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脇役・野波麻帆のリアリティが「ダメな私に恋してください」の魅力

メディアゴン / 2016年3月6日 9時56分

黒田麻衣子[国語教師]

* * *

TBS系列で火曜夜10時から放送されているドラマ「ダメな私に恋してください」。初回は、冒頭の5分で脱落しそうになった。

30歳を過ぎたミチコ(深田恭子)が、ダメンズに貢ぎすぎて借金を抱え、コスプレするわ、公園で猫缶拾って食べるわ、とイタ過ぎシーンのオンパレード。あまりの「あり得なさ」具合に、筆者はドン引きした。

歯を食いしばって最後まで視聴したのは、NHKの朝ドラで昇天したばかりの五代サマことディーン・フジオカが相手役だったからだ。ドS上司のディーン・フジオカ観たさに、2回目以降も見続けてしまった。

だが、回を重ねていくごとに、ドS上司に人間らしさが溢れてきて、ミチコもかわいく見えてきた。気がつくと、このドラマにハマっている自分がいた。

ドS上司であった黒沢歩(ディーン・フジオカ)は、会社を辞めてカフェのオーナーという「自分の好きな仕事」を始めたわけだから、日々のストレスから解放され、性格的にも毒が抜けて、人間味あふれる人に変化していくのは、ある意味、必然。その魅力に世の女性たちが引き込まれていくのも、よくわかる。

問題は、ミチコだ。たしかに、ミチコ演じる深田恭子は、優しいしかわいい。

しかし、「同性に好かれるタイプのオンナか?」と言われると、きっとNOだ。それなのに、なぜ、女性たちはミチコに好感を抱いてしまうようになったのか。

その鍵は、脇役にあった。野波麻帆の演じる生嶋晶の存在が、このドラマにリアリティと共感をもたらしている。主人公のミチコは、かわいくて優しくて、美人でぶりっ子で、「貢ぎクイーン」なのに処女。

普通に考えて、あり得ない。リアリティの欠片もない。だが、晶は違う。特別に目を引くような美人ではないけれど、仕事ができて順調にキャリアを積んでいて、恋もそれなりに経験しているアラサー女。

バリキャリだけれど、人並みに結婚への憧れは持っている。ところが、何年も付き合った彼(黒沢歩)に振られてしまい、その「恋のキズ」を癒せないでいる。しかも「一度好きになった人には、幸せになって欲しいじゃない?」なんて、サラッと言ってしまうような、健気でちょっと意地っ張りな、恋に不器用な女性。

まさに、リアリティの塊。自分の周囲を見回せば、身近に一人はいそうな人物だ。

現実の世界において、ミチコのような女は、放っておいてもいつの間にかのほほんと結婚して幸せになる。晶のような女性が、きっといちばん「幸せ」から遠い。だから、共感してしまう。感情移入してしまう。

その晶に「ミチコはかわいい」と言われ続けると、「そうかもしれない」という気持ちになる。「ミチコを応援する」と宣言されたら、「あなたがそうおっしゃるなら」とついて行きたくもなる。

そう! このドラマは、晶という存在によって、成り立っているのだ。晶の視線でミチコを見るよう、仕向けられているのだ。けっして出番は多くない晶だけれど、彼女の担う役割は計り知れない。

ドラマは終盤戦となってきた。予定通り、ミチコはそろそろ幸せを掴みそうだ。ドラマの立役者、晶は、果たして幸せになれるのだろうか?

「幸せになって、晶!」と祈りつつ、最終回まで、しっかり見守っていきたいと思う。

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