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大多数の主権者が求めている安倍内閣総辞職 -植草一秀

メディアゴン / 2018年4月17日 7時30分

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植草一秀[経済評論家]

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安倍内閣の退陣を求めて市民が集結した。国会議事堂前に3万人の市民が集結した。安倍内閣は直ちに退場するべきである。退場するべきである理由は三つ。第一に安倍内閣が人の道を踏み外していること。第二に重大な刑法犯罪を実行してきたと考えられること。第三に国民の生活が台無しになっていることだ。

第一の問題は政治以前の問題だ。安倍首相夫妻は籠池泰典氏夫妻と昵懇の関係にあった。安倍昭恵氏は森友学園の教育方針に感涙して新設小学校の名誉校長に就任した。そして、安倍昭恵氏が公務員秘書の谷査恵子氏に指示をして、財務省と折衝させ、10億円の国有地が実質200万円で払い下げられた。

安倍首相は国会で、自分や妻がかかわっていたら総理も議員も辞めると明言した。ところが、この国会答弁後に安倍昭恵氏の関与が明らかになった。すると、安倍首相夫妻は手の平を返す行動を示し、国家権力を濫用して籠池氏夫妻を逮捕、起訴し、不当に8ヵ月以上の長期にわたる勾留を続けさせている。これほどの国家権力の濫用を行った総理大臣が存在するだろうか。国家権力を私物化し、昵懇の間だった籠池氏夫妻を斬り捨てる。人の道を踏み外す行動と言うほかない。

加計学園事案では、加計学園の獣医学部新設の意向を昨年1月までまったく知らなかったとしらを切る。2015年4月に今治市と愛媛県の職員が首相官邸を訪問し、首相秘書官と面会した可能性は100%に近い。この時点で加計学園の獣医学部新設問題は「首相案件」であった可能性も100%に近い。ウソで塗り固めた国会答弁が音を立てて崩れ始めている。

森友にしろ、加計にしろ、安倍首相が政治を完全に私物化している証しである。政策以前の問題なのだ。これだけ事実が明白になっている以上、じたばたせずに内閣総辞職するべきなのである。往生際が悪すぎる。森友事案では公文書が大規模に改ざんされた。決裁された公文書と別に、重要箇所が消去された新しい公文書が作成されたのである。虚偽公文書作成罪に該当するが、この重大犯罪を検察が立件しないなら、検察などは存在理由がない。

大阪地検特捜部自身が、過去にフロッピーディスクの記載内容を改ざんして重大刑事事件として処理されたことを、まさか忘れたわけではあるまい。財務省の大規模な虚偽公文書作成を無罪放免するなら、今後、日本の公文書はいくらでも改ざん自由ということになる。政治権力側の犯罪はすべて無罪放免にし、権力に敵対する者に対しては、犯罪が存在しないのに犯罪をねつ造して犯罪者に仕立て上げる。

北朝鮮も顔負けの腐敗警察国家になり下げっているということである。公文書を大規模に改ざんして、虚偽の公文書を作成したことが明らかになり、しかし、検察がこれを事件として立件しない、すなわち無罪放免にするなら、こうした公文書改ざんが全面容認されることになる。検察は法の適正な運用を確保する番人ではなく、政治権力の番人ということになる。そして、これらの問題で国会の審議時間が空費されるなかで、国民の生活が台無しにされている。

安倍首相はアベノミクスが成功していると強弁するが、安倍内閣の下で日本の主権者の生活が著しく悪化している。経済全体のパフォーマンスを示す経済成長率において、安倍内閣の実績は民主党政権時代を下回っている。主権者国民にとって最重要の経済指標である実質賃金指数が、安倍内閣の下で約5%も減少している。民主党政権時代でもほぼ横ばいで推移した実質賃金が5%も減少しているのだ。

その一方で一握りの大企業の利益が史上最高を更新している。雇用者数が増加し、有効求人倍率が上昇したというが、経済全体が低迷を続けるなかで、資本が経済の果実を独占して、削減された分け前を分け合う人数だけが増えたということに過ぎない。

労働関係諸制度の改変が提案されているが、その内容は、過労死をもたらす長時間残業の合法化、残業代を支払わない賃金制度の拡大、正規・非正規の格差温存をもたらす新制度に過ぎない。つまり、安倍内閣の経済政策は、そのすべてが労働者である主権者国民の利益増大を目指すものではなく、主権者国民の利益を圧縮して大資本の利益増大を目指すものなのである。

安倍内閣の経済政策は主権者国民にとって「百害あって一利のないもの」である。だからこそ、安倍内閣を退場させることが求められるのだ。

[植草一秀の公式ブログ『知られざる真実』はコチラ]

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