つみたてNISA・iDeCoの利益が出ているときはどう行動すべき?

MONEYPLUS / 2019年6月15日 18時30分

写真

つみたてNISA・iDeCoの利益が出ているときはどう行動すべき?

つみたてNISA(積立NISA)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)では、購入する商品と金額、そして購入頻度を決めれば、あとはそれにしたがって自動で商品を買い増していくことができます。
しかし、買ったあとは「手動」です。つまり、売るタイミングは自分で決めなくてはいけないのです。

ではもし、つみたてNISAやiDeCoで利益が出ているとしたら、どんなタイミングで売る(利益確定する)のがいいのでしょうか。注意すべきポイントと合わせてご紹介します。


つみたてNISAは相場に一喜一憂せず「売らずにそのまま保有」

つみたてNISAから見てみましょう。つみたてNISAでは、毎年40万円までの投資で得られた利益にかかる税金(運用益の約20%)が最大20年間非課税にできます。

つみたてNISAの場合、筆者は基本的には売らずにそのまま保有しておくのがいいと考えています。なぜなら、せっかく20年間非課税で投資できるのに、途中で売ってしまうと残りの非課税期間を活用できなくなってしまうからです。また、資産の特性として、株やFXのように短期間で大きく儲けるというよりは、時間をかけてコツコツと利益を積み上げるのが投資信託です。

相場が上がるだけでなく、下がることもあります。相場の上げ下げに一喜一憂せず、淡々と積立を続けていくのが良いと考えます。

株式市場では、おおよそ5年から10年の周期で、大きく下落するタイミングがありますが、金融庁もつみたてNISAの資料の中で、20年間保有すると運用成果は年率2%〜8%の間に落ち着くとデータを示しています。

また、先の話になりますが、非課税期間が終わる直前に慌てて売る必要もありません。20年の非課税期間が終わると、自動的に課税口座(一般口座や特定口座)に移行されますが、移行時にそれまでの利益に課税されることはありません。

とはいえ、購入当初の貯める目的が達成できたのであれば、もちろん利益確定してもいいでしょう。教育資金、住宅資金、老後資金…つみたてNISAでお金を貯める目的は人それぞれです。目的としているライフイベントが起こったタイミングで利益確定をすればいいのではないでしょうか。

iDeCoも基本的には「ほったらかし」がおすすめ

続いてiDeCoです。iDeCoでは、60歳までの間に掛金を少しずつ出し、投資信託などで運用を行い、その成果を60歳以降に受け取ります。掛金を出すとき、運用しているとき、受け取るときのそれぞれで税制優遇が受けられる点もメリットです。

iDeCoでは、利益が出たから売るというよりは、リバランスのために売るということがあります。リバランスは、持っている資産のバランスを取り直すことです。

たとえば下の図のように、当初は4つの投資信託を同じだけ持っていたとします。しかし、時間がたつにつれて、値上がりする投資信託と値下がりする投資信託が出てきます。

こんなときに、値上がりした投資信託を売って、値下がりした投資信託を買うことで、持っている投資信託の比率を元に戻すのです。これがリバランスです。

リバランス

投資信託の比率が大きく崩れてしまうと、資産全体のリスクが大きくなってしまう傾向があります。リバランスを行って元のリスクに戻すことで、より安定した投資ができるようになります。

これ以外では、とくに売る必要はないように考えます。投資信託を売って、定期預金や保険といった商品に変更すれば、確かに利益は確保できるかもしれません。しかし、預金や保険ではお金はほとんど増えませんので、増やせる可能性とせっかくの非課税メリットをみすみす手放すことになってしまいます。

ですので、iDeCoでもときどきリバランスをするものの、基本的にはほったらかしで、コツコツと利益を伸ばしていけばいいと思います。

ただし、資金流出が続く投資信託には要注意

つみたてNISAでもiDeCoでも、購入した投資信託の状況は、各金融機関のスマホアプリやウェブサイトなどで簡単に確認できます。

多くの方が気になるのは「買った投資信託が値上がりしたか」だと思います。もちろん大切ですし、その気持ちもわかるのですが、それよりももっと気にしてほしいことが1つだけあります。

それはずばり、投資信託の「純資産総額」がどうなっているかです。

純資産総額は、投資信託が持っている株式や債券などの資産をすべて合計した金額のこと。投資信託の規模を表す金額といってもいいでしょう。

純資産総額は、運用成績が良い(投資信託が組み入れている株式・債券・不動産が値上がりする)と増えますが、それよりも影響が大きいのが投資家からどれだけお金を集められるかです。ですから、資金流入額が多い投資信託であるかどうかは、投資信託を選ぶ上で重要です。

純資産総額(資金流入額)が多く、右肩上がりで増えていればいいのですが、問題は純資産総額が減っている(資金流出が続いている)場合。特に、一気に減ってしまった場合には、不正などの問題が発生した可能性も否定できません。こうなると、値上がりが期待できないばかりか、途中で運用が終わってしまう(中途償還)こともないとはいえません。こうした投資信託を持っているようならば、さっと売却して他の投資信託に乗り換えてもいいかもしれません。

持っている商品(ここでは、投資信託)を売って、別の商品を買って入れ替えることをスイッチングといいます。

つみたてNISAの場合、持っている商品を売っても、非課税の投資枠は復活しません。そのうえ、売って戻ってきたお金で別の商品を買おうとすると、新規買い付けと見なされて、非課税の投資枠を使うことになってしまいます。非課税の投資枠を使い切っている場合には、スイッチングができないことになるので注意が必要です。

一方、iDeCoではスイッチングができます。つまり、つみたてNISAよりも自由に他の投資信託に乗り換えることができるのです。今ではウェブサイト等で簡単に手続きできる金融機関が増えています。あらかじめどう乗り換えるか決めておけば、それほど時間をかけずに手続きできるでしょう。

ただし、投資信託を売って新たに買うということをしていますので、売却時に信託財産留保額という手数料がかかる投資信託もありますので、そういった投資信託を持っている場合は注意しておきましょう。

投資の三原則

堅実にお金を増やす投資の三原則は「長期・分散・積立」。長い時間をかけて、分散投資を心がけ、少しずつ積み立てていくことです。つみたてNISAやiDeCoは、そんな王道の投資を有利にできる制度です。

利益が出るとついそわそわしてしまうかもしれませんが、ここはぐっと腰を据えて、コツコツと投資を続けてみてください。時間は、あなたの資産形成にきっと味方してくれるはずです。

(頼藤太希)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング