なんと内定率96.7%!知られざる男子医学生の就活実態【後編】

Menjoy / 2012年7月20日 19時0分

前回は、一般にはあまり知られていない医学生の病院見学と、選考試験についてご紹介しました。

女子医学生の場合、結婚や出産など、とくにしっかりとライフプランを設定する必要がありますから、ここまでが男子学生よりも重要なプロセスであると言えますね。

さて、今回は引き続き【後編】として、医学生全体の96.7%という驚異の内定率を支える“マッチング”制度について説明していきます。

 

■“マッチング”とはなにか

厚生労働省の関連機関である『医師臨床研修マッチング協議会』によれば、“マッチング”とは、

「研修医マッチング(組み合わせ決定)とは、医師免許を得て臨床研修を受けようとする者(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムとを研修希望者及び研修病院の希望を踏まえて、一定の規則(アルゴリズム)に従って、コンピュータにより組み合わせを決定するシステム」

です。

要するに、前回の記事で紹介した選考試験によって病院側がつけた“採りたい学生の順位”と、学生側がつけた“入りたい病院の順位”を、中立の機関が見比べて、どの学生がどの病院に採用されるのかを決定する、というシステムです。

内定率はほぼ100%とはいえ、実際にはお互いにシビアな順位がついているのです。

このあたり、やはり医療は理想だけで語れません。医学生の人格と学力を病院が見極め、その志望に折り合いをつけるためのシステムとも言えます。

実際には、自ら手をかけて学生を育てた出身大学の医学部附属病院では、そこに採用されない“アンマッチ”の状態になることがほとんどありません。

つまり、はじめから出身大学の医学部附属病院を志望していれば、わりと落ち着いた就活になるのです。

研修医が不足している病院をあえて志望する場合も同様ですね。これらの場合、マッチングは医学生にとって非常に有利です。

一方、就活が厳しいのは前回の記事でも紹介したような人気の病院で、ここでは学生が病院の“採りたい学生順位”を上げるために、試験や面接の対策を綿密に行うことになるでしょう。

ここでアンマッチになると、第二、第三希望の病院に落ち着くということになります。

 

■実は“マッチング”が終わっても安心できない

このマッチング、卒業年度の6月にはじまり、10月には組み合わせの結果が発表されます。

一方、医師国家試験は2月に行われ、発表は3月です。これは一般的な就活の“内定”の状態に似ていますよね。

しかし、一般と違うのが、医学部の卒業試験、そして医師国家試験がそれなりに厳しいこと。

卒業試験の成績が悪ければ、国家試験を受けるまでもなく留年となり、また、医師国家試験は一部相対評価が導入されているため、どれほど勉強しても絶対に合格する保証はないのです。

希望の病院にマッチしていても、医師になれなければ、“内定取り消し”の状態は避けようがありません。

そのために、一般的な医学部では、6年生は春くらいから卒業試験と国家試験、そして病院の選考試験の勉強に専念することになるわけです。

ここで話は、前回の記事の冒頭に戻ります。医学生は医学部を卒業し、医師国家試験に合格し、並行して就職活動をこなして、はじめて医師になるわけです。

なかなか複雑ですが、この仕組みによって、医療現場に医師が供給されているのですね。

 

いかがでしたか? 実際に現場の医師に聞いてみると、最近では人気の病院で研修をしても、結局出身大学の医学部附属病院や、出身地近辺の市中病院に戻る医師も多いのだとか。

各病院の研修制度や、サポート体制もどんどん充実していますから、“医師不足”の現状が少しずつでも好転してくれることを切に願います。

一般の就職活動とは大きく異なる、医学生の就活事情、みなさんはどう感じましたか?

 

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【参考】

医師臨床研修マッチング(研修医マッチング)について – 医師臨床研修マッチング協議会ホームページ 

組合せ決定のアルゴリズム図解 - 医師臨床研修マッチング協議会ホームページ

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