲市内に運ばれた。
仁江町では地震で多くの死者が出た。町外に住居を移す人も少なくなかった。それでも、谷内さんはふるさとで暮らし続けようと思い、1カ月前に自宅のエアコンを入れ替えたところだった。
慣れ親しんだ家は床上まで水につかり、もう住めそうにない。谷内さんはつぶやいた。「なんで、こんなことばかり続くんや。もう仁江を離れるしかない」【稲生陽】
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