出直し選の大義は 改革訴える前に「道義的責任」から 記者解説
毎日新聞 / 2024年9月26日 21時30分
「改革の歩みを止めない。1人で戦っていく」。失職・出直し知事選への出馬を選択した斎藤元彦・兵庫県知事は、26日の記者会見で引き続き県政を担う意思を明確にした。県議会から全会一致で「退場宣告」を受け、厳しい世論にもさらされている。「若い世代への施策を充実させたい」という斎藤氏の「再選への大義」は、有権者に受け入れられるのか。
総務省から大阪府財政課長に出向し、自民党と日本維新の会の推薦を受けた2021年の知事選で初当選した。会見の冒頭では約10分にわたり、3年間の実績を強調。行財政改革で捻出した予算を県立大授業料無償化や県立高校の建て替え、部活動の備品支援などに充てる――と訴える姿は、初心を失っていないようにも見える。
だが、自身の疑惑を告発した県職員を特定し懲戒処分をしたことについては、この日も「最善の判断だった」と正当性を主張。県議会調査特別委員会(百条委)では公益通報者保護制度に反すると指摘され、かつての上司である吉村洋文・大阪府知事も「間違いだったと思うし、そこは認めて謝罪すべきだ」と苦言を呈している。
斎藤氏は「心の中のおごり、慢心を改める」と言うものの、果たして心底からの言葉なのか。告発者が死に追いやられたことについての「道義的責任」を問われると「道義的責任というのは辞職につながる。大きな責任はあるが、今回は辞職はしなかった」と独自の理論でかわした。
県議会各会派は「自身の言動が県職員ら多くの人を傷つけ、傷ついた人が仕事するのにどれだけ支障があったか。結果的に死に至らせるまで傷つけてしまった原因は何だったのか」と知事に問いかけた。そこに正面から向き合わない限り、人心は離れていくばかりではないのか。【中尾卓英】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「これからもぜひ続けさせていただきたい」失職の斎藤元彦兵庫県知事 出直し選出馬で続投意欲
スポーツ報知 / 2024年9月27日 6時0分
-
〈兵庫・斎藤知事が失職、出直し選へ〉出馬を決断した理由は見知らぬ高校生からの手紙?「自分は県政を担える」とまるで政見放送のような自信満々の会見に県職員は報復の恐怖
集英社オンライン / 2024年9月26日 21時29分
-
会見で目立ったかみ合わない受け答え 兵庫知事の文書告発問題
毎日新聞 / 2024年9月26日 20時8分
-
迫る会見、兵庫・斎藤知事は何語る? 始まりは4枚の匿名文書
毎日新聞 / 2024年9月26日 10時36分
-
「嘘八百」「道義的責任分からない」不信任案提出の斎藤知事 発言で物議
産経ニュース / 2024年9月19日 16時59分
ランキング
-
1捜査員に踏み込まれた容疑者、ホテル3階から飛び降り上半身裸の下着姿で逃走…神戸市垂水区
読売新聞 / 2024年9月27日 10時7分
-
2激安EC「Temu」テレビ、YouTubeで広告増える謎 安さの理由は?幅広い世代が利用している
東洋経済オンライン / 2024年9月27日 10時32分
-
3石破茂vs高市早苗「最終決戦」の行方…総裁選あす投開票“三つ巴の争い”も進次郎は脱落ムード
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月27日 9時26分
-
4生徒の首を腕で絞める「不適切指導」 九州産業高校の男性教諭 前年には生徒を殴り傷害容疑で書類送検も
RKB毎日放送 / 2024年9月27日 11時30分
-
5自民新総裁、午後に選出=石破氏22道県、高市氏15府県でトップ
時事通信 / 2024年9月27日 13時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください