メリットとデメリットから考える「賃貸か購入か」の答え

MONEYPLUS / 2019年5月21日 18時30分

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メリットとデメリットから考える「賃貸か購入か」の答え

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、中古マンションの購入を検討している31歳の未婚女性。ローンを組むか、一括で購入するかで悩んでいるといいますが、そもそも今購入する必要が本当にあるのでしょうか。FPの渡邊裕介氏がお答えします。

現在賃貸マンションに居住していますが、延々と家賃を払い続けるよりはと思い立ち、中古マンションの購入を検討中です。現在の貯蓄額で購入できる範囲の予算で考えていますが、ローンを組むか、一括で購入するかで悩んでいます。ローンを組む際の手数料や金利等は無駄に感じますが、住宅ローン控除を考えると購入すべきだとも考えられますし……。もし一括で購入するなら、現在投資に回している分を利益確定して現金化する必要もあります。今はまだ、預金を増やすことを優先すべきでしょうか。どうすべきか悩み、考えがまとまりません。


<相談者プロフィール>
・女性、31歳、未婚、一人暮らし
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:30万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:80万円
・毎月の世帯の支出目安:20万円


【支出の内訳】
・住居費:6万円
・食費:3万円
・水道光熱費:1万円
・教育費:なし
・保険料:なし
・通信費:1万円
・車両費:1万円
・お小遣い:5万円
・その他:3万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:10万円
・現在の貯蓄総額:2400万円
・現在の投資総額:1000万円
・現在の負債総額:なし


渡邊: ご相談ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。中古マンションを住宅ローンを組んで購入するべきか、一括購入するべきかのご相談ですね。

本題に入る前に、まずご相談者は、延々と家賃を払い続けるのはもったいない、ということでマンション購入を検討されているようですが、本当に今すぐマイホームが必要なのか、購入するにあたって他の要素も含めて考えた方が良いでしょう。

よく、“賃貸”と“購入”をどちらが“得か”で考える方がいますが、将来の経済環境や何歳まで生きるか、ライフスタイルの変化など、前提条件によってまったく変わってしまいますので、ほぼ意味がないものと思ってください。

損得よりも、賃貸も購入も、それぞれメリット・デメリットが存在しますので、そこを踏まえた上で、ご自身にとって今後どちらが充実した生活を送れるかを基準に検討してください。

賃貸なら経済状況に応じて住み替えが可能

<賃貸のメリット・デメリット>
【メリット】
・家族構成や仕事など、ご自身をとりまく環境の変化により、その都度引越しをすることが可能
・年収の変化に合わせて、家賃の高いところや低いところへ住み替えることが可能
・勤め先によっては家賃補助が出る場合がある
・住宅ローンがないので、破綻するリスクがない
【デメリット】
・家賃を払い続けなければならない
・高齢になると借りられる物件が限られてくる

将来、家族構成が変わることで、手狭になってしまったり、収入が減少した場合に、住居費の負担が大きくなることもあります。そういった際も、賃貸であれば、住み替えがしやすいです。年齢を重ねるとともに、ライフスタイルも変化します。その時々に適した環境で生活できるというのは大きな魅力です。

また、お勤め先によっては、家賃補助があります。マイホーム購入によって打ち切られるケースも多いので、慌てて購入せず、補助がある時期は住居費負担を抑えて、その分しっかりと貯蓄に回すことも可能です。

一方で、生きている限り家賃を払い続ける必要があるので、リタイア後の住居資金など老後に対する不安があります。計画的に準備をしていきましょう。

購入なら団信に加入するので万が一のことがあっても安心

<購入のメリット・デメリット>
【メリット】
・マイホームを持つ充実感・満足感がある
・自分の理想の間取りにリフォームすることが可能
・住宅ローンを組むと団体信用生命保険に加入するので、万が一の時に住宅ローンの支払いがなくなる
【デメリット】
・簡単に住み替えができない
・多くの場合、住宅ローンを組むので負債を抱える
・頭金や諸費用など手元資金が少なくなる

住宅購入の最大のメリットは、マイホームを持つという満足感でしょう。自分の理想の間取りや内装にでき、生活する空間が大切な人にとっては、より充実した生活を送ることができます。合理的ではないかもしれませんが、価値観によっては、何にも代えがたいものでもあります。また、住宅ローンを組むと、団体信用生命保険に加入することになりますので、万が一のことがあっても安心な保障機能があります。世帯をお持ちの方だと安心です。

一方で、購入すると、余程売りやすい・貸しやすい物件でないと、そう簡単に住み替えることができなくなります。また、住宅ローンの返済は待ったなしなので、収入の変化などで返済が苦しくなり、手放さなければならないリスクもあります。

個々によって異なる価値観、何を優先したいのかを見極めて

このように、賃貸も購入もそれぞれの特徴があります。ご相談者にとって、何が一番優先なのかをもとに検討してください。

30代前半ですと、今後家族構成が変わる可能性があり、仕事や生活拠点も変わるかもしれません。どうしてもマイホームが欲しい理由がなければ、焦って今すぐ購入しなくても良いのではないでしょうか。

しっかりと貯蓄され、資産運用も取り入れているようです。今は将来の変化に備えながらしっかりと資産形成を行い、50歳を過ぎてからキャッシュで購入されても十分間に合います。迫るリタイア後を見据えて、居住エリアや間取りなどもその時点で最適な物件が選べます。ただし、50歳を過ぎてから自己資金がないと購入は厳しくなるので注意してください。

どうしても今すぐ購入したい場合は、住宅ローンを組むか一括購入かの選択となります。どちらが良いかについては、住宅ローンを組むことによる利息負担と、住宅ローン控除の効果、手元に残った資産の運用方針などによって変わってきますので、固定or変動での利息負担がどうなるか、ご自身の年収でのローン控除による節税効果の合計額などをシミュレーションして比較してみましょう。

一括で購入する場合、手元資金が大きく減少するので、病気やケガなど、何かあった場合の医療費や収入減少に対する保障なども含めて考える必要があります。

個々によって、お金の価値観やライフスタイルは異なります。生活設計に正解はありません。様々な選択肢の中から、ご自身にとって安心して充実した生活が送れるよう、最適な選択をされることを願っております。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(渡邊裕介)

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