この先も未婚の可能性、いくら貯蓄すれば不安は解消できる?

MONEYPLUS / 2019年7月31日 18時30分

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この先も未婚の可能性、いくら貯蓄すれば不安は解消できる?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、この先も未婚の可能性が高いという35歳の女性。将来のための自己研磨を欠かしませんが、お金に対しての不安はなかなか払拭できないといいます。どうしたらよいのでしょうか。FPの渡邊裕介氏がお答えします。

このまま独身の可能性が高いので、将来安心して生活できる蓄えを持っておきたいと考えています。現在は、歯科衛生士の仕事をしています。専門分野を持てるようにと認定歯科衛生士の資格を取る勉強を始めました。資格を取るためには、学会の年会費1万円や学会参加費約1万円、研修や学会参加への旅費4~5万円が自己負担となります。また、学生の頃より書道を続けており、お月謝や本代に約1万円、また、年に4~5回公募展に参加しているため、出品料や材料代に各3~5万円かかります。師範の免許も取っているので将来的には教室を持ちたいという夢もあります。


住宅ローン等はありませんが、将来は実家の持ち家(一戸建て)のリフォームを考えています。いくら貯蓄すれば、今後の不安を解消できるのでしょうか。アドバイスをお願いします。


<相談者プロフィール>
・女性、35歳、未婚
・職業:会社員
・居住形態:賃貸(一人暮らし)
・毎月の世帯の手取り金額:19.5万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:50万円
・毎月の世帯の支出目安:15.7万円


【支出の内訳】
・住居費:5.5万円
・食費:2万円
・水道光熱費:0.8万円
・教育費:1.5万円
・保険料:1万円
・通信費:0.8万円
・お小遣い:3万円
・その他:1.1万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:3.8万円
  -定期:1万円
  -つみたてNISA:1.3万円
  -投資信託:0.5万円
  -iDeCo:1万円(2割貯蓄、8割投資)
・現在の貯蓄総額:200万円
・現在の投資総額:95万円
・現在の負債総額:なし


渡邊: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。今回は、いくら貯蓄すれば今後の不安を解消できるかというご相談です。

現在、専門分野をより深めるための勉強をされたり、書道という趣味を生かし、将来教室を開きたいなど、意欲的な行動が多く非常に素晴らしいです。

貯蓄についても毎月決まった金額を貯めていますが、現段階で明確な金額的な目標がないので不安に繋がっているのだと思います。いつまでにいくら準備できれば理想の生活を実現できるかが明確になれば、より充実した生活に繋がります。一緒に考えていきましょう。

やみくもに貯めるだけではなく明確な目標を

貯蓄計画を立てるときに重要なのは、「何のために」「いつまでに」「いくらを」「どのように」準備するかです。多くの方がこの4つを考えずに、ただ貯めたい、貯めなきゃと焦りながら貯蓄をスタートするので、せっかく貯めていても、漠然とした不安を抱きながら生活をしています。ただ貯めるだけで満足するのではなく、ぜひお金のストレスのない生活を目指しましょう。

【何のために】
まずは、今後考えられるライフイベントについて整理が必要です。ご相談者は、どのようなライフイベントが考えられるでしょうか。

大きなライフイベントですと、住宅購入や退職でしょうか。住宅については、ご実家をリフォームして住む予定とのことですので、リフォーム資金を考える必要があります。もしかすると、ご両親やご自身の介護などが入ってくる可能性もあります。今回、大きな目標としては『老後生活費』『リフォーム費用』『ご自身の介護費用』としましょう。

【いつまでに】
それぞれいつまでに必要でしょうか。退職時期やご実家に住み始める時期ですが、退職については65歳、退職に合わせてリフォームと考えてみましょう。介護については、厚生労働省の「2016年 国民生活基礎調査」によると、日常生活に制限のない健康寿命については、女性平均が74.79歳となっていますので、74歳とします。

【いくらを】
では、それぞれいくらぐらい準備が必要なのでしょうか。

(1)老後生活費
リタイア後の収入は公的年金です。現在の年収が約360万円と想定すると、概算で年間189万円となります(※一定の条件で計算した概算額であり、実際の受給額とは異なります)。ご相談者の現在の生活費が15.7万円とのことですので、仮に今の生活を持続するという前提で考えると、ほぼ受け取る年金額と同額になります。

なお、総務省の「2018年度 家計調査報告」によりますと、65歳以上の女性単身世帯における平均消費支出は月151,421円となっていますので、今の年金制度での試算上は受け取る年金の範囲内で生活はできそうです。

ただ、今後受け取る年金が少なくなる可能性も考えると、もう少し余裕をみておく必要はあるでしょう。また、書道教室を持った際にかかる費用なども加えるとより具体的になります。

(2)リフォーム費用
リフォーム資金については、規模にもよりますが、1000万~1200万円程度で考えておけば、それなりのリフォームが可能です。

(3)介護費用
生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護ベッドの購入など一時費用の合計が平均69万円、月々の費用が平均7.8万円となっています。介護を行った期間の平均が54.5ヵ月ですので、トータルで約500万円ほどかかる計算となります。

ここまでを整理すると下記のようになります。

(1)老後生活費: 年金の範囲内での生活(余裕を持った準備も必要)
(2)リフォーム費用: 65歳までの30年間で1200万円の準備(→年間40万円)
(3)介護費用: 74歳までの39年間で500万円の準備(→年間16.6万円 ※貯められる時期は65歳までと考えると、30年間で準備が必要)
                  
今よりも貯蓄額を増やす必要がありそうです。ボーナスからの貯蓄も検討しましょう。

【どのように】
現在、つみたてNISAやiDeCoを活用し、貯蓄の一部を運用しながら資産形成されています。ご相談者は、20年以上先の長期的な目標の比率が大きいので、賢く貯めてらっしゃると思います。あとは、それぞれの制度活用の割合を用途に分けて考えるとより良いです。

iDeCoに関しては、原則60歳以降の引き出しとなるので、もしリフォームが60歳より早い段階で必要になりそうなのであれば、iDeCo以外での積み立てをするべきです。また、現在のiDeCoの内訳ですが、iDeCoは20年以上かけて運用をしていくので、運用比率をもう少し上げても良いと思います。安定資産については、iDeCo以外で貯めていきましょう。

貯蓄計画を考える際に、運用を組み入れた方が良いのかとか、どんな商品が良いのかとか、手段から入る方がいらっしゃいます。それだと不安は拭えず、継続も難しくなります。

まずは、老後どのような生活がしたいかという目的と、それを実現するための目標金額を整理した上で、次の段階として、方法や手段を考えていきましょう。そうすれば、将来への不安は解消できます。

ぜひストレスの少ない持続可能な貯蓄計画を目指してください。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(渡邊裕介)

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