方南町駅でホーム延伸、「丸ノ内線」は便利になるか

MONEYPLUS / 2019年7月7日 7時30分

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方南町駅でホーム延伸、「丸ノ内線」は便利になるか

7月5日に実施された東京メトロ丸ノ内線のダイヤ改正。その目玉は、分岐線・方南町駅に6両編成の列車が入線できるようになったことです。

レールファンの間で大きな話題となっている、今回の丸ノ内線ダイヤ改正。注目ポイントを解説します。


利用客の悲願だったホーム延伸

「開業時より3両編成の車両しか入ることができず、当駅をご利用のお客様には、中野坂上駅で本線の列車と乗り換えを強いられるご不便を長年おかけしておりました。このたび、当社における輸送改善計画の一環として、方南町駅の延伸工事が完成し、6両編成列車の発着が可能となりました」

方南町駅2番線の中野坂上寄りで7月4日11時10分から行われた出発式では、野焼(のやき)計史(かずふみ)常務があいさつ。方南町から乗り換えなしで、新宿・東京・大手町方面へ行けることをアピールしました。続いて、新宿駅務管区の近藤泰志・管区長への花束贈呈、テープカットが行われました。

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近藤管区長の合図で記念の臨時列車が出発

「出発進行!!」

最後は近藤管区長が力強い声をあげると、2000系の臨時列車が出発し、中野車両基地へ向かいました。

ホームの長さを26メートル延伸

方南町駅は営団地下鉄荻窪線(現・丸ノ内線)の分岐線駅として、1962年3月23日に開業しました。ホームの長さは110メートルで、構造的には6両編成(18メートル車×6)の車両もかろうじて入線できましたが、当初から3両編成の車両で運転されていました。

これまで6両編成の車両が入線できなかった理由は、「過走余裕距離」がないことです。誤って停止位置を行き過ぎて止まることを想定し、衝突事故などを防止するため、停止位置からある程度の距離を確保する必要がありました。

東京メトロは、方南町駅のホームに6両編成の車両を入線させるため、西方向へ26メートル延伸し、全長136メートルに広げました。これにより、6両編成の過走余裕距離は2メートルから28メートルに延びました(このうち18メートルは新たに掘削)。

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新設された3a・b出入口

ホームの延伸工事に先立ち、開業当初に配置されていた駅事務室、券売機、改札口、一般トイレなどは、新たに用地を取得して掘削し、拡張したスペースへ移設。2017年12月に3a・b出入口を新設したほか、バリアフリーに対応するため、エレベーター、エスカレーター、多機能トイレを設け、“より使いやすい駅”に進化しました。

また、駅構内の床、壁、天井全体のリニューアル、照明のLED化、空調設備を更新。浸水対策として、すべての駅出入口に止水板を設置しました。方南町駅をイチから作り直すような大規模な改良工事には、完成まで8年を要し、約70億円が投じられました。

日中は1時間あたり3本が分岐線直通に

丸ノ内線のダイヤ改正により、“本線”である池袋―荻窪間の運行も大幅に変わります。池袋発着列車は「新宿行き」と「中野富士見町行き」の多くが「方南町行き」に変わり、西新宿、中野坂上方面への利便性が向上します。特に西新宿駅は都庁に近いので、より使いやすい路線になるでしょう。

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分岐線の朝ラッシュ時間帯は、中野富士見町始発の18本のうち、12本が方南町始発に変更されるほか、日中も1時間あたり1往復増発し、9往復運転されます。そのうち3往復は、新宿・東京・大手町方面に直通します。

乗り換えがなくなるのに加えて、6両編成による分岐線の着席率の向上、中野坂上駅ホームの混雑緩和による丸ノ内線全体の遅延防止が期待されます。

東京メトロ運転部輸送課の米元和重課長に、分岐線(丸ノ内線、千代田線)の3両編成の去就について聞いたところ、「将来的においても、3両編成の車両は一部残っていくと考えています」との回答でした。

分岐線は終日において6両編成と3両編成の列車が混在しますが、ホームの行先案内板では両数の表示がありません。東京メトロによると、今後、利用客の要望などに応じて対応を検討していく予定だそうです。

ダイヤ改正で混雑は緩和される?

現在、丸ノ内線の最混雑区間の混雑率は、A線(池袋から荻窪方面)新大塚―茗荷谷間で165%、B線(荻窪から池袋方面)四ツ谷―赤坂見附間で163%です。ダイヤ改正後はどうなるのでしょうか。

「方南町駅をご利用のお客様が、6両化によって『さらに便利だ』と思っていただいて、こちらに住んでいただくと、当然、混雑することも考えられますが、今のところ、最混雑区間の混雑率に影響はないと思っています」(米元課長)

朝ラッシュ時の運転本数はダイヤ改正前と変わらないため、混雑率に大きな変化はないとみているようです。

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丸ノ内線分岐線用の02系3両車(敷地外で撮影)

ちなみに、方南町駅の先には、京王電鉄井の頭線の永福町駅や西永福駅があり、丸ノ内線の分岐線が延びると利便性が向上するように思われます。

この点について、米元課長は「地図を見ると延伸できそうに思えるかもしれませんが、以前の方針からひも解くと、そのような計画は特にありません。東京メトロになってからは、新線は掘らないことになっています」と説明しました(筆者注:副都心線は営団地下鉄時代に建設が決定)。

1957年6月に建設省(現・国土交通省)から告示された東京都市計画高速鉄道網4号線(丸ノ内線のこと)の分岐線は、「中野区本町通3丁目―方南町間」となっており、中野富士見町―方南町間の開業後も延伸の計画はありません。

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方南町で見つけた「運変3」の標識

今回の取材中、分岐線各駅の線路内に「運変3」という標識を見つけました。東京メトロに確認してみると、3両編成の列車に万が一、過走などが発生し、車両位置を変えなければいけない場合、運転台を変更する必要がある位置を表しているとのこと。指令所の指示の下、安全を確保して行うそうです。

(岸田法眼)

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