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<オダギリジョー脚本・演出・編集>連続ドラマ『オリバーな犬』最終話といういかさま

メディアゴン / 2021年10月6日 7時30分

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高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

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大体、ドラマにおいて、ナレーションで状況説明や、人物説明という、「説明」をするのは最低の手法だと思う。そのことを批判的に扱うドラマにしようとしたのだとしたら、批判には一つもなっていない。

オダギリジョー脚本・演出・編集のNHK連続ドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』。最終話と謳う冒頭、探偵、溝口(永瀬正敏)の人物紹介がナレーションで成されたときから、嫌な予感がしていたが、予感は的中した。

謎フリは一切、回収されずに、アクションシーンに至る。NHKの公式HPには、

(以下、引用)一平(池松壮亮)はオリバーからユキナ(本田翼)が事件に巻き込まれたという知らせを受けるが、警察犬係の仲間は誰も信じてくれない。時を同じくして、宗手(永山瑛太)率いる半グレのもとに警察のガサ入れがあり大混乱となっていた。一平とオリバーは、逃げ出す半グレの1人を尾行。思わぬ場所に辿り着く。かたや、溝口(永瀬正敏)が張り込んでいた関東明神会にも動きが。(以上、引用)

と、通常のドラマのようなあらすじが書いてあるので、これは見る人への裏切りと断定せざるを得ない。結局ドラマは、対立する半グレ集団VS関東明神会、両組織の乱闘になる。

[参考]<オダギリジョー脚本・演出・編集>連続ドラマ『オリバーな犬』はセンスを押し付ける雑貨屋か?

アクションシーンが始まるかと誰もが思うが、始まったのは・・・突如ラップバトルへ。現場に駆け付けた警官も交えてのダンスシーンに。これがかっこいい、あっと驚く痛快な展開だ、と思う人はどれくらいいるのだろうか。このラップに、池松が踊っているスタッフにも「ちょっと何やってるんですか」と声を掛ける。スタッフも踊ると脚本のト書きに書いてあっただろうに、良くこの予定調和のセリフが言えたモノだと思う。最低の楽屋落ち。メタセリフが浮きまくっている。そのあと、アクションシーンに戻るが、

「放送時間が限られていますので、アクションシーンは割愛させていただきます」

というスーパーが出る始末。

「これはドラマでドラマをパロったメタドラマなんです」と言う言い訳は聞くまい。ヌケ(画づくり)は個人の趣味、ドウサ(演技)は、下手。スジ(物語)はめちゃくちゃである。「続きが見たい」という人もいるだろうが、これは開かれた結末ですらないので、もし作りたいのがストーリーで引っ張る続きなら、今回が最終話というのは完全な詐欺である。

松重豊出演ドラマ「孤独のグルメ」のセルフパロディも寒いだけ。全体で何をやりたかったのか、僕には全く理解できない。この『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』で、映画やドラマの未来を感じてほしいという主張なら、映画やドラマに未来はない。

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