知床観光船沈没、死亡船長を書類送検 業務上過失致死容疑 海保

沈没した「KAZU　Ⅰ」が出航したウトロ漁港。大小の観光船が停泊する＝北海道斜里町で2024年9月18日午後4時16分、本多竹志撮影

　北海道・知床半島沖で観光船「KAZU　Ⅰ（カズワン）」が沈没して乗員乗客全26人が死亡・行方不明となった事故で、第1管区海上保安本部（北海道小樽市）は26日、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで豊田徳幸船長（当時54歳）を容疑者死亡で書類送検した。

　書類送検容疑は2022年4月23日、出航前に船体を検査すべき義務を怠り、荒天が予想される中、出航や航行を中止せず、カズワンを沈没させて乗員乗客25人を死亡させたなどとしている。

　1管は今月18日、運航会社「知床遊覧船」の社長、桂田精一容疑者（61）を同容疑で逮捕した。

　事故を巡っては、乗客遺族ら29人が、運航会社と桂田容疑者に計約15億円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴している。【伊藤遥、後藤佳怜】