【羽曳野路上殺人事件】一貫して無罪主張の被告に懲役16年判決「合理的な疑いを入れることなく犯人と認定できる」 大阪地裁
MBSニュース / 2024年9月27日 18時0分
6年前、大阪府羽曳野市で起きた殺人事件。無罪を主張し続けていた被告に懲役16年の有罪判決が言い渡されました。
(裁判長)「主文、被告人を懲役16年に処する」
1時間半あまりにわたった判決の言い渡し。山本孝被告(48)は、微動だにせず聞いていました。
判決によりますと山本被告は、2018年、羽曳野市の路上で、藤井寺市の会社員・平山喬司さん(当時64)をすれ違いざまに刃物で刺し殺害しました。平山さんは近くの駐車場に車をとめ、被告の隣に住む女性の家へ向かっていた途中でした。凶器も目撃者もなく捜査は難航しましたが、発生から4年をかけて警察は、2022年に山本被告を逮捕しました。
警察と検察は、近隣住民のドライブレコーダーに映った犯人と山本被告の体格が合致していた点、犯人の着衣やスニーカーも被告のものと酷似していた点や、事件前から疑心暗鬼のような行動を取っていた点などを決め手としました。“偶然の一致はありえない”と判断したのです。
しかし、山本被告は一貫して殺害を否認。事件当日、自宅の外まで“見張り”に出たことは認めましたが、その後は家の中に戻ったと主張していました。
(弁護人)「ドラレコ映像はどう思った?」
(被告)「身長とかは似ていると思いましたが、それだけでなぜ、私が犯人扱いされなくちゃいけないのかなと思いました」
(今年8月の最終陳述)「私はやっていません。私はやっていません」
弁護側も、現場住宅街の住民ではない人物による犯行の可能性があるなどとして、検察側の立証構造は破綻していると訴えていました。
迎えた今年9月27日の判決。大阪地裁はドラレコ映像での身体的特徴の一致など検察側の立証の柱は退けたものの、隣人宅のセンサーライトの点灯状況や、平山さんとのトラブルなど動機面から「合理的な疑いを入れることなく被告を犯人と認定できる」として、山本被告に懲役16年を言い渡しました。
弁護団は控訴する方針です。
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