石破総理が『１０３万円の壁』引き上げを明言 “政治とカネ”については「諸課題の改革のための議論を進める」 立憲・野田代表「意欲・覚悟を感じられなかった」 所信表明演説

　石破茂総理が所信表明演説。『１０３万円の壁』を引き上げると明言しました。

　（石破茂総理大臣）「先般の選挙で示された国民の皆さま方の声を踏まえ、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう…」

　所信表明の冒頭、１０月の衆院選で過半数割れに追い込まれたことに言及し、野党の声を聞く姿勢を示した石破総理。一方、躍進を遂げた国民民主党が掲げるのは、『１０３万円の壁』の引き上げ。『１０３万円の壁』とは、所得税がかかるようになる基準の年収のこと。玉木雄一郎代表は衆院選で、これを１７８万円に引き上げて「手取りを増やす」政策を実現すると主張。過半数割れとなった自民党は、国民民主党に協力を得るため、『１０３万円の壁』を見直す方向で議論を進めています。１１月２９日の所信表明演説でも…

　（石破茂総理大臣）「いわゆる『１０３万円の壁』については、令和７年度税制改正の中で議論し、引き上げます。これらに伴う諸課題に関しては今後検討を進め、その解決策について結論を得ます」

　来年度議論し、壁を引き上げると明言しました。また、先の衆院選敗戦の大きな要因となった政治とカネの問題については…

　（石破茂総理大臣）「政党から議員に支出され、その先の具体的な使途が公開されていない政策活動費の廃止。政治資金に関する諸課題の改革のための議論を進めてまいります」

　所信表明演説を受け、野党第一党・立憲民主党の野田佳彦代表は冷ややかです。

　（立憲民主党　野田佳彦代表）「政治改革を推進しようとする意欲・覚悟というものを残念ながら感じることができなかった。極めてがっかりした」

　臨時国会で補正予算を成立させるためにも、野党の協力が必要不可欠な石破政権。野党の主張はどこまで盛り込まれるのか、注目されます。