<厳戒空港は卒業?>成田空港の通関までの殺風景な「長く不便な道のり」をデジタルサイネージで彩るべき

メディアゴン / 2014年12月18日 1時17分

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー]

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2013年、日本への外国人観光客は1000万人を突破。2014年も11月時点で1000万人を突破して、過去最高を記録することになりました。日本の玄関口となる国際空港には、推定で「成田」が約450万人、2位の「関空」に約180万人の外国人観光客が降り立ちます。

もちろん、この推定は様々なデータから割り出したもので、正確な発表値はありません。国土交通省観光庁が発表しているのは、日本の国際空港利用の外国人旅客のデータ。つまり、トランジットや航空会社乗務員、1年以上の日本滞在者を除いたりしなければ、本当の意味での「外国人観光客」の正確な数字の確定は困難でしょう。

これは、お役所ならではの厳格な数字発表のスタンスです。(註:外国人の利用旅客は往復の合算ですから、トランジットや乗務員を単純に引いても、入国は半数以下になります)

外国人観光客に人気が高い「京都」の玄関口として、LCC(格安航空会社)の積極的誘致で、最近勢いのいい「関空」の運営会社・新関西国際空港株式会社の発表によると、2014年度上期に外国人旅客数が321万人となり、日本人旅客数を逆転したそうです。

民間会社の発表は威勢がいい。しかしながら、観光庁が発表する「成田」の外国人旅客の利用は年間1400万人ですから、「外国人観光客」の半数近くは、LCCも充実する成田国際空港を日本の玄関口としているわけです。

成田国際空港のスポットといわれる駐機場(海外では、ゲートかエプロンと呼ばれている)は現在137あるそうですが、新しく建設された韓国・仁川国際空港や上海・浦東国際空港に比べて、日本入国の通関までは、導線が細い通路で長い上に、エスカレーターの昇降も多く不便です。

しかもそんな細く長い通関までの道のりも、日本の魅力を紹介するような看板もほとんどなく、殺風景そのもの。海外でも活躍する日本の広告代理店の社員たちが、このスペースに気づかずに放置しているとは考えられません。成田国際空港は、その建設の経緯もあり、道路で検問もある「厳戒空港」だからでしょうか、何か規制でもあるのかと、筆者は穿った憶測をしてしまいます。

例えば、沖縄の那覇空港に到着すると、南国・沖縄らしいカラフルで明るい観光地やショッピング、グルメの看板に迎えられ、リゾート気分が高まります。日本の玄関口・成田国際空港も、2020年の東京オリンピックを控え、多くの外国人観光客を迎えることになるわけですから、通関までの不便な導線通路を、せめてデジタルサイネージなどで彩り、観光のワクワク感あふれるもの、或いは先端技術を示すものに変えて欲しいものです。

先日のメディア・ゴンの記事「<持たざる者こそ最先端に強い>タイの空港の入国審査場には23台のデジタルサイネージ 」によれば、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港の入国審査場には23台のデジタルサイネージが設置されているそうです。「持たざる者こそ最先端を導入しやすい」とするならば、成田国際空港はある意味「持たざる者」ともいえます。

到着便にあわせた言語で、外国人観光客の到着をデジタルサイネージでお迎えすれば、殺風景で長く不便な通路も、日本の魅力満載の入国ゲートに早変わりです。日本の「おもてなし」は「成田」をはじめてとする国際空港からスタートしてはいかがでしょうか。

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