「いただきます」は単なるあいさつではない? 感謝の心を育む日本の文化

進路のミカタ / 2019年5月23日 12時10分

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普段何気なく使っている、「いただきます」や「ごちそうさま」。どんな意味があるか知っていますか? 実は、この日本語特有の食事のあいさつには、日本の文化や考え方が大きく関係しています。ここでは、「いただきます」や「ごちそうさま」の語源や、込められた意味を紹介します。

■「いただきます」の意味

「いただきます」の語源は、「もらう」や「食べる」の謙譲語である「いただく」です。神仏へお供えしたものや、身分の高い人からものを受け取るとき頭の上(頂・いただき)に掲げる動作に由来します。

食事ができるのは、さまざまな人のおかげです。毎回の食事には、お米や野菜を作ってくれた人、動物を飼育してくれた人、料理をしてくれた人など、多くの人が関わっています。その全ての人への感謝を込めて「いただきます」とあいさつをするようになりました。

また、「いただきます」には、食材への感謝の気持ちも含まれています。肉も野菜も、「命」で、私たちは、他の生き物の命をいただいて生きているのです。

あいさつをする際に頭を下げるのは、頭の位置を低くすることにより敬意を示し、命をいただくことへの懺悔の気持ちを表しています。手を合わせる「合掌」も、もともとは仏教圏でのあいさつで、相手への深い敬意を表します。

■「ごちそうさま」の意味

「ごちそうさま」は、漢字にすると「御馳走様」です。「馳」と「走」は、どちらも「走る」という意味があり、「馳走」と2つの字を重ねることで食事を出すために食に関わる人が走り回る様子を表しています。

食材をそろえるのがとても大変だった昔に比べて、現代ではスーパーマーケットに行けばたくさんの食材が並んでいるため、簡単に手に入るように感じられるかもしれませんね。
しかし実際には、現代も私たちの見えない所でたくさんの人が走り回っています。例えば、食材を育てる農家の人や食材を輸送する人、加工する人、スーパーマーケットで働く人、お金を稼ぎ食事を準備する家族です。そのため、準備してくれた多くの人たちへの感謝を表現するために「様」を付け、「ごちそうさま」と言うのです。

■「いただきます」と「ごちそうさま」にみえる日本人の感謝の心

「いただきます」や「ごちそうさま」は、ただのあいさつや単なる食事前後の決まり文句ではありません。物があふれている現代では忘れがちな、食事ができるのは当たり前ではない、ということを思い起こさせてくれるあいさつです。これらの言葉には、日本の文化や日本人の考え方が反映されていますので、習慣だけでなく、その背後にある精神もしっかり受け継いでいきたいですね。

さまざまなあいさつや表現の語源や意味を知ることは、日本の文化を知ることにもなり、世界と関わる際にも役立つでしょう。日本語や日本語に関わる日本文化に興味があるなら、「語学(日本語)」を学んでみてはいかがでしょうか。

【出典】
AllAbout|そうだったのか!「いただきます」本当の意味
https://allabout.co.jp/gm/gc/390299/

1万年堂ライフ|ルーツは仏教「いただきます」の深くて大切な意味とは
https://www.10000nen.com/media/6938/

パピマミ|子どもに教えよう!「いただきます」と「ごちそうさま」の本当の意味
https://papimami.jp/534/

東洋経済ONLINE|「いただきます」の日本語に隠された深い真意
https://toyokeizai.net/articles/-/149451

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