出産時期に夫が転職、貯蓄30万でなんとか切り抜けられる?

MONEYPLUS / 2019年5月9日 18時30分

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出産時期に夫が転職、貯蓄30万でなんとか切り抜けられる?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、結婚7年目にして子供を授かった37歳の共働き主婦。出産を控えて妻が仕事をセーブしなければならない上に、派遣社員として働く夫が転職を考えているため、収入が不安定になるといいます。貯蓄は30万円。なんとか切り抜けることができるのでしょうか。FPの横山光昭氏がお答えします。

結婚7年目、ようやく妊娠しました。ですが、出産の時期に収入が減りそうな見込みで、生活していけるのか心配です。夫はもともと技術系の仕事でしたが、事故でケガをして退職。その後うまく仕事が見つからず、今は派遣社員として働いています。5年勤めれば正社員になれるとは聞いていたものの、働き続けてみると過去に正社員になれた人は1人しかいません。どうやら正社員になると残業が多い割に残業代がきちんとつかなかったりして、手取り額でいえば派遣の時より少なくなる見込みなのだそうです。任期満了後は、継続の手続きはせず、正社員にもならず、転職しようと考えています。退職してすぐに仕事が決まらないと、失業給付が出るまで3ヵ月の待機期間がありますし、退職金がないので、収入がなくなってしまいます。


私自身は自営業で、イラストと映像関係の仕事をしています。妊娠中はがんばったとしても、重い機材を持つなどある程度仕事を制限しなくてはいけないと思いますし、出産前後は仕事をすることも難しいかなと思っています。ですから、私の方でも収入が減る見込みです。なんとか乗り切ることができるでしょうか。初めての子どもは楽しみですし、できるだけ不安が少ない状況で出産したいです。


〈相談者プロフィール〉
・女性、37歳、既婚(夫:37歳、派遣社員)
・職業:自営業
・手取り世帯月収:38.1万円
(夫:25.3万円、妻:12.8万円)
・手取り年間ボーナス:なし
・貯蓄:30万円


【支出の内訳(38.1万円)】
・住居費:6.8万円(家賃+共益費)
・食費:7.1万円
・水道光熱費:1.9万円
・通信費:1.7万円
・生命保険料:1.6万円
・日用品代:0.5万円
・医療費:1.4万円
・教育費:1.2万円
・交通費:0.4万円
・被服費:0.8万円
・交際費:1.5万円
・娯楽費:0.5万円
・小遣い:3万円
・嗜好品:0.6万円
・その他:1.6万円
・妻の仕事の経費:2万円
・国民年金、国民健康保険:5.5万円(2人分)


横山: お二人とも収入が減る見込みの中での出産は、不安ですね。今後の収入については、ご主人が仕事を見つけられるかどうかにより変わりますが、支出については現状を見直し、減らしていくことは可能だと思います。家計状況からどの程度の支出削減ができ、先に備えていけるか考えてみましょう。

今までの“当たり前の支出”を疑って

今の家計状況は精いっぱい暮らしての支出額なので、「これ以上どうしようもない」と思いがちです。ですが、そんな支出の中でも削減できる部分は意外と見つけられます。

今まで当たり前に支払ってきた支出の金額を、自分たちの使い方の量やレベルなどに合っているのかどうか照らし合わせてみて、他に策はないものか検討してみましょう。使い方などを振り返ると、今まで必要だと思っていたものや支出内容が意外と「こだわることなかった」と思えるものだとわかることもあります。

また、必要度に応じて優先順位をつけてみるということも、不要な支出を見つけるきっかけになります。下位にくるものは、そんなに重要ではないと判断できるからです。そうすると支出の間隔をあけても問題ないなどの判断もしやすくなります。

自分たちの暮らしに大切なものは尊重しつつ、不要な部分をカットできるように見直しをしてみましょう。

在宅時間が増えたメリットを生かそう

今までは二人とも仕事中心で、食費は外食が中心となり、水道光熱費や被服費、交際費、娯楽費などの使い方も意識してこられなかったようです。固定費も無頓着だったのかもしれません。今は出産に向け、仕事をセーブしている時期で、自宅にいることが多いと伺っていますから、これら支出について意識してみてはいかがでしょうか。

できることはいろいろあります。今後の育児の事前勉強の意味で、自炊の頻度を増やすことも食費削減に役立ちます。夫のお弁当などを作ることができると、なおよいかもしれません。電気や水道の使い方そのものにも注意をし、必要に応じてよく使う部屋の電球をLEDに、シャワーヘッドは節水タイプに、ということもよいと思います。

全体的に少しずつ支出を削減できると、1ヵ月にすると大きな支出削減につながります。浮いた分を貯蓄に回すことができれば、今後の不安定な状況の幾分かの支えにもなるでしょう。

出産一時金は「直接支払い制度」の活用を

出産のための入院にかかる費用は、40万円前後。病院によっては、50万円、60万円、それ以上かかることもあります。この費用の準備はかなりの負担となるため、今では出産一時金を直接入院費用に充てられる「出産育児一時金直接支払制度」を利用することが当たり前になってきました。一時はお金の準備ができず、出産費用を支払わないまま退院する人が多くいたので、その意味でも対策の一つになっています。

病院によっては直接支払いの手続きをしないと入院を受け付けないとしているところもあるので、そういうところに通っていれば問題はないのですが、もし、そうではない場合、直接支払いの手続きを自分で行いましょう。

預貯金の減りが少なくなるので、産後の生活費についての不安も少なくなります。生活の計画も立てやすいと思います。相談者さんご夫婦はまだ貯蓄が十分ではないので、ましてそういう手段をとったほうが良いでしょう。

投げやりにならず打開策を考えて

あとは、ご主人が早く新しい仕事を見つけられると安心ですね。

私たちの暮らしはいつも予想もしないようなことが起こる可能性があります。そこで私たちがどうしていくかにより、生活が左右されます。少々困難だと思うことがあっても、投げやりにならず、対策を考えてみてください。受けられるサポートを知り、自分たちにできることも知れば、乗り越えられることも多いはずです。無事に出産を迎えられることを楽しみにしております。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(横山光昭)

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