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紀州のドン・ファン殺害事件あす判決 「私は何年も人殺し扱い」被告側は全面的に無罪を主張 検察側は無期懲役を求刑

MBSニュース / 2024年12月11日 18時10分

紀州のドン・ファン殺害事件あす判決 「私は何年も人殺し扱い」被告側は全面的に無罪を主張 検察側は無期懲役を求刑

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判。12月12日判決が言い渡されます。

 須藤早貴被告(28)は2018年、和歌山県田辺市で資産家の野崎幸助さん(当時77)に致死量の覚醒剤を何らかの方法で摂取させ殺害した罪に問われています。貸金業や酒の卸売業など幅広く事業を展開して一代で財を成した野崎さん。多数の女性と関係をもった自身を、スペインの伝説上のプレイボーイになぞらえ「紀州のドン・ファン」と自称しました。

 そんな野崎さんは2018年2月、55歳年下の須藤被告と結婚。しかし、そのわずか3か月後に不審な死を遂げます。死因は急性覚醒剤中毒でした。

 警察は直接的な証拠が見つからない中、3年にわたる捜査の末、元妻の須藤被告を逮捕。死亡当日に野崎さんと長時間2人きりでいた点や、インターネットで覚醒剤について検索した履歴があり、密売人と接触していた点など、数々の状況証拠から須藤被告の犯行と判断したのです。

 一方、須藤被告は今年9月、和歌山地裁で始まった裁判で無罪を主張。11月の被告人質問では…

 (須藤早貴被告)「(野崎さんは)愛犬のイブが死んでから『死にたい』と言ってました。従業員の前でも言ってました。『もう自分も死んでしまいたい』と」

 野崎さんが生前、自殺願望を口にしていたと供述。覚醒剤については野崎さんが亡くなる1か月半前に密売人に接触し、田辺市内で直接受け取ったと認めましたが、野崎さんから頼まれて購入したと主張しました。

 (須藤早貴被告)「『ダメだから(=性的な満足を得られないから)覚醒剤を…』と言われました。『お金くれたらいいよ』と冗談で言ったら、バッグから20万円を出して渡してきました」

 さらに、密売人から受け取ったものについては…

 (須藤早貴被告)「(野崎さんに渡した日の)翌日の夕食のときに『使い物にならん、ニセモノや』『もうお前には頼まん』と言われました」

 本物の覚醒剤ではなかったと話しました。裁判では野崎さんに“恨み節”を見せる場面も…

 (須藤早貴被告)「もうちょっと死に方を考えてほしかったというか、社長(野崎さん)があのタイミングで死んだせいで私は何年も人殺し扱いなので」

 検察側は殺害について「遺産ほしさという動機は悪質で人命軽視もはなはだしい」と糾弾し、無期懲役を求刑。被告側が全面的に無罪を主張する中、どのような判決が下されるのか。12月12日午後言い渡されます。

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