赤字なのにiDeCoを開始、家計に協力しない無計画な夫

MONEYPLUS / 2019年4月21日 18時30分

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赤字なのにiDeCoを開始、家計に協力しない無計画な夫

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、2人目の子供が欲しいけれど生活していけるのか不安だという32歳の主婦。なんとかしようと思っているのに夫の協力は得られず、赤字家計にもかかわらず夫は勝手にiDeCoを始めてしまいます……。FPの横山光昭氏がお答えします。

もう一人、子供が欲しいと思っています。ですが家計は毎月赤字で、貯蓄も増えていきません。今の子供の教育費の準備も心配ですし、このままで生活していけるのかなという漠然とした不安もあります。もっと支出を見直して締めていきたいと思うのですが、夫が「何とかなるだろう」といい、協力してくれません。そもそも、夫が欲しがって、無理をして住宅を購入したことも失敗だったような気がします。夫は先日、急に「老後のことも計画的に考えなくてはいけない」と思ったそうで、個人型確定拠出年金の投資を勝手に始めてしまいました。おかげで赤字は3万円にもなってしまい、ボーナスも生活費の補てん、住宅ローンのボーナス払いと買い物で、ほぼ残りません。なんとかするには、どうしたらいいのでしょうか。夫に家計のことを理解してもらい、協力してもらう方法はないでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、32歳、既婚(夫:36歳、会社員)、子供1人(2歳)
・職業:フリーライター
・手取り世帯月収:29.8万円
(夫:27.8万円、妻:2万円)
・手取り年間ボーナス:100万円
・貯蓄:70万円


【支出の内訳(32.6万円)】
・住居費:7.5万円
・食費:4.1万円
・水道光熱費:3.3万円
・通信費:2.1万円(スマホ2台、固定電話)
・生命保険料:1.1万円(学資保険のみ)
・日用品代:1.3万円
・自動車ローン:1.9万円
・自動車関連費:2.1万円(ガソリン、保険)
・お小遣い:2.5万円
・確定拠出年金:0.7万円
・その他:6万円


横山: ご主人の協力がなく、家計が赤字になっているのですね。ご夫婦間でお金の話が十分にできていないご家庭は多いものです。早く共有ができ、一緒にどういうことにお金を使い、貯めていくのかの方針を持てると良いですね。

夫には家計収支を「数字」で見せる

支出の仕方について、ご主人の協力が得られないのですね。日本は昔から男は稼ぎ、家計は女性が管理するというスタイルでしたので、そのように捉えている男性も多いのかもしれません。ですが、ご主人と家計の共有ができないと、いろいろな不安材料が消えにくいですし、節約したい部分の節約ができない場合も多く、すれ違い感が強くなってしまいます。家計管理上、そういったお金の面で共有ができていない状態は良くなく、共有ができなければなかなか改善に向かうことができないものです。

男性は感情に訴えてもなかなか興味を持つことがないようですが、「数字」で見せると興味を持つ場合が多いようです。エクセルなどで細かく家計簿を記録することが得意な人が多いようなので、相談者さんも、まずは支出状況を数字でご主人に見せてみましょう。

あるお客さんは、毎月の家計状況を大きな紙に書いて壁に貼り、いやでもご主人の目に入るようにしたところ、すぐに反応はなかったものの、数ヵ月後に「こんなに赤字続きで大丈夫か、小遣いを減らそうか」と話してくれるようになったそうです。見ていないようでも見ていたんですね。数字だと大変さがわかりやすいのだと思います。この方のように貼り出すまではしなくてもいいですが、家計簿の収支を数字で見せて、反応をうかがってみてください。

赤字家計なのにiDeCo、支出の矛盾を夫と一緒に考えて

相談者さんの家計を黒字化させるには、まず収入の半分以上を占めるであろう固定費を見直すことです。今のままでは家計の自由度が少なく、節約にも限界があります。この状況はご主人にも理解していただきたいところです。今のままでは流動費を節約するしかなく、食事が質素になったり、電気や水道などをあまり使わない努力が必要だったり、「苦しい」と感じざるを得ない暮らしぶりになる可能性があります。

自動車ローンの状況によっては繰り上げ返済をしたり、もし交通の便がある程度よいのなら、マイカーは手放してカーシェアリングなどの利用を検討することもひとつの方法です。また、通信費の大部分を占めるスマートフォンの料金は、通話が多くないようであれば格安スマホに変更して支払額を減らしましょう。節水グッズやLED電球を使い、水道光熱費を下げることも可能だと思います。

気になるのは保険とiDeCo。ご夫婦の医療保障、死亡保障は何もなく、お子さんの学資保険だけという今の状態は、危険だと思います。貯蓄も少ないので、もし予期しない病気やけがで入院、通院が必要になったら、支払い面でとても困ってしまうと思います。万が一ご主人が亡くなってしまったら、生活費の補てんをするものも遺族年金以外にありません。十分な生活ができなくなる可能性があります。保険については加入の検討が必須です。

また、赤字家計であるのにiDeCoを始めるのは、実は本末転倒な話。赤字を作り、貯蓄が不十分なままで支払いを続けるべきなのか、きちんと検討してから始めてほしかったと思います。iDeCoは一度始めるとやめることができません。今かけているお金は、60歳になって初めて受け取れるものです。所得税、住民税が安くなるなどメリットも多いのですが、赤字でボーナスからも貯蓄ができない現状では、単に固定費を増やして生活を圧迫しただけです。こういったところまで、ご主人とお話ができるといいですね。

家計管理は、やはり「夫婦で」が基本

こういった部分だけでもご主人に理解してもらえると、家計や家庭の資産全体に興味を広げてもらえる可能性があり、徐々に良い方向へ変化していけるケースを多く見かけます。次第に相談者さんのやりくりの甘さも指摘してくれるようになるかもしれません。

iDeCoを始めるという点を見ていると、ご主人はお金に対して興味を持っているようにも思えます。世の中、お金の情報は様々に飛び交っています。今後も良い制度、良い情報が出てくるかもしれませんが、新しいものに飛びつくのが良いことではなく、メリット、デメリットを考えて、選択できるようになっていただけると良いですね。

また、妻だけが一人でがんばると、空回りしたり、客観的に見れずに支出が偏ったりということもあります。支出ひとつずつについて、よいかどうか話し合える、そんな環境を作ってほしいと思います。

ご主人と話し合いができ、貯蓄が順調にできれば、お子さんをもう一人生んでも心配はないと思いますよ。少しやりくりが難しいなと思っても、夫婦で話し合って工夫して乗り越えられるはずです。まずはご主人に「家計を数字で見せる」ところから、ぜひ取り組んでみてください。

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(横山光昭)

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