【シゴトを知ろう】車輌開発エンジニア 編

進路のミカタ / 2018年7月11日 12時18分

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車や電車、飛行機など私たちが交通機関として使う乗り物は、日々スピードや耐久性、安全性、乗り心地といったさまざまな性能が進歩しています。その進歩は、乗り物の細部にまで至るパーツの開発や研究を行う車輌開発エンジニアの力があってこそ。トヨタ自動車で車の開発責任者をしている金子將一(しょういち)さんに、車輌開発エンジニアとしての仕事の楽しさや苦労などについてお話を伺いました。

■初めての技術を世に送り出すのは困難。でも、乗り越えた時の達成感は大きい

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

社内では「Zチーム」と呼ばれる技術系の中の開発を統括する部署にいて、トヨタ・プリウスPHVの開発責任者をしています。Zチームはその中にそれぞれの車種のチームがあり、私は現在、プリウス、プリウスPHV、プリウスα(アルファ)の開発を統括している5人のメンバーのうちの1人です。その5人があらゆる判断を行って商品を企画する部署や設計を担当する部署などへ指示を出し、車の完成や完成後の責任を持ちます。

プリウスのように生産台数が多く、また世界90カ国以上で販売されているような車の場合、商品を企画する部署、設計を担当する部署などたくさんの部署が関わってきます。設計部署の中でもボディ、シャシー(*1)、エンジン、ハイブリッド、電池などに分かれていて、それらを評価する部署もあります。開発の最終段階になると、車の試作を行うための試作部、最後の品質を担保する工場、生産技術に携わる部署、国土交通省に認可を取りに行く認証業務を行う部署などが関わってきます。車輌開発責任者とは、それらのさまざまな部署を統括する非常に責任の重い立場になります。

だいたい8時、早い時だと7時くらいから仕事を始めます。22時まで仕事をしているので超ブラック企業だと思われるかもしれませんが、私がいる部署が少し特殊なだけで、弊社の社員全員が長時間働いているわけではありません(笑)。他の部署の社員は18時前後には帰れます。


*1 シャシー:車のエンジンやボディ部分を除いた足回り機構などのパーツ全体のこと。

<ある一日のスケジュール>
08:00 出社、書類の回覧、市場で出ている不具合などのデジタルデータなどをチェック
09:00 会議(30分刻みで会議が続くことも)
12:00 昼食
13:00 Zチームのメンバー5名で情報共有を行う
14:00 会議
15:00 試作車を見て議論、検討
16:00 生産現場(工場)でミーティング
17:00 会議
19:00 実務
22:00 退社


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

車は開発期間が3~5年と長く、その間にいろいろな人と関わって仕事をします。弊社が初めて世に送り出そうとしている技術もたくさんあるので、常に多くの困難が取り巻いている状況です。その困難をチーム全員で乗り越えた時や実験でいい結果が出た時はとてもうれしいです。徹夜しながらみんなで苦労して設計した車の安全性をテストして、いい結果が出た時も非常に達成感を感じます。困難な条件が多いほど、その車に携わる全員が一丸となって同じ方向を向いて、そのような感覚を味わえる瞬間が特にやりがいを感じます。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

トヨタ自動車のように大きな会社や組織だと人間関係が難しいのではないかと心配される方が多いのですが、私は非常にいい上司や同僚、部下に恵まれてきたので、社内の人間関係で悩んだことはあまりないんです。

ですが、仕事の実務面ではいろいろと大変なことがあります。車を開発する上でどうしても避けては通れないのがコスト面での大きな制約で、長年温めてきた構想が決められた予算の条件をクリアできず、あきらめざるを得ない場合はとてもつらいです。また、仕事が忙しくなると帰宅するのが遅くなることもあるので大変です。

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