「バリキャリだから結婚は先延ばし」が言い訳に過ぎないワケ

MONEYPLUS / 2019年4月17日 18時0分

写真

「バリキャリだから結婚は先延ばし」が言い訳に過ぎないワケ

「そろそろ結婚はしたい。でも、目の前の仕事が忙しくて、面白くて、資格取得までは……」と、結婚に向けた取り組みをなんとなく先延ばしにしているかもしれない。そんな女性を少なからず見聞きします。

結婚して子供でもできたら、結局、女性が仕事を辞めることになるのではないか。私のお母さんもそうだった、もしくは、私のお母さんは専業主婦として育ててくれたから両立は困難かもしれない――。

そうしたイメージが結婚への取り組みの先延ばしを生んでいるのだとしたら、実際にはどの程度両立、もしくは非両立が発生しているのかについてデータ確認しておく必要があるでしょう。今回は国の最新データから、子供がいる女性がどれくらい働いているのかを紹介しつつ、その実現可能性を考えたいと思います。


18歳未満の末子がいる母親の就業率は7割

今回使用するのは、厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」のデータです。同調査に掲載されているデータは2017年の状況になります。最初に、子供の数を問わず一番下の年齢の子供(末子)が18歳までの世帯における、親の就業状況を見てみたいと思います。

図1

1万1,734世帯への大規模調査結果になりますが、そのうちの58.7%が共働き世帯です。シングルマザー世帯を含む母親のみ働いている世帯の1,197世帯も合わせると、母親の就業率は68.9%で、8,000世帯を超えています。

一方、父親だけが働いている割合は27.8%となっています。もちろん個別の事情はありますが、母親になったからといって就業が難しい、と簡単にいえる状況ではなさそうです。

子供が小さいうちは働けない?

ただ、末子が18歳までの子供のいる世帯データとなると、末子に中学生も高校生も含まれます。ですので、子供が小さいうちは働けないのではないか、という疑問が出てきます。そこで、次に6歳未満、つまり小学校就学前の末子がいる世帯のみについて、親の就業状況を見てみたいと思います。

図2

6歳までの小さな子供がいる4,740世帯での共働き割合は53.7%でした。18歳までの子供がいる世帯の58.7%と比べると5ポイントの減少とはなりますが、子供が大きい世帯も含めた割合と比べて、そこまで大きな差が見られません。

ただ、子供が小さいうちは母親のみが働いている世帯が230世帯・4.9%(うち、ひとり親97世帯)と少なく、一方、18歳までの子供がいる世帯では1,197世帯・10.2%(うち、ひとり親682世帯)と、両者の開きが確認できます。

この影響で、子供が小さい世帯のほうの共働き世帯と母親のみ就業の世帯を合計した母親就業世帯率は58.6%となり、全体よりも10ポイント強低下します。

これは、子供が小さいために母親就業率が10ポイント低いというよりも、子供がある程度大きくなってから離婚や死別などでシングルマザーとなり、働く女性が多くなる傾向があるための影響が、その半分を占めているということになります。

奴隷になったら本当に愛されない

データから見るならば6割から7割程度の母親が働いていますので、結婚後に子供ができたら働き続けることは難題である、とはいえません。しかし、子供ができても仕事の内容や職場を変えずに済むかどうか、という重要情報をこのデータは示していません。転職リスクや非正規への変更リスクは不明です。

では、今の仕事が忙しい、面白い、資格を取りたい、となった場合、結婚や子供を持つことを諦める、または先延ばしにしよう、ということになるのでしょうか。

『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』(講談社刊)が、結婚相談所の関係者や結婚に向けた活動をしている女性に大人気のようです。日本人で唯一の大統領夫人であるデヴィ夫人は、日本の女性が「愛情=男性に尽くすこと、いいなりになること」と勘違いして奴隷のようになってしまうことは、幸せにはなれない、男性から本当には愛されない結果につながると警告しています。

この警告と、最初に書いた「『そろそろ結婚はしたい。でも、目の前の仕事が忙しくて、面白くて、資格取得までは……』と、結婚に向けた取り組みをなんとなく先延ばしにしているかもしれない女性が少なくない」は根底で同じことを示していると思います。

大切なのはパートナーとの交渉

仕事のために結婚を諦める・先延ばしにする、というのは、そもそも「パートナーとなる(かもしれない)男性に、自分の仕事・生き方についてしっかりプレゼンし“互いの仕事の折衷案を考えて”結婚・出産・育児をプロデュースするための交渉を女性が行うことを放棄する」という前提があります。

つまり「彼の協力はありえない女性の仕事と家庭の両立発想」から来る諦め、または先延ばし行動なのです。

「男女が対等な結婚」には当たり前の2人の間のライフデザイン交渉なのですが、なぜか「もし男性の仕事が忙しいと無理だから」「もし男性が資格取得中だったら無理だから」「男性には家事育児は期待できないだろうから」という発想を当たり前として、自らの結婚行動を先延ばしにする女性がたくさんいます。

一方、男性はどうでしょうか。そういった視点で結婚を考える男性はあまり見かけません。むしろ、本格的に忙しくなるのでもう遊べないし、そろそろ結婚はしておきたい、という考えは見聞きします。男性と女性では、まったく逆の発想です。

昨年、ライフデザインに関する講演会で、「バリキャリウーマン」という言葉に憧れ、「なので結婚はいいです」と思っていたという女子大生がいました。しかし、夫婦で「バリキャリかつ子供がいる」という家庭を知って、「やはり結婚はしたいです」とライフデザインを変更しました。

活躍したいと言いつつも、いつの間にか結婚に関しては、その前提の恋愛も、結婚も、結婚後の出産も育児も「彼の都合がメインで私がサブ」を前提としてしまっている女性が多い日本。仕事を理由に結婚を先延ばしにしている時点で、対等な幸せを諦めている、自ら遠ざけているのだと気がついてほしいと思います。

(天野馨南子)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング