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米中貿易摩擦とは。きっかけと今後の見通しや日本への影響予測

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年6月2日 10時0分

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米中貿易摩擦とは。きっかけと今後の見通しや日本への影響予測

中国とアメリカの関税を巡る報復合戦から始まった米中貿易摩擦。この対立は、アメリカの大統領が替わっても続いています。米中貿易摩擦の推移と今後の見通し、そして日本への影響を解説しています。

米中貿易摩擦とは?

米中貿易摩擦とは?

米中貿易摩擦とは、主にアメリカと中国の間で生じている貿易を巡る摩擦全般のことです。

 

近年、中国への輸出量に比べて中国からの輸入量が上回り、アメリカの対中国貿易赤字は膨らんできています。中国からの輸入量が増加するということは、中国からアメリカに良い製品がどんどん入ってくることになり、アメリカ製品の国内の売り上げ減少につながります。

 

アメリカ製品の売り上げ減少は、最終的にはアメリカ国内の雇用減少につながりうるため、これを危惧したトランプ前大統領は、中国の輸入品に関税をかける決定をしました。

 

これを受けて中国側も、アメリカからの輸入品の一部に関税をかけることを表明。それに対してアメリカはさらに関税対象を広げ…というように、お互いの報復合戦が以後繰り返されます。いつしか、米中の貿易を巡る関税の報復合戦全般を総称して米中貿易摩擦と呼ぶようになりました

米中貿易摩擦が起こったきっかけ

米中貿易摩擦が起こったきっかけ

2016年11月にアメリカ大統領に選ばれたトランプ大統領は、アメリカファーストを掲げ、「対中貿易赤字の解消」「貿易の不均衡の解消」を公約にしました。その具体策として、2018年には中国からの輸入品818品目(340億ドル相当)に対して25%の関税率をかけると宣言します。 

 

それを受けた中国は直ちにアメリカからの輸入品545品目、340億ドルに対して25%の報復関税を課します。

 

その後も、両国が報復関税を追加し、最終的にアメリカが中国製品に関税をかけた品目は、5,745品目で2,000億ドル規模になりました。中国側は5,207品目、620億ドル規模です。

両国の対立は関税の引き上げ合戦に止まりません。例えば、通信インフラ整備の分野では、安全保障を理由にアメリカが中国ファーウェイ社の製品を排除しました。もはや米中の対立は貿易摩擦を超えて、世界経済やハイテク分野の覇権争いにまで発展しています。

アメリカと中国の今後の関係予測

アメリカと中国の今後の関係予測

アメリカの大統領はトランプ氏からバイデン氏に代わりましたが、新政権も貿易不均衡解消の方針に大きな修正はしないとのことです。2021年の貿易政策の指針となる報告書でアメリカの労働者に損害を与え続けている中国の不公正な貿易慣行に対処するため、あらゆる手段を使う」と、中国の貿易赤字の問題に対しては引き続き徹底的な措置をとることを明言しています。

関税だけではなく、知的財産権の保護、ウイグル自治区問題や、台湾を巡る問題、そして何よりも、世界の覇権争いを巡って今後も摩擦は続いていくことが予想されます。なお、各課題の概要は以下の通りです。

・知的財産の保護
中国が米国企業にスパイを送り込んだり、サイバー攻撃を仕掛けたりして革新技術を盗み出しているとし、知的財産(発明や企業秘密など)の保護を目的とした動きのことです。

・ウイグル自治区問題
中国西部に位置する新疆ウイグル自治区のウイグル民族は中国からの独立を求めています。中国政府がウイグル民族を危険分子扱いし、虐待していることが国際的な注目を集めています。

・台湾問題
台湾は中国の一部であるという中国の主張と、台湾は一つの主権国家であるという台湾の主張が対立している問題。中国は武力行使によって台湾を支配する可能性を排除しておらず、台湾海峡近辺で中国の軍用艦が軍事演習を行うなど緊張が高まっています。

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・米中覇権争い
現在の世界は経済・軍事ともアメリカ一強の状態です。しかし、2030年には中国がアメリカをGDPで上回ると予想されています。世界一の大国を目指す中国と、それを阻止しようとするアメリカのせめぎ合いが続いています。

直近では、環境に対しての取り組みが米中覇権争いの争点として浮上しました。トランプ政権の時代に一度は離脱したパリ協定にバイデン大統領は復帰を表明。世界最大の二酸化炭素排出国となっている中国をけん制し、環境問題への取り組みを示してアメリカは国際社会のリーダーシップを改めて確固たるものにしようとしています。

 

※パリ協定:2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み。産業革命前を基準として、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える努力をすることを目標としています。

米中貿易摩擦がもたらす日本への影響

米中貿易摩擦は、日本にとっても対岸の火事ではありません。関税引き上げによる生産コスト上昇のため、中国から他国へ製造拠点を移すことを余儀なくされる日本企業も出てきています。

・関税引き上げにともなう日本企業の業績悪化
新たな関税を課された対象の中には、中国に進出した日本企業の製品もあります。巻き添えをくった企業は、自社製品が値上がりしないよう利益を削ることを余儀なくされました。やむなく値上げすれば、当然、価格競争力は低下し、顧客離れに直面することになります。

 

・生産拠点を中国以外の国へ移転する企業も
関税の引き上げは、中国に生産工場を持つ企業の生産コスト上昇につながります。それを回避するため、第三国への工場移転を模索する企業が出てきました。主な移転先は、ベトナムやタイといった東南アジア諸国、アメリカに近いメキシコなどですが、日本に回帰する計画を進めている企業もあります。

 

かつて、日本の製造業は安価な大量生産を目的にして、収益性を上げるために中国に生産拠点を構えていましたが、米中貿易摩擦の影響で大幅な方向転換を迫られています。

日米首脳会談を受けて

国際社会の重要な問題について協議するため、2021年4月17日に日米首脳会談が開催されました。そこで、菅義偉首相とバイデン大統領は、台湾問題や新疆ウイグル自治区の人権状況への深刻な懸念を発表しました。これを受け、中国は猛反発の姿勢を見せています。

しかしながら、アメリカ、中国、日本という世界の3大経済大国の関係が必要以上に悪化すると、各国経済界からの反発が予想されます。日米と中国は政治的に対立しつつも、実際はどこかで妥協点を探っているようです。そんな微妙な関係に世界は注目しています。

 

アメリカと中国の対立は収まっていないものの、両国の株式市場は2020年以降堅調に推移しています。2021年に入ってから発表された経済統計も、両国のさらなる経済成長を示唆しています。アメリカ株中国株に投資するのであれば、まず楽天証券に口座を作りましょう。

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