1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

安倍首相の幸運は一般国民のご利益にはつながらない?

メディアゴン / 2017年12月27日 7時30分

写真

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]

* * *

10年来、初詣は深川の富岡八幡宮でした。しかし、あの事件を見せつけられると富岡八幡はご利益よりも祟りの方がありそうですし、今年は世の中も私事も碌な事がなかったので、新たな初詣先を探さなければなりません。さて初詣でいちばんご利益がありそうなのはどこでしょうか。

それは間違いなく安倍晋三詣です。安倍さんのご利益は超弩級ですから。なんと安倍さんと親しい方がお2人も、年末ジャンボの4等賞(7億円)以上を引き当てたという実績があります。籠池さんは7億円の値引き、加計さんに至っては100億円を越える超大当たりです。

宝くじの1等賞に当たる確率は「1000万分の1」と言う方がおります。安倍さんの親しい方お1人が1等に当たる確率が1000万分の1なら、お2人も当たる確率はなんと10兆分の1ということになります。数字はともかく、現実的にはあり得ない確率で安倍さんのオトモダチがとびきりの大当たりを得たことになります。それだけではありません、○○庁長官に出世したり、○○国大使館勤務になったり、という当たりもアリです。

安倍さん自身も幸運です。振り返れば数々のエラーもあったのですが、そのたびに世の中の動きが安倍さんに味方します。たとえば選挙での小池百合子自己崩壊のように。立憲民主党の枝野氏が言うように、モリカケ問題も「詰んでいる」のです。

会計検査院の調査結果を見れば政府答弁は全否定され、加計問題でも手続きが恣意的であることは明白で、どちらも安倍政権のやり方が無茶苦茶だったのは明らかです。だから年末になっての世論調査でさえ、モリカケ問題の政府説明に納得していない国民は80%を越えているのでしょう。

【参考】悪あがきする既に終わっている民進党元幹部たち

それでも安倍さんは意に介さず、この幸運により得た数の力による権力を行使し、アメリカの求める高価な武器を言い値で爆買いしつつ、増税や憲法改訂に突き進んでいます。

安倍さんの幸運が安倍さん自身やご家族、支持者のご利益につながっても、一般国民のご利益につながるのかどうか・・・。とりわけ北朝鮮問題を中心とした安全保障の面ではトランプ追随の強行路線が日本国民にご利益をもたらすのかどうか、心配がないではありません。

北朝鮮への制裁強化一片倒路線は、かつてABCD包囲網という制裁に追いつめられて戦争へ突き進んだ日本の歴史を思い起こさせますし、日本が自国防衛のためとは言え長距離ミサイル開発や敵基地攻撃能力を持てば、それこそ自衛隊はどの国にもある軍隊と同じになります。世界の戦争の多くは自国防衛のためというお題目で起きています。しかし日本がまったくの無防備で良いわけもなく、素人には憂いが増すばかりです。

最近のテレビニュースで視た安倍さんの発言によれば、安保条約により強固で親密な日米間では万が一の場合は核を含む通常兵器での報復についてもしっかり確認しているのだそうです。「核を含む通常兵器」という言い方は矛盾してますが単に「核による報復」と言ったのでは刺激が強すぎるので、咄嗟に「通常兵器」という言葉を加えたためかもしれません。それこそがアメリカの核の傘に入る日本の安全保障ということなのでしょう。

しかし、日本が北朝鮮から攻撃を受けた場合、米が核により北朝鮮に報復するなら、北朝鮮も米から攻撃された時には同じ理屈で核により報復する権利を主張するのではないでしょうか。核による報復の応酬となれば人類の破滅です。日本人、そして筆者自身が目には目をとばかりに「核による報復」をほんとうに望むのかどうか、重大な問いを突きつけられているように思えます。

こんな時代状況だからか、中曽根内閣の官房長官で自民党の重鎮であったカミソリ後藤田こと後藤田正晴氏が10年以上前に語った言葉をいまいちど思い出してしまいます。

『戦後60年を振り返ってごらんなさい。アメリカぐらい戦争している、あるいは海外派兵している国はありません。朝鮮戦争からベトナム戦争、それからアフリカでの戦争、中東での戦争。毎年「平和だ」って言ってどこかで戦っている。これにいつまでもお付き合いできますか。』

世界中で戦争するアメリカですが自国領土では戦争をしません。よってアメリカ市民は傷つきません。いつでも傷つくのは戦の場となった国の市民です。

そして後藤田氏は日本の政治家にこう望みました。

『戦後10年の間に、日本の自衛隊によって他国の人間を殺したことは無いんですよ。それからまた他国の軍隊によって殺されたこともない。先進国でこんな国は日本だけですよ。これは本当に誇るべきことだと思う。これだけは頭の中に置いて政治の運営をやってもらいたい。』

アメリカの伝統どおりに他国への武力行使に突き進むかにも見えるトランプ大統領。そして後藤田氏の言う戦後日本の誇りを反故にしかねない安倍総理。この超タカ派コンビが平和というご利益を世界にもたらすのかどうか心配が募ります。

どこかに後藤田大明神があるならばぜひとも初詣に行きたい気分で2017年が暮れてゆきます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください