小遣いを減らしたくない夫と、これ以上節約できないという妻

MONEYPLUS / 2019年6月18日 18時30分

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小遣いを減らしたくない夫と、これ以上節約できないという妻

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、老後のために貯蓄をしたいという30代の主婦。夫は貯蓄のためにお小遣いを減らしたくないと言い、妻自身は働きたくても働けないため、節約に励みますが、削れるところが見つからないと言います。FPの渡邊裕介氏がお答えします。

老後のために貯金をしたいのですが、なかなか貯められません。夫は貯金ができなくても小遣いを減らしたくないと主張します。私自身は体を壊して退職し、現在、転職先を探していますが見つからない状況です。そのため、家計でほかに削れるところがないかと考えていますが、なかなか見つからないのです。アドバイスいただけないでしょうか。


<相談者プロフィール>
・女性、32歳、既婚(夫:31歳、会社員)、子供なし
・職業:専業主婦
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:23万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:70万円
・毎月の世帯の支出目安:20万円


【支出の内訳】
・住居費:8万円
・食費:2.7万円
・水道光熱費:1.7万円
・教育費:なし
・保険料:なし
・通信費:1.2万円(スマホ2台ほか)
・車両費:なし
・お小遣い:4.5万円
(夫3.5万円、妻1万円)
・その他:1.9万円(日用品など)


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:3万円
・現在の貯蓄総額:1400万円(うち妻名義1000万円)
・現在の投資総額:100万円
・現在の負債総額:なし


渡邊: ご相談ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。家計管理のご相談ですね。

まず大前提として、なぜご主人が貯金するよりもお小遣いを減らしたくないのか考えてみましょう。おそらく、老後のための貯蓄の必要性についてそこまでピンときておらず、老後生活のことよりも今の生活を楽しむことの方が優先順位が高いのではないでしょうか。そんな中で、ご主人のお小遣いを減らして、その分を貯蓄に回すのは困難でしょう。

また、漠然とした金額を継続的に貯めていくのは、貯蓄が趣味という方でないと難しいです。そもそも本当に貯蓄する必要があるのか、いくら必要なのかを明確にする必要があります。

貯蓄モチベーションを上げる「2つのアプローチ」

では、どのようにしたら貯蓄に対するモチベーションが上がるのでしょうか。自分自身がやりたいこと、目指したいこと、または避けたいことであれば、何かを犠牲にすることができます。

アプローチの方法は2つあります。一つ目は、フィア・モチベーション です。「このままいくと老後の生活ができない」「将来つつましい生活をしなければいけなくなる」など、“恐れ”がベースのモチベーションです。これらは、即効力があり、すぐに行動に移しやすい反面、持続力がないという特徴があります。

もう一つが、ファン・モチベーション です。「今からがんばれば理想の生活が送れる」「将来〇〇したい!」などポジティブなモチベーションです。こちらは、自分の叶えたい目標がベースとなっているので、持続力があります。これらを組み合わせながら、貯蓄へのモチベーションを高めてください。

必要額を明確にして、貯蓄計画を立てる

ご相談者の場合、現段階では、漠然と老後のために貯めたいということですが、ご主人とどのような生活を実現したいのか、またどんな生活は嫌なのかを話し合うことが大切です。夫婦だと感情面でうまく話せないケースも多いので、その場合は専門家など第三者を入れると効果的です。

いずれにしても、まずは貯蓄の必要性について、お互い共通認識を持ちましょう。その中で、その理想の老後生活のためにはいくら必要なのかなどをシミュレーションして、具体的な金額を定めましょう。

具体的な金額が決まると、次は貯蓄計画です。

「毎月の生活の中で余れば、貯蓄に回しています」という方がいますが、これだと貯まりません。手元にあると使ってしまうのが一般的です。まず先に、必要な貯蓄金額を引いて、それ以外で生活することを心がけましょう。

収入―生活費=貯蓄 ×
収入―貯蓄=生活費 

その際、何かしらを削らないと貯蓄にまわせない可能性もあります。その場合は、家計の見直しをしていきます。

お小遣いを削ってはいけない理由

具体的な貯蓄目標額が決まると、必要に応じて家計の見直しが必要となります。

家計の見直しを考える際、食費や交際費、お小遣いなどをがんばって削って貯蓄を捻出しようとする方が多くいらっしゃいます。しかし、どうでしょう。これらは、普段の生活の楽しみの部分でもあります。がんばって仕事しているのだから、せっかくなら美味しいものを食べたり、趣味を楽しむなどしたいですよね。

人にはそれぞれ生活する中で優先したいことがあると思います。そこを真っ先に削ると、それがストレスとなり、結局長続きしません。目標達成のためには、一時的な貯蓄ではなく、継続性のある貯蓄が重要です。

では、どう見直しをしていけば良いのでしょうか。

家計見直しの順番は、ストレスになりにくいところから

まずは固定費の見直しです。

はじめは家賃です。現在住んでいるところに思い入れやこだわりがないのであれば、少しでも安いところへ引越しをするのもひとつです。住み替えやすさが賃貸のメリットの一つでもあります。引っ越し費用などが一時的にかかりますが、長いスパンで見れば、効果が出てくるところです。将来的に住居をどうするかなどと合わせて考えてみましょう。

次に生命保険や損害保険などの見直しです。ご相談者は現在保険には加入されていないようなので、見直しすることで保険料を削減することはできませんが、逆に何かあった場合の備えとして必要かもしれません。

その次に携帯などの通信費です。こちらもプランの見直しにより、削減できる可能性のある項目ですが、こちらもご相談者はお二人で1.2万円なのでそこまで大きい支出にはなっていませんね。

では、ボーナスからの貯蓄はどうでしょうか。

ボーナスは、各種税金や保険料の支払いか、旅行やまとまった買い物などの楽しみに使われるケースが多いです。特に記載されていないので分からないですが、もし特に使い道が決まっていない部分があれば、ボーナスのうちいくらかは貯蓄に回しましょう。

このように、家計を見直す際には、削ることでストレスになりにくい箇所から考えていくのが重要です。


今回のご相談は老後のための貯蓄とのことでしたが、他にも、住居に関すること、将来の子供に関することなど、老後以外でもお金が必要な場面が出てくる可能性があります。老後はもちろんのこと、それ以外の経済的な目標がないかどうか、もう一度夫婦で確認し、それぞれの優先順位を付けたうえで、計画を立てていきましょう。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(渡邊裕介)

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