銀行、ネット銀行、郵貯、地銀…FP独自の目線で使い分けを考える

MONEYPLUS / 2019年5月5日 18時0分

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銀行、ネット銀行、郵貯、地銀…FP独自の目線で使い分けを考える

初めて金融機関で口座を開いたのは、どのようなきっかけだったでしょうか。お年玉を預けるために近所の郵便局で開設した人もいるでしょう。アルバイトを始めた時に指定された銀行だったので選択の余地はなかった人や、スマホでネット銀行がキャンペーンをやっているのを知ってなんとなく口座を開いた人など、さまざまな場合があります。

しかし、改めて考えてみると金融機関にはいろいろな種類があります。銀行、信託銀行、ネット銀行、郵貯、地銀、JA……これらはどのような違いがあり、使い分けをすればいいのでしょうか。今回は、金融機関の種類と選び方を著者が考えてみました。


金融機関はライフスタイルに合わせて2つに絞る

金融機関は、1カ所だけだと何かあった時に心配です。たとえばキャッシュカードを失くしてしまったり、暗証番号を忘れてATMが使えなくなったり、臨時休業していたり。複数の金融機関に口座を持っていれば回避できることもあります。

かといって、数多くの金融機関に口座を持ちすぎると管理が行き届かなる危険があるのでオススメできません。

また、金利やATM手数料無料などの特典は口座残高によって決められることが多いので、まとめておくほうがいいのです。

そこで著者のおすすめは、金融機関を2つ選び、ひとつは生活費を管理する口座、もうひとつは貯蓄用の口座を作ることです。

生活費用の口座は利便性を重視して選びます。給与振込や水道光熱費やクレジットカードなどの引き落としなどをまとめて管理して、通帳記入をすれば家計簿代わりにすることもできます。

貯蓄用の口座は金利を重視して選びます。給与などの収入があったらすぐに、毎月一定金額を移動しておくと計画的に貯蓄をしていくことができます。では、どのような金融機関を選べばよいのか考えてみましょう。

都市銀行:メガバンクは安心感?給与の振込など身近に使われる

【日常生活向け】
都市銀行の口座は、日常生活用のお金を管理するのに適しています。給与の振込み口座にしている人も多いのではないでしょうか。

その中でも都市銀行と言われるものは大都市に本店を構え、全国各地で銀行業務を行っています。メガバンクと言われる大手都市銀行は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行です。これに、りそな銀行を加えて4大メガバンクと呼ばれることもあります。

メガバンクの預金金利は決して高いものではなく、お金を預けるには有利ではありませんが、全国区のネームバリューと安心感があるため根強い人気です。

給与の振込口座にしているなら、都市銀行の預金口座は生活費の管理口座として持ちましょう。都市銀行は、金利が低いだけではなく、自行のATMが無料で使える時間が限られていたり、他行へ振込手数料が高かったりと、不便に思うこともありますが、各行の手数料優遇サービスをチェックして、計画的に使えば問題はないでしょう。

地方銀行:地方銀行は地域密着型サービスが特徴

【日常生活向け】
地方銀行の口座もまた、日常生活用のお金の管理に適しています。地方銀行は地方都市に本店を構え、地域に密着したサービスを提供します。地元の中小企業や、個人商店などと取引をして、資金調達として貸し出しをすることもあります。

地方銀行を個人が利用する時に注目したいのは、独自の金利優遇キャンペーンなどです。地方銀行は、地域に密着しているという特徴から、地元の学校などがPTA会費の引き落とし口座に指定していたり、地元商店などが給与の振込先に指定していたりします。

その場合は口座を開設することに選択の余地はありません。せっかく口座を開設するのであれば、おトクな時期を狙いたいですね。年度がわりは、金融機関で口座を開設する人が増えるので、それに合わせて金利アップのキャンペーンなどがないか、ポスターやウェブなどでチェックしてみるといいでしょう。

ネット銀行:スマホとコンビニATMで自由自在

【貯蓄向け】
インターネット銀行(=ネット銀行)は金利が高めなので貯蓄用の口座に向いています。メガバンクの普通預金の金利は0.001%、定期預金でも0.01%です(2019年3月現在)。ところが、ネット銀行なら0.1%など、メガバンクの普通預金とくらべると100倍もの差があるからです。

最近では、ネット銀行を利用する人が増えています。スマホからでも口座開設できる手軽さも要因のひとつでしょう。現金は、提携のコンビニのATMから引き出せるのも便利です。

