サウジアラビアは35年ぶりの映画館解禁。映画を自由に観ることができない国があるって本当?

進路のミカタ / 2018年4月20日 12時3分

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皆さんの中には、話題の映画を観るためによく映画館へ行くという人も多いのではないでしょうか。映画を自由に観ることができる日本とは違い、政府が上映する映画を厳しく制限している国があることをご存じですか? ある国では、実に35年ぶりに映画館の営業が解禁される見通しとなりました。そもそも禁止された理由は何だったのでしょうか?

■上映禁止の理由は、宗教と関係アリ?

映画館の営業が禁止されていた国は、西アジアに位置するサウジアラビアです。サウジアラビアでは、1970年代には映画館の営業が認められていましたが、現在は政府の方針で禁止されています。その理由は宗教上の問題にあるようです。

サウジアラビアでは、国民の多くがイスラム教を深く信仰しています。イスラム教には男女の過ごし方や娯楽など生活習慣について厳しい決まりがあり、国による政策もこうした宗教観を反映しています。1980年代初期からは特に規制が厳しくなり、公的な場所で男女が一緒に過ごすのはよくないとして、それまであった映画館は廃業になってしまったのです。

しかし、このたびムハンマド・ビン・サルマン皇太子が主導する近代化政策の一環で、2018年3月を皮切りに300施設を超える映画館が順次オープンする予定なのだとか。

とはいえ、映画館の解禁でようやく好きな映画が観られると喜ぶのは少し気が早いかもしれません。政府は、国の価値観やイスラム教に基づいて法律に合った映画のみ、上映を認める方針です。つまり上映される映画は制限される可能性があるのです。今後、自由に映画を楽しめるようになることがあれば、サウジアラビアの人々の娯楽は大きく変わりそうですね。

■映画を観るのもダメなら、撮るのもダメな場合も!?

サウジアラビア以外でも、海外には政治的な理由から映画の上映だけでなく、制作さえ禁止となるケースがあります。例えば、イランのジャファル・パナヒ監督は2010年、自身が手掛けた映画作品が「反体制的」などの理由で逮捕されました。アメリカのスティーヴン・スピルバーグ監督ら、名だたる著名人たちの嘆願や本人の努力で保釈が実現しましたが、政府は20年間の映画制作禁止の他、脚本執筆、出国すら禁じました。

また、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督は、海外からの評価が高く、日本でも作品が上映されるなど人気を集めている監督ですが、その作品には現代のタイの政治的な描写や皮肉が交えられているとされ、タイ国内での上映は禁止とされています。私たちにとっては普通の娯楽作品でも、国によっては見方が全く異なることがあるのですね。

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