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<無駄に長い?>「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」に賛否

メディアゴン / 2018年1月6日 7時30分

保科省吾[コラムニスト]

* * *

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(監督ライアン・ジョンソン)を見て、筆者の率直な感想は「長さが苦痛」である。上映時間は2時間32分。

どんなにおもしろい映画も(映画以外の演劇でもオペラでもどんなエンターテインメントでも)筆者のようなごく普通の人間にとっては、見続けるのは2時間が限度である。

多くの映画が2時間である理由は、その昔、一日に何回も上映を繰り返すために、2時間以上あると上映回数が限られてしまうので、映画館側の要望で2時間以内にすることが求められたからだ。しかし、出自はどうであれ、やはり2時間というのは人間がエンターテインメントを見続けるための集中力としては妥当な数値なのだろうと思う。

そういう事情も知りながら書くが、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は長い。途中で眠ってしまいそうになったぐらい長い。もちろん、物語を作る上で止むを得ず長くなっているのであればまだ理解はできる。しかし、この作品は余計なエピソードが多すぎるために長いのだ。

【参考】進みすぎた現代科学が映画『ブレードランナー2049』を陳腐にする?

筆者は「スター・ウォーズ」は全作を見ているが、エピソード7から、その傾向が顕著になっている。初期の頃の息もつかせぬ疾走感はまったくない。

内容的にも眠さを誘う要素は少なくない。例えば、「スター・ウォーズ」の大きなテーマであるフォースの使い方が安易すぎる。フォースは何でも可能になる超常能力ではない。人間らしい悩みの籠もった悲しさも帯びた能力の筈である。それが、あのような形でフォースを使えるなら、設定など無意味ではないのか。

細かい問題点を指摘したらキリがないが、他で特に気になった点は以下だ。

銀河帝国軍の残党ファースト・オーダーのスノークの破滅の仕方があっけなさ過ぎる。反乱軍を苦しめに苦しめたスノークあの程度のものだったのか、と落胆させられる。

銀河帝国軍のコードを解読できる人物との邂逅がご都合主義である。ご都合主義は論理飛躍を生み、違和感となって感情移入の妨げになる。

アメリカ映画で必要不可欠な、そして筆者が愛してやまないギャグの要素が少ない。

カイロ・レンとルークのライトセーバーによる殺陣に工夫がない。おざなりである。きちんとした殺陣師を起用しているのか? と素人でも疑わしく感じる。

CGで楽しませるだけならマーベル・スタジオ製作の「アベンジャーズ」のほうが何も考えずに楽しめる分、格上である。

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