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病院クラスターで感染して『コロナ後遺症』になり退職した看護師「こんなはずじゃなかった」...元コロナ患者たちの告白

MBSニュース / 2021年10月7日 12時7分

「1年以上せきが止まらない」「仕事を続けることができない」。新型コロナウイルスに感染した後に『後遺症』と闘い続けている人たちがいる。治療法がまだ確立されていないというコロナ後遺症。今回、先の見えない不安と闘い続けている4人のコロナ後遺症患者を取材した。

今年5月、大阪市内に住む30代のAさんが取材に応じた。Aさんは今年1月に新型コロナウイルスに感染して、陰性になってからも後遺症に悩まされているという。

(今年1月に感染したAさん 30代)
「なかなかね、メモがないと思い出せないんです。今回、字で書いてみようと思って、体温と血中酸素飽和度と脈拍、それを毎日。今続いている強い症状というのは、背中にやりが刺さったような痛みがずっとしていて。それでこの4か月間であおむけで寝られたのは4日だけです。頭に関しては、ふわっとする感じで、漢字とかも全然出てこないというところですね」

Aさんのメモ帳には、感染が確認されるまでの経緯や、症状などが記されている。

(Aさんのメモ)
『1月7日 のどに違和感』
『1月14日 人生で経験したことのないケタ違いの全身の激痛、呼吸困難のまま夜を迎える』
『これが人生最後と何度も思った』

Aさんは、保健所に電話をかけても対応してもらえなかったが、発症の2日後の1月16日、近くのクリニックで検査を受けて陽性と確認されたという。

(今年1月に感染したAさん 30代)
「車が何台走ってるっていうのがふわーっとして何もわかんなくて。ずっと乗り物酔いみたいな感じで、吐き気が続いていたんですよね」

Aさんは、コロナ感染から1か月後に再度PCR検査を受けて、陰性が確認された。金融機関に勤めていて、保健所からは職場復帰できると言われたものの、せき・呼吸困難・頭痛などは続いていたという。

陰性が確認された後のAさんの肺のCT画像では、肺炎の症状が複数か所で確認された。その一方で脳のCT画像では異常を示す所見は見当たらなかったという。

(今年1月に感染したAさん 30代)
「仕事に復帰できないんじゃないかとか。間違えちゃいけないっていう仕事なので、ボーっとして間違えちゃったら、とんでもない損失につながっちゃうので」

Aさんは、感染から9か月が経っても思考力の低下などの症状が続いていて、休職中だと話した。

厚生労働省によると、コロナ感染者のうち、感染から3か月が経っても疲労感やけん怠感を訴えている人は21%、息苦しさを感じている人は15%いることが確認されていて、陰性になっても『コロナ後遺症』に悩まされている人が少なくないことがわかる。

大阪市北区にある「北野病院」では、今年6月から新型コロナウイルスの「後遺症外来」を開設している。9月29日に取材した際に診察に訪れていた40代の男性は、今年1月に感染して、けん怠感や息切れが続いているという。

(コロナ後遺症の患者 40代)
「きのう会議していて、ずっとしゃべっていたんですけれども、胸のあたりがしんどいといいますか」
(北野病院 丸毛聡医師)
「そこはまだ完全じゃない感じですね。胸のCTは全然きれいだったので、肺活量に現れないようなコロナの後遺症の一つかなと思います」

約8か月間にわたって後遺症に悩まされるこの患者に取材班が話を聞いた。

(コロナ後遺症の患者 40代)
「気を遣いながら仕事せなあかんところがちょっとしんどいかなというところですね。症状が出る時と出ていない時があるので、こちらもしんどいというのがうまく伝えられないというね。ここまで正直、長引いてしんどい思いをするとは全然思っていなかったですね」

北野病院の後遺症外来は、来年4月まですでに予約で埋まっているが、現場では難しい診療が続いているという。

(北野病院 丸毛聡医師)
「コロナの後遺症の場合はですね、なかなか今はこれという決まった治療法は正直ないです。一番多いのはけん怠感であったり、何か考えようとしても脳に霧がかかったような『ブレインフォグ』と言われる症状をきたして、ゆっくりと考えることができなかったりという症状」

Aさんも悩まされていた脳に異変をきたすコロナ後遺症『ブレインフォグ』。大阪府堺市にある「邦和病院」の後遺症外来でも、取材をした9月9日、この症状を訴える患者がいた。

(邦和病院 医師)「頭痛い?もやっとする?」
(Bさん 60代)「そうですね。ぼやっとする」
(邦和病院 医師)「二日酔いみたいなね、あるいは睡眠不足みたいな感じの頭ね。ブレインフォグっていうんです。何が悪さしているか、まだはっきりメカニズムはわかっていないんですけれども」

60代のBさんは、今年8月に感染が確認され、せきや息切れのほか、目まいや集中力が低下するブレインフォグの症状が続いていた。後日、再びBさんを取材した。

(今年8月に感染したBさん 60代 9月27日)
「朝起きても倦怠感はあるんだけど、そうはいうても何もしないでおるわけにもいかないので、買い物に行ったりとか、ちょっと出て行ったりしたら、今までだったら半日やったらそれほどでもなかったけれども、半日で1日分の疲れを感じる」

Bさんは、三線が趣味で毎週教室に通っていたが、後遺症の影響で感染後は通えていないという。さらに「また感染するのではないか」という恐怖感があり常に身構えていると話した。

(今年8月に感染したBさん 60代 9月27日)
「今一番怖いのは人込みですね。たまに食事で出る時でも混んでいるお店は嫌。小さなお店はいい。だから大きなファミリーレストランみたいな“感染対策やってますよ”というところだとある程度安心して、だけどそういうところも混んできたらね、もう出ようかなという気持ちになります」

邦和病院の後遺症外来には今年8月も多くの患者が訪れていた。去年4月に勤務先の病院でクラスターが発生して感染した20代の元看護師の患者は、1年以上も後遺症に悩まされていた。

    (邦和病院 医師)「脱毛は?」
(元看護師の患者 20代)「今はマシ(咳き込む)」
    (邦和病院 医師)「なんか空咳ね」
(元看護師の患者 20代)「ほんとにひどい時は夜中に吸気性喘鳴とか」

(元看護師の患者 20代)
「こんなに長くなる人がいるとかまでは全然。こんな状態で患者さんのところに行かれへんし、これ以上ちょっと休むのは病院としては厳しいということで退職。最前線でずっと患者さんについている看護師とか同僚とかのことを考えたら申し訳ないなとか。こんなはずじゃなかったのになという感じですね」

陰性になった後もコロナと闘い続けている元感染者たち。新規感染者が減っても、後遺症で苦しむ人たちは増え続けている。

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