忙しいと平日の昼間に銀行に行くのは大変です。預ける金額によって、無料の引き出し回数や、振込回数があるので、賢く使えば土日、夜間など時間と場所を選ばないネット銀行はとても便利です。

ただし、貯蓄用口座にするならキャッシュカードは持ち歩かず、普段は引出さないようにしておきたいところ。貯蓄方法としては、給与振込みを設定している生活費用の口座から、毎月無料で一定額を自動入金するサービスもあります。一度設定をしておけば、毎月自動的に貯蓄用口座に貯めていくことができます。

自動入金サービスは、銀行によってサービス名称が異なります。住信SBI銀行やじぶん銀行では「定額自動入金サービス」、ソニー銀行では「おまかせ入金サービス」となっています。ネット銀行と同様に、地方銀行のインターネット支店も注目されています。

池田泉州銀行インターネット支店や、香川銀行のセルフうどん支店、トマト銀行のももたろう支店などは定期預金の金利が高めになっています。

ゆうちょ銀行:日本全国の支店網が強み

【日常生活向け】
ゆうちょ銀行は、日常生活のお金の管理に適した特徴があります。ゆうちょ銀行は、2007年の郵政民営化によって誕生した銀行で、その規模は日本最大です。銀行がなくても郵便局はある、という地域は少なくありません。また、駅や役所、ショッピングセンターなどにもATMが設置され、利便性のよさはダントツです。

都会に住んでいるとあまり実感しないかもしれませんが、地方に出張や転勤、または家族が住んでいてお金のやりとりをよくする、ということであれば、ゆうちょ銀行のネットワークは頼もしいですね。

また、ゆうちょ銀行の窓口業務は、16時までと一般的な銀行よりも1時間長いのも助かります。

ゆうちょ銀行は、前身の郵便局時代に利用されていた商品名がまだ残っているので、銀行では普通預金、定期預金、ゆうちょでは普通貯金、定期貯金となっています。

また、口座番号が記号と番号で表されることも、郵便局時代から続いていたこと。ほかの銀行とは違う、特別な金融機関に思えるのは、このような時代背景があるからのようです。

信託銀行:銀行の三大業務に加えて、信託業務を行う

【富裕層向け】
銀行の三大業務は、預金、融資、為替です。預金は、普通預金や定期預金などでお金を預かること。その集めたお金を融資にまわし、金利を稼ぐことも銀行の大切な業務です。そして、振込・振替などの決済業務が為替です。

信託銀行では、これらの三大業務に加えて信託業務を行っています。信託業務とは、個人や法人から委託を受けて、お金などの資産を管理・運用すること。資産には、株や債券などの有価証券や土地などの不動産も含まれます。

さらに、併営業務といって、遺言の保管や遺言執行業務といった相続に関連した業務なども行っています。そのため、信託銀行というと富裕層向けというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

信託銀行は、日常生活用のお金の管理というよりは、資産活用の相談ができる金融機関として活用するとメリットを活かせます。

JAバンク:農業協同組合は農家の暮らしをカバー

【日常生活向け】
JAバンクは日常生活向けですが、農家の生活を前提にサービスなどが用意されていることを踏まえて利用したい金融機関です。

JA=農業協同組合は、相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合です(JAインターネットサイトより)。

農家である正組合員とその家族が主な顧客層ですが、それ以外の人でも貯金やローンの利用ができるようになっています。

JAは金融だけではなく、農家が生産した農産物の販売をしたり、農家に肥料や農業機関を売ったり、燃料のガソリンを供給したり、さまざまな分野から農家の暮らしを支えています。

それらの代金の決済をJAバンクの口座からで行えるなど、農家にとって便利に利用できるシステムがとられていることが特徴です。

JAバンクは各地域にありますが、独立採算制で金利も各JAによって異なります。近くのJAバンクの金利などを他金融機関と比較して有利であれば、農家ではなくても利用する価値はあるでしょう。

個人が持つ口座は「生活口座」と「貯蓄専用口座」

金融機関は多種多様にありますが、個人が持つ口座としては2つあれば安心です。まとめ過ぎてもいけませんし、分け過ぎるのもよくありません。生活費用にひとつ、貯蓄用にひとつ、ライフスタイルに合わせて選び、おトクに使っていきましょう。

(タケイ啓子)

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