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袴田巌さん再審無罪判決 裁判長が三つの証拠捏造を認定 静岡地裁

毎日新聞 / 2024年9月26日 14時28分

亡くなった西嶋勝彦弁護団長の遺影を手に静岡地裁に入る姉の秀子さん(中央)=静岡市葵区で2024年9月26日午後1時18分、宮武祐希撮影

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われ死刑が確定した袴田巌さん(88)に対するやり直しの裁判(再審)で、静岡地裁は26日、無罪判決(求刑・死刑)を言い渡した。

 国井恒志裁判長は、捜査機関による三つの捏造(ねつぞう)が認められると言及。自白調書は肉体的・身体的苦痛を与えて得た▽「5点の衣類」は捜査機関によって加工・隠匿された▽5点の衣類の一つであるズボンの切れ端が捏造された――とした。

 死刑囚に対する再審の無罪判決は、静岡県島田市で女児が誘拐、殺害された「島田事件」以来35年ぶりで、戦後5例目。

 2023年10月から24年5月まで計15回開かれた再審では、5点の衣類に付着していた血痕が争点となった。

 袴田さんは事件当時、みそ製造会社で働いており、5点の衣類は事件から約1年2カ月後、会社のみそタンク内から発見された。

 5点の衣類には赤みが残っていたとされ、確定判決では犯行着衣とされていた。ズボンの切れ端とみられる布は袴田さんの実家から見つかっていた。

 弁護側は、袴田さんは事件の約2カ月後に逮捕されており、その前に5点の衣類をタンクに入れたならば、長期間のみそ漬けによって化学反応が起こり、赤みは消えるはずだと主張。捜査機関が袴田さんの逮捕後に入れて証拠を捏造したと訴えた。

 検察側は、タンク内の酸素濃度は低く、血痕が黒く変色していく速度が遅いため、赤みが残っていても不自然ではないと反論。証拠捏造について「非現実的で実行不可能な空論だ」と述べていた。【巽賢司、丘絢太】

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