60代シングル「老後が不安、未経験でも投資を始めるべき?」

MONEYPLUS / 2019年6月13日 18時30分

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60代シングル「老後が不安、未経験でも投資を始めるべき?」

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、介護職員として働く、バツイチの65歳女性。現役で働いているものの貯蓄は増えず、老後資金を増やすために投資を検討しているようです。FPの横山光昭氏がお答えします。

これからの生活のためにお金をつくりたいです。15年ほど前に離婚をし、息子も一人立ちしているので、老後は一人暮らしです。年金を受給中ですが、介護施設でもうしばらく働けるので給与収入もありますし、離婚時の財産分与でマンションが自分のものになっているので、なんとか生活はできています。ただ、蓄えが増えません。これから働けなくなったら、生活費が不足するので、働いているうちになんとかしたいと思っています。金融機関で相談すると、投資を勧められましたが、私にもできるものなのでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、65歳、バツイチ
・職業:介護職員
・手取り世帯月収:24万円
(年金:9.8万円、手取り収入:14.2万円)
・手取り年間ボーナス:約40万円
・貯蓄:600万円(離婚時の財産分与分のみ)


【支出の内訳(23.6万円)】
・住居費:1.5万円(管理費)
・食費:6.8万円
・水道光熱費:1.5万円
・通信費:1.8万円(スマホ・タブレット各1台)
・生命保険料:0.7万円
・日用品代:0.5万円
・医療費:0.8万円
・教育費:1万円
・被服費:1.5万円
・交際費:4万円
・その他:3.5万円


横山: ご相談ありがとうございます。そうですね、現状のままでは、仕事ができなくなった後の生活費は少し心配ですね。ですが、焦って安易に投資を始めてはいけません。

「すぐに投資をする」ではなく、まずは家計の見直しを

老後資金を増やすために投資を、というお気持ちはわかります。ですが、支出状況を見ていると、投資をするには余剰金が少ないようです。女性一人暮らし、住宅費もかからない状況で、毎月23万円以上の生活費がかかるのは、少し支出が多いのかもしれません。支出状況を見直して、黒字額を増やすことから始めましょう。年金生活に入ると、もっと生活費を圧縮せざるを得ないかもしれません。その準備段階と捉えていただくとよいでしょう。

相談者さんは、食べることや他の方との交流を好まれているようですが、ここの改善は難しそうでしょうか。この支出を抑えられると、支出状況は随分変わりそうです。また、通信費も格安SIMに入れ替えるなど、削減策はありそうです。使い方により不向きな場合もあるので、家電量販店の格安SIMコーナーなどで相談してみてはいかがでしょうか。

いろいろ取り組んでみると、7万円ほどの削減が可能だと思います。

いろいろ生きる楽しみとしてのこだわりがあるのでしょうが、ある程度工夫しながら支出を下げていただけたら、貯めるられる金額は増えていきます。

老後資金としていくら準備するか

相談者さんは、老後資金はいくら必要だと考えますか? 年金収入だけで、今の生活費を維持するとなると、毎月13.8万円を補填しなくてはいけなくなります。1年で166万円が必要です。貯蓄はあっという間になくなります。働いている間は、70歳まで厚生年金部分を増やせますが、月にして5000円増やせるかどうかです。

前述したように削減を考えて、もし7万円ほどの削減ができれば、毎月必要な生活費は16.6万円。補てんは6.8万円となり、年間81.6万円です。それでもまだまだ不足しますが、もし、働いているうちに削減することができたら、毎月7万円ずつ貯蓄をしていけるかもしれません。あと4年貯められるとすると、330万円以上老後資金を増やせます。ボーナスも使わずに貯蓄に回せると、500万円近く貯めることができます。

老後資金がいくら必要か考えてみましょう。毎月不足する生活費の補てん額が6.8万円で、あと30年生きると考えると、以下のようになります。

6.8万円×12ヵ月×30年=2448万円

2448万円が必要です。ですが、生活費をもっと削減でき、補てん額が3万円ほどで済むようになれば以下のようになります。

3万円×12ヵ月×30年=1080万円

1080万円まで必要額を減らせます。ここに、病気や介護に備えた金額を加えた額が、必要な老後資金です。支出の削減に励み、仕事を辞めた後、さらに削減することができれば、今の資産と合わせ、生活費くらいはなんとかできそうな見込みが出てきます。

老後は働くのに加え、投資を考えてもOK

投資にどうしても興味があるということでしたら、余剰金ができたら、一部をつみたてNISAなどリスクが少なく長期投資できるものに挑戦してみてもよいと思います。多少勉強が必要ですから、頭の運動にもなるでしょうし、10年後、20年後に備えるにはよいと思います。

金融機関に言われるがままに投資をするのはよくありません。手数料が高い商品を勧められることが多く、残念な思いをする人が多いからです。

また、一方で収入を得ることも考えてみてください。今は65歳、70歳を過ぎても働ける場所が増えています。少しでも長く収入を得続けられるということは、老後生活の強みです。健康を大切にし、働き続けることを考えてみましょう。社交的な相談者さんにはぴったりだと思いますよ。

そうすると、現時点で不足している老後資金も、より長持ちさせることができます。

年金額は、加入期間や働いた期間、もらってきた報酬額などにより、ルールを決めて計算されています。それでも長い間、生活費には足りないと指摘されてきました。やはり年金生活に入るまでには、ある程度必要な資金を見越して準備しておくことが必要なのです。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(横山光昭)

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